明治安田生命J2リーグ 第37節
2015.10.18 [SUN] 16:00
NACK
大宮
- 20' 片岡 洋介
1
-
2
1
前半
1
0
後半
1
徳島
- 45+1' キム ジョンミン
- 48' 佐藤 晃大
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 34 片岡 洋介
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 22 和田 拓也
MF 5 カルリーニョス
MF 15 大山 啓輔
63'
MF 17 横谷 繁
83'
MF 39 泉澤 仁
83'
FW 41 家長 昭博
FW 8 ムルジャ
控えメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 28 福田 俊介
DF 20 大屋 翼
83'
MF 10 渡邉 大剛
MF 16 マテウス
63'
FW 9 富山 貴光
83'
FW 11 播戸 竜二
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 31 長谷川 徹
DF 4 藤原 広太朗
DF 5 石井 秀典
DF 25 冨田 大介
DF 3 アレックス
MF 16 斉藤 大介
MF 9 キム ジョンミン
90+3'
MF 14 濱田 武
MF 17 衛藤 裕
80'
MF 10 大崎 淳矢
FW 18 佐藤 晃大
75'
控えメンバー
GK 1 相澤 貴志
DF 26 橋内 優也
DF 22 広瀬 陸斗
90+3'
MF 24 佐々木 陽次
80'
MF 19 内田 裕斗
FW 23 長谷川 悠
75'
FW 11 津田 知宏
監督
小林 伸二
試合詳細
13 | シュート | 8 |
---|---|---|
8 | GK | 15 |
3 | CK | 3 |
13 | 直接FK | 13 |
0 | 間接FK | 1 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
扇谷 健司
副審
手塚 洋
副審
聳城 巧
第4の審判員
淺田 武士
入場者数
9,559人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
23.4℃/52%
追加点の好機を逃がし、今季初の逆転負け
苦々しい敗戦の後、家長は「試合の流れ、試合の中でのポイントというものがある。そのポイントで、今日はことごとく負けた」という言葉で振り返った。幸先良く先制したが、数多くのチャンスで追加点を奪えず、ゴールの生まれやすい時間で点を奪われ、最後はゴール前を堅く閉ざした相手に守り抜かれた。10月14日にユアテックスタジアム仙台で行われた天皇杯3回戦で、仙台に敗れてから中3日で迎えた明治安田生命J2第37節は、ホームでの徳島戦。リーグ戦でも磐田、熊本というアウェイでの連戦で引分け、敗戦と勝ち星から遠ざかっているため、NACK5スタジアム大宮で白星を挙げて悪い流れを断ち切りたい一戦だった。
試合の前半は良い流れだった。時折FWキム ジョンミンのパワフルなプレーや、クロスによる攻撃に脅かされる場面もあったが、しっかりと中盤の守備が機能。カルリーニョスが相手FWを追いかけてボールを奪うシーンなどが目立った。攻撃でもボールを支配。13分には、カルリーニョスのクロスを泉澤がダイレクトボレーで合わせるなど好機を演出した。そして26分、右サイドで得たFKをカルリーニョスがファーサイドへ蹴ると、このFKを獲得した片岡がヘッドでゴールへたたき込んで先制した。片岡のゴールは2008年4月12日のJ1第6節・千葉戦以来、2,745日ぶり。久々に決めた一撃でチームは波に乗った。その後も攻め手を休めることなく、家長の単独中央突破や、家長のスルーパスにムルジャが抜け出すなど攻勢が続いた。
