Jリーグヤマザキナビスコカップ 予選リーグ Bグループ 第7節
2014.6.1 [SUN] 15:00 NACK

大宮

0 - 0
0 前半 0
0 後半 0

新潟

試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 14 中村 北斗
DF 27 今井 智基
DF 34 片岡 洋介
DF 17 高橋 祥平
MF 4 橋本 晃司
75'
MF 22 和田 拓也
MF 28 富山 貴光
46*'
MF 39 泉澤 仁
MF 41 家長 昭博
FW 32 長谷川 悠
81'

控えメンバー

GK 35 川田 修平
DF 24 高瀬 優孝
46*'
DF 30 渡部 大輔
MF 9 チョ ヨンチョル
81'
MF 10 渡邉 大剛
75'
MF 15 大山 啓輔
MF 18 横山 知伸

監督

スターティングメンバー

GK 21 守田 達弥
DF 27 松原 健
DF 4 舞行龍ジェームズ
DF 17 宋 株熏
DF 2 大野 和成
MF 8 レオ シルバ
MF 6 小林 裕紀
MF 18 成岡 翔
58'
MF 16 岡本 英也
70'
FW 9 田中 達也
58'
FW 28 鈴木 武蔵

控えメンバー

GK 1 黒河 貴矢
DF 39 坪内 秀介
MF 15 本間 勲
MF 25 小泉 慶
70'
MF 10 田中 亜土夢
MF 13 加藤 大
58'
FW 20 川又 堅碁
58'

監督

試合詳細
8 シュート 8
12 GK 6
1 CK 4
14 直接FK 10
3 間接FK 3
1 PK 0
試合データ

主審

窪田 陽輔

副審

今岡 洋二

副審

村井 良輔

第4の審判員

大友 一平

入場者数

7,902人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

34.1℃/19%
10人で奮闘、リーグ戦につながる闘いを見せる
ヤマザキナビスコカップ予選リーグBグループ最終節、アルディージャはホームに新潟を迎えた。すでに決勝トーナメント進出の望みは絶たれているが、だからこそ選手たちのパフォーマンスに注目したい。34度を超す酷暑のなか、さらには数名の負傷者もいるなか、どのような戦いを見せるのか。ファン・サポーターに勝利を届けたい。大熊監督は「中断期間前の最後の公式戦でありホームゲームですので、勝利を最優先に考えつつ、再開後のリーグ戦につながるような試合をしたい」と語った。

果敢なドリブルでアルディージャの希望の光となりつつあるルーキーの泉澤、2年目の飛躍に期待したいアタッカーの富山といった先発組はもちろん、公式戦初出場を目指してベンチに入った高瀬など、若い力の台頭も楽しみな一戦である。

序盤は最終ラインからパスをつないで崩そうとするアルディージャと、奪ったボールを素早く前線に運ぶ新潟という構図で進んだ。ホームチームの流れを作り出していたのは、正確にパスを散らしたボランチの橋本、前節の徳島戦と同じ左サイドバックに入った高橋、最前線で積極的にボールを追い、ターゲットにもなった長谷川だ。
 
迎えた25分、アルディージャに決定的なチャンスが訪れる。ピッチ中央をドリブルで駆け上がった富山が、長谷川のラストパスを受けてシュートモーションに入る。そこに、レオ・シルバの足がかかりPKが与えられたのだ。左隅を狙った家長のシュートは守田に弾かれて先制点とはならなかったが、アルディージャの選手たちに気落ちした様子はなく、その後も攻勢が続いた。
 
前半スタジアムが最も沸いたのは、抜群の速さでタッチライン際のボールに追いついた泉澤が、巧みな足技で数回ボールを跨ぎ、マーカーを振り切ってグラウンダーのクロスを入れたシーンだろう。ダイレクトで合わせた長谷川の左足シュートは枠を捉えなかったが、アルディージャのダイナミックな攻撃が先制点の期待を膨らませた。
 
前半のアディショナルタイムは1分。無得点でのハーフタイムが色濃くなる。ところが、新潟のカウンターを食い止めた片岡が2度目の警告を受けて退場となってしまう。後半の45分間を数的不利で戦わざるを得なくなったアルディージャとしては、さらにチーム力が問われる展開となった。

大熊監督は後半のキックオフから富山を下げて、左サイドバックに高瀬を投入。清水が変わらずゴールを守り、高橋と今井が中央でコンビを組み、右サイドには中村。2列目に家長、橋本、和田、泉澤の4人、前線に長谷川が残る4-4-1の布陣で臨んだ。
 
