第94回 天皇杯 準々決勝
2014.10.15 [WED] 19:00 万博

G大阪

  • 59' 二川 孝広
  • 84' 佐藤 晃大
2 - 0
0 前半 0
2 後半 0

大宮

試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 東口 順昭
DF 5 丹羽 大輝
DF 6 金 正也
DF 15 今野 泰幸
DF 4 藤春 廣輝
MF 17 明神 智和
MF 27 内田 達也
71'
MF 9 リンス
MF 10 二川 孝広
79'
FW 20 佐藤 晃大
85'
MF 11 倉田 秋

控えメンバー

GK 16 河田 晃兵
DF 22 オ ジェソク
71'
DF 23 内田 裕斗
MF 13 阿部 浩之
MF 19 大森 晃太郎
79'
MF 25 岡崎 建哉
85'
FW 24 小川 直毅

監督

スターティングメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 27 今井 智基
DF 3 福田 俊介
DF 17 高橋 祥平
DF 24 高瀬 優孝
88'
MF 13 チョ ウォニ
MF 38 増田 誓志
78'
MF 10 渡邉 大剛
MF 4 橋本 晃司
FW 15 大山 啓輔
78'
FW 32 長谷川 悠

控えメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 34 片岡 洋介
DF 29 藤井 悠太
MF 22 和田 拓也
MF 39 泉澤 仁
78'
MF 42 マテウス
88'
FW 8 ムルジャ
78'

監督

試合詳細
6 シュート 2
8 GK 5
5 CK 2
16 直接FK 17
5 間接FK 3
0 PK 0
試合データ

主審

村上 伸次

副審

越智 新次

副審

穴井 千雅

第4の審判員

吉田 哲朗

入場者数

3,604人

天候

晴、弱

ピッチ状態

乾燥

気温/湿度

18.7℃/40%
総力戦でG大阪に挑むも、天皇杯はベスト8で敗退。
「危機感に尽きると思います」
 
思うように勝星を挙げられず降格圏に低迷していたアルディージャが、監督交代を機に息を吹き返した理由について尋ねると、渋谷監督はそう答えた。もともとポテンシャルの高い選手たちが揃っているので、同じ顔ぶれで勝てるようになったことも不思議ではない。勝敗を分けるのは少しの差――サッカーに取り組む姿勢、気持ちなのだ、と。
 
リーグ戦で6連勝中と好調のG大阪との天皇杯準々決勝は、厳しい戦いが予想される。破壊力満点の攻撃陣を抑えるのは容易ではないだろう。それでもクラブ史上最高位となるベスト4以上へ進むため、そして終盤を迎えるリーグ戦にさらに弾みをつけるためにも、危機感に突き動かされた選手たちのパフォーマンスに期待したい。

この日のスタメンには、CB福田、左SB高瀬、ボランチのチョ ウォニ、前線の大山など、リーグ戦では出場機会の少ない選手たちも名を連ねた。彼らが実戦のなかで課題や収穫を感じ取り、チーム力の底上げにつなげてくれることを信じたい。
 
アルディージャの選手たちは、いつもと変わらぬ正確なボール回しを披露した。大山が激しいチェイシングでパスコースを限定し、長谷川が中盤まで落ちてきて組み立てに参加。2列目の渡邉と橋本は時折りポジションを変えて今井、高瀬の両SBの攻撃参加を引き出し、増田、チョ ウォニのダブルボランチは中盤のスペースを埋めながらパスを散らす。福田、高橋のCBコンビは身体を張った守備で相手のボールを弾き返した。
 
G大阪も先発7人を代えたため硬さが目立ち、両チームともにチャンスらしいチャンスを作れないまま迎えた36分、アルディージャにとって初めて危ない場面が訪れた。細かいパス交換から中央突破を許し、ゴール前へと迫られる。しかし、ここは清水の鋭い反応で難を逃れた。清水は、その後も果敢な飛び出しで相手のスルーパスをカットするなど、持ち前の守備範囲の広さで均衡を保つことに貢献。試合は、スコアレスでハーフタイムを迎えた。

