第94回 天皇杯 2回戦
2014.7.12 [SAT] 18:00 NACK

大宮

  • 38' 菊地 光将
  • 50' 長谷川 悠
  • 55' 長谷川 悠
3 - 1
1 前半 1
2 後半 0

八戸

  • 5' 須藤貴郁
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 30 渡部 大輔
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
73'
DF 14 中村 北斗
46*'
MF 4 橋本 晃司
MF 22 和田 拓也
MF 10 渡邉 大剛
MF 28 富山 貴光
FW 41 家長 昭博
FW 11 ズラタン
24'

控えメンバー

GK 35 川田 修平
DF 3 福田 俊介
73'
DF 24 高瀬 優孝
46*'
MF 5 カルリーニョス
MF 38 増田 誓志
MF 39 泉澤 仁
FW 32 長谷川 悠
24'

監督

スターティングメンバー

GK 1 山田賢二
DF 20 菅井拓也
DF 3 成田諒介
DF 23 須藤貴郁
DF 4 久利研人
71'
MF 24 関口雄与
84'
MF 10 新井山祥智
MF 19 菅井慎也
FW 7 西村 啓
FW 9 小林定人
54'
FW 22 玉田道歩

控えメンバー

GK 26 奥山 陸
DF 14 金井隆太
DF 5 吉田智宏
DF 2 中村侑人
54'
MF 18 松野大輝
FW 29 金子顕太
71'
FW 11 鳴海勝也
84'

監督

試合詳細
14 シュート 5
8 GK 10
5 CK 2
8 直接FK 6
1 間接FK 5
0 PK 0
試合データ

主審

榎本一慶

副審

越智新次

副審

三原純

第4の審判員

浅田武士

入場者数

2,434人

天候

晴、弱

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

28.8℃/60%
長谷川の2発などで逆転勝利、難局の初戦を乗り切る
ワールドカップ開催によるJ1の中断期間が終わりを告げようとしている。17位と降格圏で苦しんでいるアルディージャは、嬬恋でのキャンプを終え、2人の新しい外国籍選手を獲得するなど、チームの改革を進めてきた。約1カ月にわたる中断期間明け初の公式戦は、トーナメント形式で行われる天皇杯の2回戦だ。1回戦で山形ユースを下した青森県代表のヴァンラーレ八戸をNACK5スタジアム大宮に迎え撃った。

天皇杯は、アマチュアチームも参加する大会で独特の雰囲気があり、醍醐味の一つとして「ジャイアントキリング」と呼ばれる番狂わせが存在する。選手個々の能力では総じてプロチームが優位に立つが、怖いものなしで向かってくるアマチュアチームとの対戦は意外と難しいものだ。プロチームの初戦は特に多くの番狂わせが起きることで知られている。当然、アルディージャとしては、用心深く初戦を物にしてリーグ戦再開に向けた勢いを付けたいところだ。しかし、やはり天皇杯の初戦は、容易にはいかないようだった。

前半5分、八戸は右コーナーキックをDF須藤がヘディングで合わせて先制。アルディージャは出鼻をくじかれてしまった。リードを奪われたことで慎重になり、後方からのビルドアップが思うように進まない。前線では4人が相手の最終ラインと並ぶ格好になり、なかなか縦パスを引き出せない。味方同士で衝突する場面や、連係ミスから自陣でボールを奪われてシュートに持ち込まれるなど、ぎこちない時間が続いた。それでも24分に負傷のズラタンに代わって長谷川が投入されると、30分過ぎにようやく落ち着きを取り戻した。右DFで先発した渡部は「最初にガツンと厳しくいかなければ、相手に『通用する』という感触を与えてしまう。だから入り方が大事だったけど、そこでやられてしまって余裕を持たせてしまった。ただ、先制されて慌てることで追加点を奪われるのは絶対に避けなければいけない。前半のうちに追いついて後半にギアを上げればいいという気持ちに切り替えた」と少しずつペースを巻き返した前半の戦いを振り返った。