10人で戦うアルディージャは、ひとり一人が懸命に走ることで数的不利を補い、気持ちが伝わってくる戦いを見せた。カウンターの場面。長谷川のポストプレーからドリブルで持ち上がり、そのまま一気にゴール前まで駆け抜け、家長からの折り返しをヘディングで狙った中村のプレーは、「後半もやることは変えずにいこう。長い距離を走ること。10人でも最後までやり切ろう」というハーフタイムの大熊監督の指示を体現するもので、チームメイトの士気を高めるのに十分だった。
 
オレンジの戦士たちが奮闘を続ける。ゆっくりと時計の針が進む。太陽は傾き始めるが、一向に和らがない日差しが容赦なく体力を奪っていく。それでも、選手たちの足は決して止まることがなかった。
 
橋本と交代した渡邉は精度の高いセットプレーでアクセントをつけ、長谷川に代わって1トップを務めたチョ ヨンチョルは持ち味のドリブルを仕掛け、ファウルを受けることで仲間たちが一息つく時間を作った。85分、カウンターのチャンスが訪れる。泉澤と今井がドリブルでボールを運び、右サイドから渡邉がクロス。ニアサイドのチョ ヨンチョルが囮となりファーサイドへ詰めた泉澤がヘディングシュートを放ったが、ボールはわずかにゴールの上へ……。結局、両者スコアレスのままタイムアップの笛が鳴り響いた。

勝点3には届かなかった。今シーズンのヤマザキナビスコカップは、Bグループ6位という成績で幕を閉じた。しかし、試合後に起きた拍手が、最後まで走り抜いた選手たちの頑張りを表わしていたと思う。
 
大熊監督は「攻守の方向性が見えるなど、ポジティブな部分はあった」とし、繰り返し説いてきた球際の強さやハードワークに関しても「まだまだ甘さはあるけれど、及第点をあげられるくらいだった」と語っている。公式戦デビューを飾った高瀬については富山が、「新しく入った選手が、いい刺激を与えてくれた」と振り返った。
 
束の間のオフを挟んで、7月19日のリーグ戦再開までは1カ月強。10人で戦い抜いてつかんだこの日の勝点1を自信として、キャンプとトレーニングに臨むアルディージャの巻き返しに期待したい。

(総評:粕川哲男/写真:早草紀子)

続きを読む

監督コメント
監督 大熊 清
PK(の失敗)がありましたが、これは家長に限らず誰にでもあることです。そこからも良い試合をしていたとは思いますが、名古屋戦の前半もそうだったように、その良い試合を勝ちに手繰り寄せるには、さらにパワーが必要だとハーフタイムに声をかけました。10人になりましたが、『何しろ勝ちを』という気持ちを表現しようと。前半の気持ちのままでは勝ちを手繰り寄せることは、なかなか難しいと思っていましたので、10人で良く頑張ったと思いますし、新しい戦力が出てきて、この試合で攻守で方向性が見えた部分もありました。メンバーの年齢で言えば若い選手が台頭してきたので、その力をうまくチームの方向性に注入できれば、非常にポジティブな部分になるでしょう。ただ、どんな相手にも今日のような試合をするのは、そう簡単なことではないですし、点をゲットすることが今日もできませんでした。決定力のところで、前線の選手たちも含めて課題が残ると思います。FWがシュートを打てていないことや、そういったプレッシャーもありますが、中盤やディフェンスで点を取ることも必要ですし、FWのレベルアップも必要です。やはりFWが点を取らないと、チームが波に乗らないですし、やはりズラタンが点を取り出した頃は、波に乗る部分がありました。FWが得点という具体的な結果を示すことが重要だと思いますので、そこも練習で要求しながら、オフ明けにしっかりとチームを作って、試合に臨んでいくことが重要だと思っています。

