第94回 天皇杯 3回戦
2014.8.20 [WED] 19:00 NACK

大宮

  • 80' ズラタン
  • 86' ズラタン
2 - 1
0 前半 0
2 後半 1

湘南

  • 56' 三竿 雄斗
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 29 藤井 悠太
DF 3 福田 俊介
DF 17 高橋 祥平
DF 24 高瀬 優孝
MF 10 渡邉 大剛
77'
MF 38 増田 誓志
65'
MF 23 金澤 慎
79'
MF 39 泉澤 仁
MF 5 カルリーニョス
FW 32 長谷川 悠

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 18 横山 知伸
MF 15 大山 啓輔
79'
MF 22 和田 拓也
MF 41 家長 昭博
77'
FW 28 富山 貴光
FW 11 ズラタン
65'

監督

スターティングメンバー

GK 37 秋元 陽太
DF 3 遠藤 航
DF 14 丸山 祐市
DF 17 三竿 雄斗
MF 33 藤田 征也
71'
MF 2 菊地 俊介
MF 16 石川 俊輝
MF 26 亀川 諒史
FW 29 吉濱 遼平
45+2'
FW 9 ウェリントン
FW 39 武富 孝介
87'

控えメンバー

GK 21 梶川 裕嗣
DF 30 島村 毅
MF 13 岩尾 憲
MF 20 中川 寛斗
FW 7 大竹 洋平
87'
FW 10 菊池 大介
71'
FW 22 岡田 翔平
45+2'

監督

試合詳細
10 シュート 8
10 GK 7
7 CK 7
10 直接FK 17
1 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

松尾 一

副審

相樂 亨

副審

山際 将史

第4の審判員

塚田 健太

入場者数

3,841人

天候

晴、弱

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

28.8℃/50%
途中出場のズラタンの2ゴールで逆転勝利! 4回戦進出を決める!
アルディージャに明るいニュースが飛び込んできた。故障で戦列を離れていたGK北野が復帰。4月6日の神戸戦以来、4カ月半ぶりに公式戦のピッチに立った。
 
その北野を筆頭に、大熊監督はJ1リーグ戦から大幅にメンバーを入れ替えてきた。最終ラインは右から藤井、福田、高橋、高瀬。金澤と増田がボランチを組み、サイドハーフには右に渡邉、左に泉澤が入った。ワントップに長谷川。トップ下のカルリーニョスが攻撃の起点になった。
 
相手はJ2リーグ戦で23勝3分け1敗と驚異的な勝率で首位を独走している湘南。間違いなく強敵だ。しかし、アルディージャにとっては、J1リーグ戦で浮上するためにもここで負けるわけにはいかない。勝利はもちろん、次につながるきっかけが何よりも必要だ。フレッシュな陣容で臨んだ一戦は19時、アルディージャのキックオフでスタートした。

立ち上がりこそやや固さが見られたアルディージャだが、すぐに落ち着きを取り戻す。前線の高い位置から守備を仕掛け、ボールを奪えば抜群の運動量を誇る高瀬が果敢にオーバーラップ。この日が公式戦デビューとなる藤井も、アップダウンを繰り返した。攻守の切り替えが早い湘南の攻撃は、抜群のハードワークで封じ込めた。
 
前半は拮抗した展開が続いた。カウンターで攻めるアルディージャは前線までボールを運ぶものの、フィニッシュまではいたらない。守備では湘南のサイド攻撃を粘り強くしのぎ、決定的なシーンは与えなかった。両者にとって我慢の時間帯が続いた。
 
アルディージャにとって最大の決定機は、アディショナルタイムに入ってすぐだった。左サイドを突破すると、泉澤が左45度の位置から狙いすましたシュート。しかし、これは惜しくもポストに跳ね返される。さらに、こぼれ球に反応したカルリーニョスもシュートを狙ったが、ボールは相手GKの正面をついた。前半は0−0のまま折り返した。

後半に入っても、抜群の運動量で存在感を発揮したのが泉澤だ。ドリブルで左サイドを突破し、何度もCKを獲得。相手のマークは時間が経過するごとに厳しくなっていった。間違いなく、相手にとってもっとも危険な存在だった。
 
