第94回 天皇杯 4回戦
2014.9.10 [WED] 19:00 NACK

大宮

  • 63' 富山 貴光
  • 68' 橋本 晃司
2 - 1
0 前半 1
2 後半 0

愛媛

  • 5' 河原 和寿
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 27 今井 智基
DF 3 福田 俊介
84'
DF 18 横山 知伸
DF 24 高瀬 優孝
MF 4 橋本 晃司
MF 5 カルリーニョス
88'
MF 22 和田 拓也
MF 41 家長 昭博
FW 28 富山 貴光
76'
FW 32 長谷川 悠

控えメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 29 藤井 悠太
84'
MF 13 チョ ウォニ
88'
MF 38 増田 誓志
MF 10 渡邉 大剛
MF 39 泉澤 仁
76'
FW 8 ムルジャ

監督

スターティングメンバー

GK 1 児玉 剛
DF 28 ハン ヒフン
80'
DF 3 代 健司
DF 23 林堂 眞
DF 4 西岡 大輝
DF 17 キム ミンジェ
MF 5 渡邊 一仁
MF 16 江口 直生
74'
MF 14 堀米 勇輝
FW 11 リカルド ロボ
FW 20 河原 和寿
88'

控えメンバー

GK 31 大西 勝俉
DF 2 浦田 延尚
DF 6 三原 向平
80'
DF 25 村上 佑介
MF 22 近藤 貫太
88'
MF 26 藤 直也
FW 18 西田 剛
74'

監督

試合詳細
11 シュート 4
6 GK 17
8 CK 2
8 直接FK 6
8 間接FK 3
1 PK 0
試合データ

主審

榎本 一慶

副審

越智 新次

副審

田中 利幸

第4の審判員

大友 一平

入場者数

2,788人

天候

曇、弱

ピッチ状態

乾燥

気温/湿度

22.6℃/72%
渋谷新監督の初陣で逆転勝利! 2年ぶりに天皇杯8強進出
新たな船出だ。先月末、リーグ戦で浦和とのさいたまダービーに敗れたことでJ1での勝点53という目標達成が不可能となり、クラブは監督交代という決断を下した。新監督に就任したのは、渋谷洋樹コーチ。目下の急務は、J1で10戦連続未勝利と自信を失っているチームの立て直しと、17位という降格圏の脱出だ。リーグ戦よりも先に迎える渋谷体制での初陣は、天皇杯4回戦。チームに勢いを取り戻すために勝利で飾り、準々決勝へ駒を進めたいところだ。渋谷監督は、初陣に4-4-2の先発布陣を用意。GKに清水、4バックは右から今井、福田、横山、高瀬が並んだ。中盤は、カルリーニョスと和田がダブルボランチを組み、右に家長、左に橋本という攻撃的MFを配置。前線は長谷川と富山がツートップを組んだ。対戦相手は、J2に所属する愛媛。

アルディージャの出足は悪くないように見えたが、意外にもあっさりと先制を許してしまった。相手コーナーキックの流れから最終ラインを押し上げられずに波状攻撃を受け、5分に愛媛のFW河原に先制点を決められた。しかし、アルディージャは焦ることなく確実に押し返した。16分には左サイドを攻略し、高瀬のマイナスのクロスを富山がシュート。こぼれ球を長谷川が押し込んだが、オフサイドで得点は認められなかった。愛媛は5バックでサイド攻撃をけん制してきたが、技巧に優れた家長、橋本のキープからサイドバックの攻撃参加で数的優位を作る突破は有効だった。40分に橋本が左から狙い澄ましたシュートを放ったが、クロスバーに阻まれた。

ペースを奪いながらも1点を追う状況のまま、試合は後半に突入した。和田は「相手が先制したことで(守備的になって)こっちがボールを持ちやすくはなったが、相手は9人で守っているような状態だったので、難しさはあった。(攻撃が持ち味の)カルリーニョスをできるだけ自由にして、バランスを取るようにしていた」と苦々しい時間を振り返ったが、63分には素晴らしい出足でボールを奪ってラストパスを送り、ゴール前へ走り込んだ富山がGKに倒されてPKを獲得するという決定機を作り出した。富山が自らPKをゴール左に決めて同点に追いつくと、68分には、右サイドから家長の縦パスを受けた今井がクロス。「相手が戻りながら守備をするときに最終ラインと中盤の間が空くというのは、スカウティングで情報を得ていた」という狙い通りに中央へ通ると、飛び込んだ富山がそらしたところを橋本がダイレクトでゴールへたたき込み、一気に逆転した。その後はミスからロングシュートを狙われてヒヤリとする場面はあったが、選手交代を行いながら追加点を狙って攻め続けた。終盤には途中出場の泉澤と家長が個人技を駆使した連係で左サイドを攻略するシーンもあった。アルディージャはきっちりと試合を締めくくり、2-1で逆転勝利。