しかし、幾度とあった決定機で追加点を奪えなかったことが後に響いた。前半終了間際、セカンドボールの競り合いからカウンターを仕掛けようとした家長がファウルの判定を受けると、徳島はリスタートから右サイドの高い位置に残っていたアレックスに展開。このときは自陣に引き過ぎてしまい、フリーでパスを受けさせてしまった。裏のスペースを気にしていたという和田が対応して突破は許さなかったが、得意の左足でクロスボールを入れられ、キム ジョンミンにヘディングシュートを決められた。和田は「良い流れだったけど、あの失点がいらなかった。あれで後半の立ち上がりに、かなり重い感じで入ってしまった」と、前半の終わり方を悔やんだ。
そして後半の立ち上がりの48分、相手コーナーキックからFW佐藤にヘディングシュートを決められて逆転を許してしまう。直後に片岡のクロスを横谷がヘディングで合わせる好機があったが、こちらはGKのファインセーブに防がれた。その後は相手にパスをつながれて攻め込まれもしたが、終盤はがっちりとゴール前を固められた。渋谷監督は83分の選手交代で富山と大屋を同時に投入し、攻撃時は2バック気味になる攻撃的な布陣に変更したが、守り切る決意を固めた相手の守備は堅かった。試合終了間際に左コーナーキックの2次攻撃から、カルリーニョスのクロスをムルジャが頭で合わせたビッグチャンスがあったが、好守を連発していた相手GKに阻まれた。結局、最後まで追い付くことができずに今シーズン初の逆転負けを喫した。冒頭の家長の言葉どおり、試合の流れを変えるポイントを相手に押さえられてしまったゲームだった。
リーグ戦は残り5試合。優勝、自動昇格、プレーオフ進出、残留と、それぞれの目標に向けて多くのチームが迷いなく力を結集する時期だ。まして首位に立つチームは、相手から徹底的に研究されて狙われるだけに、楽な試合などあるわけがない。勝負のポイントを逃すと大きな苦しみにつながってしまう。今はシーズン終盤の難しさが襲い掛かっている状況だ。しかし、優勝でのJ1復帰という目標に一番近い場所にいる状況で、ここにきて大きな変化を求めたり、迷ったりする必要などない。キャプテン菊地は「自分たちも優勝を目指してやっている。そこは、ぶれることなく気持ちで負けないように戦いたい。天皇杯で負けてしまい、今年は残り5試合しかないし、もう連戦もない。(首位なので)勝てば昇格も優勝も見えてくる。とにかく1試合1試合みんなで良い準備をして、良い試合をして、良い結果を得られるように頑張るだけ」と、歩みを止めない決意を示した。次節はアウェイでの京都戦。勝利で連敗を止める。ただ、それだけだ。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
試合の前半は良い流れだった。時折FWキム ジョンミンのパワフルなプレーや、クロスによる攻撃に脅かされる場面もあったが、しっかりと中盤の守備が機能。カルリーニョスが相手FWを追いかけてボールを奪うシーンなどが目立った。攻撃でもボールを支配。13分には、カルリーニョスのクロスを泉澤がダイレクトボレーで合わせるなど好機を演出した。そして26分、右サイドで得たFKをカルリーニョスがファーサイドへ蹴ると、このFKを獲得した片岡がヘッドでゴールへたたき込んで先制した。片岡のゴールは2008年4月12日のJ1第6節・千葉戦以来、2,745日ぶり。久々に決めた一撃でチームは波に乗った。その後も攻め手を休めることなく、家長の単独中央突破や、家長のスルーパスにムルジャが抜け出すなど攻勢が続いた。
しかし、幾度とあった決定機で追加点を奪えなかったことが後に響いた。前半終了間際、セカンドボールの競り合いからカウンターを仕掛けようとした家長がファウルの判定を受けると、徳島はリスタートから右サイドの高い位置に残っていたアレックスに展開。このときは自陣に引き過ぎてしまい、フリーでパスを受けさせてしまった。裏のスペースを気にしていたという和田が対応して突破は許さなかったが、得意の左足でクロスボールを入れられ、キム ジョンミンにヘディングシュートを決められた。和田は「良い流れだったけど、あの失点がいらなかった。あれで後半の立ち上がりに、かなり重い感じで入ってしまった」と、前半の終わり方を悔やんだ。