後半も、アルディージャの選手たちの高い集中力は変わらなかった。立ち上がり早々、ペナルティエリア内で二川に突破を仕掛けられてヒヤリとしたが、チョ ウォニが執拗な守備でシュートを打たせない。54分、カウンターから二川に強烈な一撃を打ち込まれたが、清水が必死にセーブ。しかし、押し込まれる展開が増えてきた59分、セットプレーからスコアを動かされてしまう。ゴール左45度からの二川の直接FKだった。
 
1点のビハインドを負ったアルディージャは、78分に増田に代えて泉澤、大山に代えてムルジャを同時投入。その直後、ドリブル突破を見せたムルジャがコーナーキックを獲得。流れを引き寄せようとするベンチの意図は、しっかりとピッチで表現された。
 
だが84分、前がかりになった最終ラインの裏を突かれる格好で追加点を許してしまう。残り時間は10分弱。ゴールを目指すアルディージャ。直後、エリア内でボールを受けた渡邉がゴール前へ鋭いクロスを送るがわずかに合わず、シュートを打てない。88分、高瀬を下げて公式戦初出場となるマテウスを送り込んでも流れは変わらず、0-2のままタイムアップのホイッスルを聞く結果となった。

「総力戦なので全員で戦いたい」という渋谷監督の思いを反映して、10日前の甲府戦から先発9人を入れ替えた天皇杯準々決勝。アルディージャは結果を残すことができなかった。
 
公式戦初スタメンを遂げた19歳の大山は、「課題ばかり。個人的には屈辱的というか、何もさせてもらえなかった。何段階もレベルアップしないと」と表情を引き締めた。本職のボランチで先発フル出場したチョ ウォニは、「試合には負けましたが、自分のプレーを出せたことはよかった。次につながる戦いだったと思います」と前を向いた。
 
この日、それぞれの思いを胸に万博記念競技場のピッチを駆け抜けた選手たちは今後、1本に絞られたリーグ戦に全力を注ぐ。
「やるべきことは一つ。J1残留という目標に向けて気持ちを切り替えます」という福田の言葉は、アルディージャに関わる全員に共通する思いに違いない。次なる戦いは中2日、ホームで迎えるリーグ戦・第28節のFC東京戦だ。勝点3を手に入れるために、肩を落としている時間はない。

(総評:粕川哲男/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 渋谷 洋樹
今日は天皇杯ということで、タイトルを狙い結果を求めて選手たちを送り出しました。今日は平日にも関わらず、200人以上の大宮のサポーターが応援に来てくれましたが、残念ながら結果をだせず、勝利の喜びをわかち合うことが出来なくて、非常に残念なゲームとなりました。ゲームに関しては、最初のゲームの入りは、守備のところに少し厳しさが無かったのですが、段々途中から連動した守備でボールを奪って前に繋げてカウンターでチャンスになりそうだというところで、パスが一つずつズレたり、ボールをしっかりと持ったときでも少しずつタイミングがズレたりであるとか、前半はリズムのいい時と悪い時がはっきりとしたゲームだったと思います。後半は相手もリンス選手が中に入り、倉田選手がワイドにというところで、少し距離を変えられてからリズムが無くなったところで、フリーキックで入れられてしまったという展開でしたが、我々の守備からの攻撃という部分のクオリティをもう少ししっかりすることと、攻撃のところのボールの動かし方、もちろん今日のメンバーでの準備を長い時間出来なかったのは、私の責任であり、攻撃のところをもっとイメージを着けられるようなトレーニングをしたり、いい準備が出来ていれば、もっと違った結果になったと思います。ただ選手たちは最後の笛が鳴るまで足を止めずにプレーをしていたということは、次のリーグ戦FC東京戦に向けては、いいゲームだったと思います。今日出た選手、もちろん大宮に残っている選手も合わせてとにかく総力戦なので、全員で今後も闘っていきたいと思います。