新体制の初陣を嬉しい勝利で飾り、喜びに浸りたいところだが、カルリーニョスは「やっぱり、勝利は良いもの。でも、継続が大事。今、大事なことは自信を持ってプレーすること」と早くも次戦に目を向けた。3日後には年に一度の熊谷開催であるJ1第23節の鹿島戦が控えている。当然、次の目標はリーグ戦での連続未勝利を止める、勝ち星となる。勢いを得たこの日の勝利は、そのためにあるはずだ。熊谷で再び勝利の喜びをわかち合いたい。

(総評:平野貴也/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 渋谷 洋樹
今日はありがとうございました。大宮にとって私がこういう形で監督になるということはクラブとしては大きな決断でした。Jリーグで17位という状況で、これだけファン・サポーターの皆さんが応援に来てくれて、我々を後押ししてくれるというのは、非常に嬉しく思いました。(今日)複雑な想いを持って応援に来てくれたと思いますが(皆さんの応援が)我々の力になって選手たちが躍動してくれたと思っています。ファン・サポーターの皆さんに非常に感謝しています。私たちはリーグ戦12戦全勝を目指して、天皇杯でもそうでしたが、とにかく一戦必勝を目指して行くことが勝利につながると、選手にもそう伝えていますので、ファン・サポーターの皆さんには引き続き共に闘って欲しいというのが私の希望です。今日の愛媛FCさんはチームとしてやることがはっきりしていて、まとまったチームだという印象で(試合に)入りました。しっかりとボールを動かさなければ活路は見えない、得点も入りづらいと思っていましたが、この試合に向けて守備の修正をやっており、そういった意味でも攻撃のトレーニングをできてなかったので、選手の感性・センスで点が入ったと思います。ただ試合の中で前半を含めて良い奪い方から良い攻撃というところでは、一つテンポが遅いところもありましたが、いい形で取れているところはあったので、それを続けるということと、ボールを動かしてサイドチェンジをしての決定的なシーンは前半からあったので、それをやり続けるというところをハーフタイムにも伝え、それをやり続けたことが結果とつながったと思います。ただ、1失点目はセットプレーのセカンドボールで取られてしまいました。1点取られると厳しく、我々もパワーも使うことを改めて実感しました。これがJ1ですと(1点を)返せない、また追加点を取られるということになってくると思うので、しっかりとそこは修正しなければいけないと思います。ただ、愛媛さんもあれだけしっかりと(守備を)していたので、自分たちもどのようにこじ開けていこうかということを考えながらやっていたのですが、非常に素晴らしいチームなので、(テクニカルエリアに)立ちながらどうやって行こうかと考えてやっていました。PKの場面で大きく状況が変わったと思います。富山選手の特長を活かしてPKを得て得点をしたので非常に良かったと感じています。

Q:監督に就任して最初の試合を勝っての率直な感想と、和田選手が上手くスライドしながら状況を見て、前にプレッシャーに行けていたところの監督の評価を教えてください
私が勝ったというのはあまり感じないです。まずは天皇杯でベスト8に進めたことが率直にうれしいです。対愛媛に向けて今回(試合に)出ていない選手たちも、自分の役割をこなしてくれて、それが結果となったことが嬉しく思います。それが一番です。拓也(和田選手)がスライドしてボールを奪いに行っているのは(彼の)特長でもあるので、相手のボールの動かし方に対してタイミングが良かったと思うのですが、「下がらずに前に取りに行きなさい」と伝えていたのと、また、彼がどうこうというよりは全体的なコンパクトさがそのような状況を生んだと思います。それ以外の選手もボールを奪っていたと思うので彼のみではないと思います。

Q:渋谷監督の守備のコンセプト、「ボール中心の守備」というところでの達成度は?
全体に「ボール中心」ということは、相手に惑わされないで守備をすることであり、ある程度ここのボールだったらここにポジションを取るというハードワークが一番重要なポイントです。相手がシステム上でアンマッチで、色々なボールの状況があると思うので、コンパクトを作った中からボールを奪いに行っているか、何となく相手のミスでボールを奪えていたかは見極めていかなくてはいけないと思ってますので、もう一度ビデオを見てみたいと思います。率直な感想です。