そして後半の立ち上がりの48分、相手コーナーキックからFW佐藤にヘディングシュートを決められて逆転を許してしまう。直後に片岡のクロスを横谷がヘディングで合わせる好機があったが、こちらはGKのファインセーブに防がれた。その後は相手にパスをつながれて攻め込まれもしたが、終盤はがっちりとゴール前を固められた。渋谷監督は83分の選手交代で富山と大屋を同時に投入し、攻撃時は2バック気味になる攻撃的な布陣に変更したが、守り切る決意を固めた相手の守備は堅かった。試合終了間際に左コーナーキックの2次攻撃から、カルリーニョスのクロスをムルジャが頭で合わせたビッグチャンスがあったが、好守を連発していた相手GKに阻まれた。結局、最後まで追い付くことができずに今シーズン初の逆転負けを喫した。冒頭の家長の言葉どおり、試合の流れを変えるポイントを相手に押さえられてしまったゲームだった。
リーグ戦は残り5試合。優勝、自動昇格、プレーオフ進出、残留と、それぞれの目標に向けて多くのチームが迷いなく力を結集する時期だ。まして首位に立つチームは、相手から徹底的に研究されて狙われるだけに、楽な試合などあるわけがない。勝負のポイントを逃すと大きな苦しみにつながってしまう。今はシーズン終盤の難しさが襲い掛かっている状況だ。しかし、優勝でのJ1復帰という目標に一番近い場所にいる状況で、ここにきて大きな変化を求めたり、迷ったりする必要などない。キャプテン菊地は「自分たちも優勝を目指してやっている。そこは、ぶれることなく気持ちで負けないように戦いたい。天皇杯で負けてしまい、今年は残り5試合しかないし、もう連戦もない。(首位なので)勝てば昇格も優勝も見えてくる。とにかく1試合1試合みんなで良い準備をして、良い試合をして、良い結果を得られるように頑張るだけ」と、歩みを止めない決意を示した。次節はアウェイでの京都戦。勝利で連敗を止める。ただ、それだけだ。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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選手コメント
DF 3 河本 裕之
天皇杯から連戦となりましたが、自分は疲れはありませんでした。前半は主導権を握りボールを持つこともできて、良いゲームができていただけに終了間際のシーンで自分がクリアできていればという気持ちでいっぱいです。そして、後半立ち上がりの失点で、流れが大きく変わってしまいました。残り5試合、優勝を目指して頑張るだけです。
MF 17 横谷 繁
たくさんあったチャンスを、チームとしても個人としてもモノにしておきたかったです。今日は試合後に、僕はNACKで初めてあれだけのブーイングを受けました。とても悔しいですし、見返したいという感情と同じくらい、ファン・サポーターの皆さんと一緒に戦って優勝したいと強く願っています。この状況を共に乗り越えていきたいので、ぜひ次も一緒に戦ってください。
DF 34 片岡 洋介
悔しいの一言です。7年半ぶりの得点でしたが、試合に負けては価値がないと感じています。ここ2試合は先制されて苦しい展開でしたが、今日は先制できてピンチも少なかったので、最近では一番良い前半でした。しかし、終了間際に同点とされてしまい、まだまだ修正が必要だと思いました。残り何試合かということは全く考えていません。次の試合にどうやって勝つかということに、切り替えていきたいです。
MF 39 泉澤 仁
いつも通り試合には入りましたが、前半から運動量を少し多くした分だけ、後半になって足が止まってしまう部分がありました。押していた前半の時間帯に2点目を決め切る必要があったと思います。切り替えて次の京都戦に臨みたいですし、ずっと応援してくれているファン・サポーターの皆さんに、必ずや恩返しできるような結果を残せるように頑張ります。
Q.試合終盤の交代で、システム変更をした意図を教えてください。
2トップの下に家長選手を置き、右にマテウス選手、左にカルリーニョス選手、ボランチに和田選手という並びです。左サイドバックに大屋選手を置いたのは、先日の仙台戦で何度も良いオーバーラップを見せていたからです。大屋選手が左サイドバック、和田選手がボランチという彼らの組み合わせは初めてですが、1-2の状況でとにかく1点を返したかったので、大屋選手と右の片岡選手をワイドに張らせて中盤の前3人をインサイドに置き、家長選手を前に出すという狙いでした。相手が引いていたので、幅を持った攻撃から得点を取ろうと思いましたし、クロスのセカンドボールを2列目の選手が拾えるように、そういったシステムに変更しました。