実際、アルディージャは38分にセットプレーの流れから橋本のクロスを菊地が押し込んで同点とすると、後半からは高瀬の投入で運動量も増し、スムーズに試合の主導権を握った。中でも輝きを放ったのが、長谷川だった。50分、家長が右から送り込んだクロスに走り込むと、前方に流れる体を押さえるように右足のアウトサイドでボレーを合わせ、ボールを鮮やかな軌道でゴールへ流し込んだ。さらに5分後、今度は渡邉の右からのクロスをヘディングでしっかりと合わせて追加点を奪い、一気に相手の反撃の芽をつんだ。その後も高瀬のクロスや橋本のFKから富山がダイレクトシュートを狙うなど攻勢を続け、終わってみれば3-1。しっかりと試合を押し切った。

ただ、勝ち切ったことは収穫だが、手放しでは喜べない。橋本は「J1では立ち上がりにやられたら、試合が決まってしまう。あの失点がリーグ戦再開初戦じゃなくて良かったと思うしかないし、反省を次に生かさなければいけない」と自らを戒めるように課題を指摘。また、長谷川も「今日は後方でボールを持って相手を引きつけるというより、相手に戻る時間を与えてしまった。チームの調子が良いときは、もう少し球離れが良いはず」と改善すべき点を挙げた。ひとまず勝利を挙げたことには安堵の思いだが、リーグ戦再開に向けてさらなる上積みが必要だ。

(総評:平野貴也/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 大熊 清
練習試合をJ1と2試合やってきて、比較的ボールを持たれる時間が多く、互角もしくは互角以上の相手と試合をしていたので、逆に、ボールを主導権を持てて、相手が引いてくる中での試合はやっていない分、点が入るまでは難しいと思っていましたが、立ち上がりのフリーキック1本目は気をつけようと入った中で、非常に集中力を欠くような点があったことは反省点だと思います。長谷川や高瀬の頑張りや、ボランチもある程度、運動量は堅持・担保できましたが、練習試合とちがい実戦の中での、ボランチからの確実性と勇気のある縦パスは、少なかったという印象があります。相手が引いてスペースが無かったということもありますが、逆にJ1はプレッシャーが出し手にかかってきますので、やはりボランチのハンドリングが更に上がらないと閉塞感が出て来てしまいます。家長が引いてきてゴール前の枚数が減った場合、彼自身をどうするか、もしくは役割を変えていくのかという部分で、ゴール前の迫力というものを今後考えなければいけませんが、(本日の試合では、結果的に)ゴール前の迫力はかけていたと思っています。途中で、2トップにすることも考えていましたが、ある程度間延びしてチャンスも出来てきたので、結果2トップにしませんでしたが、逆にカウンターの場面ではなく、相手が引いたとき、例えばこっちが点を先に入れられて中々敵が出て来ないときには、引いてきてもらうだけでなくて、ゴール前の迫力やバリエーションはもう少し増やさなくてはいけないと思いました。新しい人員も入ったので、(今日の試合の)良い部分を踏襲して、新しい部分にも力を入れて、再開に向けて頑張っていきたいと思います。

Q:前半早めに失点して、中々チーム立て直せなかったように見えましたが?
お互いが50-50(フィフティ・フィフティ)の(相手との)練習試合をしてきたので、どんな試合も1点入れるまでは、まして今日に関しては点を入れられてしまった分、引いた相手をこじ開けるのは難しくなってしまったというのはあります。前半の途中からサイドバックを高くして、サイドで数的優位を作っていった中で、少しずつ(形が)出来てきたと思いますが、大剛(渡邉選手)が中央に入り、サイドバック(の位置)が低い分、高い位置で数的優位が出来ない、サイドバックが裏に出られなかったところで、失点をしてから消極的になったところもありますが、もう少しサイドでの数的優位という点を、最初から作れれば、もう少し主導権を握れていたのではないかと思います。前半の途中で、ズラタンがケガをするアクシデントもありましたが、J1全体でもサイドで個人で突出して突破できる選手もいない分、サイドでの数的優位であるとか、高瀬の運動量があれば、(彼については)守備も出来て運動量もあればJ1でも通用するかと思いますが、(チームとして)駄目な部分は修正しながら、新しい力を加えていければと思います。