Q見えてきた方向性を具体的に教えて下さい。
例えば5バックでも4バックでも、大宮は守備の部分で、個が守るスペースが狭いと感じていましたので、春先から戦術にこだわらず、一人ひとりの攻守の範囲を大きくすることが絶対必要だと思っていました。実際、J1で戦っていく中で、やはり一人ひとりの守備範囲が狭いなと感じていましたので、後ろを少し改革しながら勝点を獲りにいっていました。その中で少し役割を変えることで、ディフェンスでもボランチでも攻守の範囲が広くなれば、どんな相手に対しても安定度が増すのかなという兆しが今日見えたところがあるので、そこを仁(泉澤選手)のクリエイティブさや技術などを生かしながら、あとは得点を決めたり、今日以上に高いレベルで守備ができれば、さらに戦力になってくれると思います。徳島戦は『守備が大丈夫かな?』と思っていましたが、思ったよりも小柄ながら粘り強くやってくれたので、それが本当にJ1の高いレベルのチームに対してもできれば、非常に積極的に私も起用していけるなという兆しがありました。また、守備もそうですが、ミスが少なければ守備のバランスも良くなるし、攻撃の起点も増えるので、本当に今日以上の仕事がどんな相手にもできれば、大宮の新しい力にもなってくれると思って見ていました。あと、仁だけじゃなく、トミ(富山選手)には彼の役割がありますし、精度が増しています。全体的に1月に比べると高瀬も含め力が上がってきていますが、ここからJ1レベルでの競争で抜けていくのは誰なのか、その人材を集結させてチームを作ることが非常に大切なのかと思っています。

Q高瀬選手を後半から公式戦で初めて起用しましたが、彼のプレーを見てどう思いましたか。
『大丈夫かな?』と思うシーンもたくさんありました。ただ、今の大宮の選手というのは我慢しながら、勇気と時間を与えないと育たないところもありますし、高瀬は詰まっても左足で蹴れる良さがあります。右利きの選手だとああいうフィードもできないところもあるので、自分の中でも色々なジレンマがありますし、渡部も控えていた中で、良くない点もありましたが、彼にとってはポジティブな45分だったと思いますし、脚力があるので、守備を教えていけば、安易なミスも少なくなるかなと見ていました。皆、良いところと、J1では極端に足りない要素があるので、やはり練習と、上がってきている(上達の)加速度をさらに増すことが必要だと思います。

Q10人になってからも球際の厳しさとかハードワークの部分が出ていたと思いますが。
高瀬を含めてまだ甘いところもありますし、橋本には『今日、守備をやらなかったらすぐに交代だよ』と言っておきました。大宮の選手は自分の良いところを出すだけではなくて、足りないところを前向きにトライして力を付けなければいけません。それがチーム力が上がることにつながると思いますので、そういう意味ではある程度、合格点を与えてもいいのではないでしょうか。走るということ、ボールを走らせるということも含め、このチームは走り負けすると指摘された試合もありますが、そういう意味では、今日の試合では10人になっても前に出て行く気持ちがあったと思います。あとはメンタルも含めた持続力を個人やチームが持てるように鍛えていくことが一番必要だと思いました。
選手コメント
DF 24 高瀬 優孝
一人退場して10人になってしまいましたが、そこで自分が入りましたので、まずは失点をしないことと、守備を固めることをベースに入りました。あとはチャンスがあれば前に出ていきたいと思っていました。

Q:プロ初出場となりましたが、感想はいかがですか?
思ったよりも緊張せずにすんなりと自分の中では試合に入れたと思っています。

Q:今日の経験をどう生かしていきたいですか?
今日感じたことや課題も見えてきたので、中断期間、キャンプでしっかりとやって、次に出番があったときに備えたいと思います。

Q:中断期間ではどんなことを意識して過ごしたいですか?
自分は前半戦、試合には出られなかったので、中断期間明けまで自分の体力を落とさずにしっかりとやっていきたいです。

Q:初めてのNACK5スタジアム大宮の雰囲気はいかがでしたか?
今日は初めてでしたが、サポーターとの距離も近くて、サポーターの方もすごく応援してくれましたので、自分の活力になりました。
DF 27 今井 智基
前半の終了間際に一人退場して、少ない人数での戦いになりましたが、皆が90分集中して戦えました。失点なく終われたことは良かったです。

Q:前節の徳島戦からCBでの起用となっていますが、手応えとCBとして意識していることは?
手応えはまだまだという感じ。ラインを高くして、裏をあまり怖がらずに、縦にコンパクトをすることを祥平(高橋選手)たちディフェンスラインの選手と話しながらやっていましたので、それを意識してやりました。

Q:今井選手はここまで全試合出場していますが、それについてはいかがですか?
監督に使っていただいているので、期待に応えないといけないと思っています。まだまだ頑張らないといけないですね。

Q:ここで中断となりますが、中断期間ではどんなことを意識して過ごしたいですか?
オフもあるので、まずはリフレッシュを図りたいですね。また、嬬恋キャンプにも行くので、キャンプではしっかりと中断期間明けから良い戦いができるように、チーム全体として頑張っていきたいです。
フォトギャラリー

カテゴリー


X

パートナーバナー