Q:甲府戦から先発9人を変えましたが、特に攻撃陣に家長選手の様な核となる選手が必要だったのでは?
私は常々言っていますが、リーグ戦でもいい準備を全員がしてくれており、選手全員を使っていきたいという気持ちがあるので、ガンバさんと対戦する上で、もちろん3日後にFC東京戦があるということで、とにかく全員でこの2試合乗り切ろうという考えでメンバーを編成しました。ズラタン選手も代表に行ってましたし、家長選手も少し足のコンディションの部分で不安があったので、(大宮に)置いてきました。基本的に(これまで)フルで出ていた選手を置いて、今までずっと準備してきた選手を使いたいということで今日のメンバーを選出しました。私はチーム全員のレベルは同じ位だと思っていますし、リーグ戦では結果が出ているのでメンバーが変わっていないだけであって、今日はそういう意図でメンバー編成したということです。

Q:今日のゲームプランについてはいかがでしょうか?前半、ボールを相手ディフェンスが持っている時でもあまり足が前に行かない、あるいは行けない様に見えましたが?
守備でしっかり4-4-2を作って、相手にボールを持たせて、それを奪ってカウンター、攻撃ではサイドバックがもう少し高い位置を取りたかったのですが、そこの時間を作るまでの準備、特に最初の15分くらいは守備に追われてそれが出来なかった。ですが、途中から高瀬選手が高い位置を取ってある程度いい攻撃が出来たと思います。ただボールを奪いに行くという場面では、相手センターバックからGKまでボールが入った時の準備は、まだグル―プとしては準備出来ていなかったと思います。
選手コメント
MF 13 チョ ウォニ
何より久しぶりに試合に出れて自分にとっても嬉しいですし、自分の力をピッチで発揮できることは幸せなことなので、そのような機会を得ることができて良かったと思います。これから先、自分のプレーをピッチで100%披露して監督にいいパフォーマンスを見せられるように頑張ります。

Q:スタートからボランチでプレーすることが大宮に来て初めてだったと思いますが、いかがでしたか?
惜しくも試合には負けてしまいましたが、自分がボランチでプレーすることでパフォーマンスを発揮できると思います。チーム全体で全力を尽くして頑張ったので次につながる戦いができたと思います。

Q:ガンバ大阪の攻撃を防ぐためにどのようなことを意識していましたか?
ガンバの攻撃陣がいいとは聞いていましたけど、いい選手が多い中でも常にイメージトレーニングをして準備をしていたので、ガンバがどうかということではありませんでした。

Q:ボランチのパートナーが増田選手ということでしたが、どのような役割分担をしていましたか?
増田選手とは試合でやる機会はなかったのですが、常にコミュニケーションはとって、試合前にもしっかりとお互いの役割分担をしていました。試合中は増田選手が前に出たときは、自分がしっかりとカバーしたり、その逆もあったりしました。そこは問題なくできたと思います。

Q:残すところリーグ戦が7試合となりました。どのように取り組んでいきますか?
やはり試合に出ることが最優先で、自分が出ることで少しでもチームのためになればいいと思っています。残り7試合ということではなくて、1試合1試合自分の力がチームにとってプラスになるように練習から一生懸命頑張って取り組んでいきたいと思います。
FW 15 大山 啓輔
公式戦初スタメンということで、気持ちの部分では問題なく平常心で入ることができたのですが、やはりゲームの中ではボールに触る機会を増やしたかったですし、チームとしてもボールを握られている時間が長かったので何とか我慢できればと思っていましたけど、失点して勝てなかったことがすごく悔しいです。

Q:公式戦初スタメンということで、スタメンを聞いた時の心境を聞かせてください
コツコツとやってきていたので、ようやくチャンスが回ってきたという気持ちで思い切って臨めましたが、試合内容は全く満足していないのでしっかりと切り替えをして次に臨みたいです。

Q:本職のボランチではなく前のポジションでの出場でしたが、いかがでしたか?
練習試合でもトップ下を何度かやったりしていたので、1.5列目みたいなところで相手を引き出すことを監督からは言われていましたけど、なかなかそれができなかったので申し訳ないです。

Q:今日の試合から出た収穫と課題を教えてください?
ほとんどが課題ですけど、チームとして失点するまではある程度追い込んでチーム全体としてボールを奪えていましたが、そこからどのように繋いでいってゴールに結びつけていくかというところが課題になってくると思います。

Q:今日の試合の経験を今後どのように活かしていきますか?
個人的には何もさせてもらえなくて屈辱的だったというところが感想なので、何段階もレベルアップしていかないといけないと思っています。

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