Q:J1再開まであと一週間ということで、今日を踏まえてどういうフォローを?
カテゴリーが異なる相手なので、『(ボールを)獲れるだろう』という形で臨んだところの守備の連動性については、J1だと持たれるだろうという前提で考えますが、今日は『獲れるだろう』と思っていたところでかわされてしまったところがありました。その守備の連動という部分は、再度調整しないとJ1では通用しないと感じました。攻撃では、確実にかつ勇気ある縦パスを出していくことが、スピードアップすることに繋がるので、後に半家長が縦のスペースに出たり、縦パスの回数が増えれば、攻撃のスピードアップや回数が増えてくると思います。ただ、これからは今日の様なカテゴリーの違う相手の守備レベルでは無いので、もっとサポートも早くして、縦パスがまず入れられるか、そして今問われているのは、点をゲットすることやゴール前の迫力という部分です。このシステムでは、カウンター以外で家長が外に出ていったときにゴール前の迫力を、トミ(富山選手)がもっと中に絞ったり、(とはいえ)サイドハーフは守備もしないといけないので、トミが中に入るとなると、(ゴール前までは)距離が遠いので、2トップという訳ではないですが、例えば、日本代表の岡崎選手の様に、ゴール前に現れる回数をトミが増やしていくことが必要じゃないかと思いました。
選手コメント
FW 32 長谷川 悠
立ち上がりから締まりのない入り方をしてしまい、先に点を入れられてしまったので、難しい試合になってしまいましたが、落ち着いて逆転することができました。課題もありましたが、自分自身もゴールが取れたので、次につなげていくことができればと思います。

Q:ズラタン選手のアクシデントにより急遽出場となりましたが、どのような気持ちでピッチに入りましたか。
(このようなケースは)今年2回目でしたし、そういう状況は何回か経験もあるので、いつも通り入るように心がけました。

Q:長谷川選手自身は2得点を上げましたが、1点目を振り返ってください。
いいボールが来て、自分自身も力が抜けてしっかりとミートできたのでよかったです。

Q:2点目は渡邉選手からのクロスを見事ヘディングで決めました。
1点目もそうですけど、トミ(富山選手)が逆サイドからニアまで走って潰れてくれるので、そこを狙って2点目を取ることができましたし、トミのいい動きのおかげだと思います。

Q:カテゴリーが違う相手との戦いでしたが難しいところはありましたか。
相手というよりは自分たちがもっとやるべきことを明確に、自分たちのサッカーをやることを見せていければ難しい試合ではなかったと思いますが、カテゴリーも違うし、対戦したこともなかったので、難しい部分もあったと思います。

Q:来週からリーグ戦が再開しますが、どのような気持ちで臨んでいきたいですか。
今の状況は尻に火がついている状況なので、自分たちのサッカーをどうやって整理していくかが大事だと思います。どんな形でも勝点を取っていかないといけないので、中断期間明け1試合目から頑張っていきたいと思います。
MF 22 和田 拓也
立ち上がりで失点してしまって、流れが悪いところもありましたが、自分たちのやってることを焦らずに続けていこうということで、3点取れたのでよかったと思います。

Q:カテゴリーの違う相手と戦う上でのやりにくさは感じましたか。
普段の相手だと繋いでくるところを全部蹴ってくるところがあったので、そこで上下動が多くなることがあったのですが、後ろが跳ね返してくれていたので、僕らは拾うだけだったというか、それを繋げられればよかったと思います。

Q:和田選手自身が今日の試合で意識した点を教えてください。
ボールを前に繋ぐということはかなり意識しましたし、あとは相手のFWをどうやってはがすかということを意識しました。

Q:中断期間中にやってきたことで、結果が出せた部分と出せなかった部分を教えてください。
中断期間は、前からプレッシャーをかけることを意識して取り組んできて、今日はプレッシャーをかけなくても前に相手がロングボールを入れてきたので、うまくプレッシャーがはまる機会がなかったのですが、それでもうまく守れたと思いますし、こっちで落ち着く時間も作れたので、そこはよかったと思います。

Q:来週からリーグ戦が再開します。それまでどのように取り組んでいきますか。
次は広島ということでレベルの違う相手との戦いになるので、相手のこともそうですが、自分たちのクオリティを上げていきたいと思います。一週間いい準備をしたいです。
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