Q:相手にしっかりとボールを持たれ、バイタルエリアで河原選手をフリーにして、コンビネーションでチャンスを多く作らていたように見られましたが?
真ん中に入っているということ、ボランチにフリーでボールを持たれている場面が多く、コンビネーションが生まれやすいということは、(愛媛の前線の)3枚で(大宮の)2枚のボランチを抑えていて、(大宮の)DFの4人が(愛媛の前線の)3人を抑えるというかたちなので(数的優位なので中に)入っていくのは構わないと思います。(河原選手にボールが)入ってしまうのは仕方ないですが、そこでプレスバックができているか、プレッシャーがかかっているかいないのかを見極めて、(愛媛の)3人のコンビネーションは全体的に距離感がいいので、そこはやられてもしっかりと止める、(スペースを)使われているからダメではなく、使われても最終的にカバーすればいいという感じでしたが、そこに対してのプレッシャーが甘かったかもしれないし、ボールをしっかりと持たれたときにやられているのは、サイドハーフのポジションが悪いと思います。カウンターを受けているときは我々のバランスが悪かったと思います。

Q:中二日で鹿島戦となりますが、どの様に戦っていきますか?
守備に関しては、『ボール中心』なので、(相手によって)立ち位置は変わってくるとは思いますが、相手がどうこうではなく(対応できるところが)強みだと思っているので、あとは選手がそれを全うして動けるか、それをもう一度整理していきたいと思っています。もちろんメンバーも変わるかもしれませんし、色々な選手を試し、変化させていきたいとところもあるので、そのやり方と相手のやり方とを、確認してやっていきたいと思います。明日明後日の二日間で、鹿島に向けてはしっかりとイメージさせてやっていかないといけないと思いますが、対鹿島・対愛媛ということではなく、基本的には最後のところのシミュレーション(の違い)だけなので、それまでの守備のところを準備して、どの相手でも変らないその部分はブレずに、やっていきたいと思います。あとは攻撃のところ、守ってばかりではサッカーは勝てないので、守って一本取る、それも一つのやり方であり、カウンターでもトレーニングしなければ(点は)取れないと思うので、この短い時間でやれる限りやっていきたいと思います。
選手コメント
MF 4 橋本晃司
(この試合が)リスタートということで皆気持ちが入っていましたけど、ちょっと前に行き過ぎたというか、不意を突かれて先制点を取られたので難しくなりました。ボールは支配していましたし、形もできていましたし、焦らずに点を獲りにいこうと話はしていたので、後半に逆転ができて良かったです。

Q:ボランチではなく、サイドハーフでフル出場となりました
元々サイドをやっていたので、やりやすい部分はありました。ボランチよりはボールに触る回数は減るので上手くボランチをやっていったことを活かしながら、昔からやっていたことを思い出しながらやりました。

Q:守備も頑張っていたと思いますが
監督が全員攻撃・全員守備というすごくコンパクトなサッカーを目指しているので、皆との距離感を意識してプレーしました。

Q:ゴールを決めました。ゴールシーンを振り返ってください
トミ(富山選手)がニアでDFを引き付けてくれたので、そこの空いたスペースにボールがこぼれてくればいいなと思って(スペースへ)入っていきました。今日打ったなかで一番難しいシュートでしたが、あれが入って他のが入らないのはどうかと思いますが、やっと入ってよかったという感じです。

Q:中二日で鹿島戦となりますがどのように取り組んでいきますか
この勝利を活かして、勢いに乗って天皇杯も獲る気持ちでいますし、リーグ戦の残り12試合も全て勝って行くという気持ちで、(リーグでは)一つでも順位を上げていきたいと思います。
FW 28 富山貴光
前半は1点取られて厳しい状況でしたが、そこから後半1点取り返して2点目を取れて勝てたといううことは、すごく大きかったと思います。

Q:本職のFWとしてのプレーとなりましたが、いかがでしたか
久しぶりのFWでのプレーで、すごい楽しみでしたし、絶対に点を取ってやろうという意気込みで望んで、実際に点が取れたということは、個人としても大きかったですが、チームとして自分のゴールで勝利に導くことができて良かったです。

Q:自身で獲ったPKを、蹴るまでの心境はどうでしたか
ミーティングの時にはアキ君(家長選手)が蹴るはずだったのですが、昨日、アキ君から『PK蹴ってもええで』と言われて、本当にPKの状況になったので蹴らせていただきました。しっかり決めることができて良かったです。

Q:昨年の広島戦以来のゴールとなりました
これまで長い道のりだったので、本当にファン・サポーターの方に申し訳なかったと思います。

Q:ゆりかごダンスが行われていましたが、あれは誰に対して行われたのですか
高橋選手に子供が産まれたので。

Q:次の試合、中二日での鹿島戦への意気込みを聞かせてください
天皇杯は勝ちましたけど、次のリーグ戦に気持ちを切り替えて、次の試合が全てだと思うので、チーム一丸となって、どのような形であっても勝点3をもぎ取ってファン・サポーターの方と喜びをわかち合いたいと思います。
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