しかし、先に均衡を破ったのは湘南のほうだった。後半早々の56分、アルディージャは警戒していたセットプレーから先制点を許した。
 
1点を追いかける展開になって、すかさずベンチが動いた。大熊監督はボランチの増田に代えてFWのズラタンを投入。さらに77分にピッチインした家長がトップ下に入ると、ズラタンは右サイドハーフにポジションチェンジ。79分に入った大山も、軽快な動きを見せた。
 
この采配が功を奏したのは80分だ。左サイドの高瀬がゴール前に絶妙のクロス。これをズラタンが頭で合わせて同点ゴールを決めた。「クロスは自分のストロングポイント」と高瀬。ズラタンも「チーム全体の成果。高瀬からいいクロスが上がってきた」とチームメイトを称えた。
 
そして、試合を決めたのも、やはりこの2人だった。86分、カウンターから前線に切り込んだ高瀬がペナルティエリアの外で相手のファウルを誘う。ゴールまで約20メートルのFKを、ズラタンが豪快に蹴り込んだ。
 
アルディージャは最後までしっかりとボールをつないでタイムアップ。公式戦では7月12日の天皇杯2回戦以来、約1カ月ぶりに勝利のホイッスルを聞いた。

劇的な勝利で4回戦進出を決めた。大熊監督は、「粘り強く守備をすればチャンスは訪れる。攻撃でも自信を持っていい部分があった。過信ではなく、自信を持って戦うことが重要だと感じた」と振り返った。
 
これはただの1勝ではない。長いトンネルから抜け出すための貴重な勝利だ。「今日の勝利はチームに自信を与えてくれる。土曜日の鳥栖戦につなげたい」とズラタン。最後に残した「大きな意味を持つ勝利だった」という言葉がすべてを物語っていた。

(総評:岩本勝暁/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 大熊 清
非常に残念なのは、失点をセットプレーでやられたこと、本当にそこが残念なところです。結構長く対策しているところなので、もっともっと一対一の個のところで粘りを植え付けないと、やはりオーガナイズ(組織)だけでは、J1のレベルでは通じないと思うので、もう一回突き詰めていかなければいけないというのが、一番です。ただ内容については、それ以外は、春先からチームを見て来て全体が一生懸命取り組んできて、福田も最初は繋げなかったのをそこそこ繋げるようになってきましたし、ボランチを含めて数的優位を使って、日頃出ていない選手が、J2の首位のチームに対して、本当によくやったと思います。逆にまたいい競争が生まれると感じました。ただ更に上のレベルでは、出しどころにプレッシャーがもっともっとかかるので、そこの部分で出し手と受け手がどの位受けられるかが重要と思います。ボールを走らせながら自分たちも走るというところをこの数試合言ってきて、このメンバーが実践してくれて、湘南を上回ってくれたというのは、良かったと思います。ただ立ち返ってまた直ぐにリーグ戦に入るので、この頑張ったメンバーの中でいい刺激を与える形でメンバーを構成して、今後も一試合一試合大切に闘っていく必要があると感じました。

Q:日頃出ていない選手がかなり多く出ていましたが、リーグ戦で絡んでいけるという手応えはいかがでしょうか?
J1は甘くないので、例えば福田の高さだけを見て貰えば、J1でも十二分、逆におつりがくるくらいだと思いますが、先ほど言っている出し手のプレシャーがもっとかかる中で、パスが繋げるかどうかなど、冷静に見ていかなければいけませんし、ただ組合せによっては、絶対的な高さを武器としているチームもあるので、今後ディフェンスのターンオーバーではないですが、この相手にはこの組合せというような経験が積めたという点で、あいつも勇気を持って臨めるし、自分も起用について決断を下せるんじゃないかと思います。例えばそういう選手、高瀬も守備のところでは下がり過ぎてしまう場面もありますが、逆にあれだけアップダウンが出来る選手も日本にはそこまでいないかも知れないので、直ぐにではないですが、何より鍛えたいですし、選択する機会もあるのではないかと思いました。