Q.2位の磐田が勝ったため勝点6差となりました。リーグ優勝へ向けて、今日の結果をどう思われますか。
優勝に向けて勝点が取れなかったことは、誰が見ても分かるように、私自身も非常に厳しい敗戦だと思います。勝点6差では2連勝・2連敗で追い付かれてしまうと考える方もいるかもしれませんが、我々がやるべきは目の前の相手にしっかりと勝つための準備をすることですし、それを続けてきた結果として首位に立つことができています。我々が勝ち続ければ、後ろを振り返る必要はありません。まずは首位に立つチームとして、しっかりと集中したゲームをすることが大事だと思います。『勝点は縮まっても首位であることに変わりはない。やるべきことは目の前の相手に対して、しっかりと準備していくことだ』と、選手たちにも伝えました。もちろん、本当に痛い1敗ですし、本当に厳しい1敗だということは分かっています。
Q.1失点目のリスタートのところで、左サイドの深い位置にすんなりとボールを入れられてしまったように見えました。少しスキがあったように思いましたが、いかがでしょうか。
そのとおりじゃないかと思います。やはり、やられてしまうときはそういった状況ですし、前半終了間際ということで引いて守ろうという意識があったとも思います。FKの前の場面を振り返ると、泉澤選手が競り合い、その後で家長選手のプレーがファウルを取られてしまいました。その直後、アレックス選手をしっかりとマークできずにクロスを上げられたという部分にスキがあったと思います。もちろん中の選手が競り合うことも大切ですが、クロスを上げさせなければ失点はしません。やはり、そういったゴール前での集中力や、FK・CKでの集中力が大事だと思います。また、熊本戦と同じように後半の入りで失点してしまったので、大事な時間帯で集中した状態を全員で作らなくてはいけないと、私自身も反省点の1つとしてとらえています。
Q.ボールを支配していた中でセットプレーなどから失点してしまいましたが、ボール回しについて、より加えていきたいアクションはありますか。
天皇杯の疲れがあるのか、相手は思っていたほど前からプレッシャーを掛けてきませんでした。選手たちは狙いをしっかりと理解してくれ、前半はパーフェクトに近い内容でしたが、チャンスを決め切らないとこういう展開になってしまうと感じました。3回、4回とチャンスがあった中で、ゴールを仕留めるという作業を意識高くやっていかなくてはいけませんし、最終的には負けてしまったので、チャンスを決められないと段々とリズムが悪くなってしまうことを、私も学習しなければなりません。失点すると守備の選手や得点者をマークしていた選手ばかりに焦点が行ってしまいますが、アタッカーも得点チャンスをしっかりとモノにしなければいけません。得点を取る、ゴールを守るということを、もう一度見直していかなければならないと思います。
熊本で惨敗に近い敗戦を喫した中で、今日も熊本でプレーした選手たちが多く、どういう試合の入り方をするかと見ていましたが、本当に良くやってくれたのに勝たせてあげることができず私自身も非常に悔しいです。もちろん選手たちも悔しいはずですし、ここ最近は勝利が少ないので、いつも応援してくださるファン・サポーターの方はもっと悔しい思いをされていると思います。しかし、普段から来ていただいている記者の方々も含め、ここでクラブに関わる全員がどっちを向くかが非常に大切だと思います。全員で優勝に向けて邁進するというか、普段の行動からトレーニングに向かう姿勢など、そういった1つ1つが大事になってきます。クラブに関わる方と全員でここを乗り切っていきたいですし、先程もお話したように我々は首位に立っていることを忘れることなく、目の前の試合をしっかりと勝っていけば優勝に近付きます。ファン・サポーターの皆さんには残念な結果を見せてしまったため、いろいろな思いがあると思いますが、ここで変な方向を向くのではなく、全員で一緒に戦っていきたいです。今日は試合後にブーイングも受けましたが、あれは我々に対する激励だと思ってしっかりと力に変え、これからの試合を戦っていくことが絶対に必要だと思います。必ず良い結果を出して、シーズンが終わったときに皆さんと一緒に笑えるように、ここからもう一度、気を引き締めて戦っていきたいと思います。