Q:J2とはいえ首位を独走している湘南に勝利したということで、この勝利をどうリーグ戦に繋げていきますか?
雰囲気もそうですが、誰が入っていけるかと考えていかないと、J1はそんなに甘くはないと思っています。勝つメンタリティといいますか、今日も延長は覚悟しましたが、勝ちを手繰りよせる、頑張れば、守備を粘ればチャンスも訪れるし、逆に攻撃できちっとポジションを取れば、カウンターに繋ぐこともできるという自信を持っていいと思いますので、過信ではなくて、自信をもっていい部分は、リーグ戦に持って行って、しっかり闘うことが必要だと思います。
選手コメント
FW 11 ズラタン
自分が途中出場する以前から全体としては、いいサッカー、いいプレーをしていたと思いますし、チャンスも作っていました。ただセットプレーで不運な1点がありましたが、自分が入るときは、まず追いつくところからでしたので、まずは得点することを意識して試合に入りました。得点することが出来て、最終的に勝つことができましたが、これは自分だけでは無くてチーム全体の成果だと思います。

Q:ズラタン選手は見事2ゴールを上げましたが、まずは貴重な1点目を振り返ってください。
まずあの得点はチーム全体の成果だと思います。高瀬選手から非常にいいセンタリングが上がって、上手く空中戦を制することが出来たので、上手くボールに触れて運良くボールがゴールの中に納まりました。恐らくあの得点によって相手のキーパーが精神的にきつくなったと思うので、あの得点の後、このまま攻め続ければ逆転ゴールは生まれるだろうと思っていました。

Q:2得点目も思い切りのいい、直接フリーキックからの逆転ゴールとなりました。
あの得点もフリーキック以前に高瀬選手が非常にいい形でファウルを貰ってくれて、チームとしていいアクションでファウルを受けるところまで行けていました。フリーキックの位置が割とゴールに近かったですし、自分は1点目を決めた後で凄くいい感覚を持っていたので、そのシュートでいけるなと。あの距離ならキーパーも防ぐのが難しいですし、上手く決めることができてよかったです。あのゴールで勝つことが出来て延長戦も戦わずに済んだので、土曜日までしっかり準備出来ると思います。

Q:ホームスタジアムで久しぶりの勝利となりましたが、リーグ戦でも出来るのではないでしょうか。
もちろん今日は勝つことが出来ましたが、私たちにとって今一番重要なのはリーグ戦であり、そのリーグ戦で私たちは長い間勝てていませんが、今日の勝利は、チーム全体に自信を与えてくれるものであるので、自分たちは勝つことが出来るんだとみんなが感じられて、自信を取り戻せたと思うので、次の土曜日の試合にしっかり繋げていきたいと思います。本当に大きな意味を持つ勝利だったと思います。
DF 24 高瀬優孝
湘南は勢いのあるチームなので、運動量もあっていいチームだというのは知っていました。その中でどれだけ自分たちが走れるかであったり、気持ちの部分でも見せていきたいと思っていたので、そういう部分を大事に入りました。

Q:試合中は泉澤選手と一緒に崩していくシーンが見られましたが?
練習から仁(泉澤選手)とはいい関係を築いていると思うので、それが試合で出せたので良かったです。

Q:ズラタン選手の同点ゴールをアシストしましたね。
クロスが自分のストロングポイントだと思っているので、それを試合に出せて、ズラタンが決めてくれたのでよかったです。

Q:2得点目も高瀬選手がもらったファウルから生まれました。
後半の残りわずかな時間だと切り替えがみんな遅くなるので、そこで自分は違いを出したいと思っていました。相手の切り替えが遅くなったところで自分が走り勝てたところにいいボールが来たので、ああいう形になれたと思います。走ってよかったと思いました。

Q:試合全体を通して持ち前の運動量が発揮出来たと思うのですが、いいアピールになったのでは?
自分の特長である運動量を出せたと思うので、また次チャンスがあれば今日の様なプレーをしていきたいと思います。

Q:ホーム・NACK5スタジアム大宮での勝利はいかがですか?
天皇杯2回戦のときもそうだったのですが、ホームで勝つのは特別なものなので、素直に嬉しかったです。
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