明治安田生命J2リーグ 第39節
2015.11.1 [SUN] 16:00
NACK
大宮
- 7' 渡部 大輔
- 68' ムルジャ
2
-
1
1
前半
0
1
後半
1
長崎
- 72' 北川 滉平
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 13 渡部 大輔
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 20 大屋 翼
MF 5 カルリーニョス
MF 18 横山 知伸
MF 17 横谷 繁
90'
MF 39 泉澤 仁
77'
FW 41 家長 昭博
FW 8 ムルジャ
90+2'
控えメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 34 片岡 洋介
DF 22 和田 拓也
MF 10 渡邉 大剛
90'
FW 9 富山 貴光
90+2'
FW 11 播戸 竜二
FW 14 清水 慎太郎
77'
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 1 大久保 択生
DF 17 古部 健太
DF 4 高杉 亮太
DF 3 趙 民宇
MF 15 岸田 翔平
81'
MF 22 井上 裕大
MF 6 前田 悠佑
MF 11 神崎 大輔
MF 8 木村 裕
68'
MF 23 梶川 諒太
FW 13 上形 洋介
60'
控えメンバー
GK 43 植草 裕樹
DF 39 高橋 祐太郎
81'
MF 29 碓井 鉄平
MF 5 石神 直哉
MF 25 北川 滉平
68'
MF 14 東 浩史
FW 27 イ ヨンジェ
60'
監督
高木 琢也
試合詳細
11 | シュート | 8 |
---|---|---|
9 | GK | 10 |
6 | CK | 2 |
10 | 直接FK | 10 |
2 | 間接FK | 3 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
高山 啓義
副審
亀川 哲弘
副審
田島 宏則
第4の審判員
河合 英治
入場者数
10,600人
天候
晴、無風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
16.5℃/35%
渡部の鮮烈ゴール、ムルジャの追加点で5試合ぶりに勝利
アルディージャを後押しする思いが、実った。待ちわびた5試合ぶりの勝利だ。明治安田生命J2第39節はホームでの長崎戦。大宮は第15節から首位の座を堅持しているが、直近4試合で未勝利とあって、多くのファン・サポーターが集結したスタンドのホームサポーターゾーンには「+3」のコレオグラフィーが登場。ピッチの中だけでなく、チームの勝利を願う強い気持ちがスタジアム全体に充満していた。
そして試合の立ち上がり、選手たちが積極的なプレーで勝利に懸ける気持ちを表した。7分に左サイドを攻めた後、カルリーニョスのサイドチェンジを受けた渡部が素晴らしいプレーを見せた。縦に突破を図ると見せかけてインサイドへの切り返しでマークを外すと、左足で相手GKの頭上に弧を描く鮮やかなミドルシュートをたたき込んだ。元日本代表FWの長崎・高木監督も「相手をほめるべき」と絶賛した一撃だった。渡部は7試合ぶりの先発だが、「自分の特徴は攻撃的なプレー。積極的に高い位置を取ろうと思っていた。最初はクロスを上げようと思ったけど、シュートに切り替えて決まって良かった。入ると思っていなかったのでビックリした。もうできないと思う(笑)」という思い切りの良いシュートでチームを勢いに乗せた。
その後は何度もコーナーキックからシュートへ持ち込み、相手ゴールを攻め立てる時間が続いた。守備では27分にミドルシュートを打たれるまで、ほぼ危ないシーンがなかった。前半の終盤の42分に左サイドからアーリークロスを入れられ、FW上形にヘディングシュートを打たれるなどヒヤリとさせられる場面があったが、加藤の好守や河本のシュートブロックなどでしのぎ切った。
ハーフタイムに渋谷監督が「もう一度、頭をクリアにしよう」と仕切り直しを強調し、嫌な流れを断ち切った後半はしっかりと持ち直すことができた。51分、自陣で渡部が相手の縦パスを奪うと、横山を経由して横谷がムルジャへパスを送り、カウンター攻撃を仕掛けた。ムルジャは、泉澤とのパス交換で一気に抜け出して敵陣を独走。ペナルティーエリアに入る寸前で相手のファウルを受けてシュートは打てなかったが、決定機を阻止したDF趙民宇が一発退場となり、数的優位の展開となった。
そして68分、またも左からの攻撃からゴールが生まれた。ムルジャが左から放ったシュートはブロックされたが、こぼれ球を拾ったカルリーニョスが右へ展開。渡部が相手をやや強引に抜くと、ゴール前を確認してふわりとしたクロスを送り、ムルジャがヘディングで冷静にゴールへ流し込んだ。72分には自陣でパスを奪われて1点を返され、終盤は相手のパワープレーでピンチにさらされもしたが、菊地や河本らが体を張って死守。菊地が「後ろの選手として当たり前。河本とヨコ(横山)との三角形は崩さずに対応して、誰かが競れば誰かがカバーに入れるようにしていた」と言えば、河本も「相手が前線のイ ヨンジェ選手にボールを入れ、そこから攻撃しようとしているのは分かっていたので、はね返そうと思った」とタフなエアバトルを展開。最後は懸命にボールを追った両者がぶつかりながらも、誰にも譲らないという気迫を見せて試合終了の笛を聞いた。
リーグ戦は、残り3試合。次節で2位の磐田(勝点差4)、3位の福岡(同6)との勝点差が広がれば、J1復帰やJ2優勝が決まる可能性も出てきた。渋谷監督は次節決定の可能性については控えめに話したが、会見の最後には「今日は良い形で勝点3が取れた。ファン・サポーターの皆さんに絶対に優勝という形(喜び)を届けたいし、クラブの今後の歴史を変えるためにも絶対に勝ち取りたい」と力強いコメントを残した。残り3試合、タイトルを手に入れるまで戦い続けるだけだ。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
そして試合の立ち上がり、選手たちが積極的なプレーで勝利に懸ける気持ちを表した。7分に左サイドを攻めた後、カルリーニョスのサイドチェンジを受けた渡部が素晴らしいプレーを見せた。縦に突破を図ると見せかけてインサイドへの切り返しでマークを外すと、左足で相手GKの頭上に弧を描く鮮やかなミドルシュートをたたき込んだ。元日本代表FWの長崎・高木監督も「相手をほめるべき」と絶賛した一撃だった。渡部は7試合ぶりの先発だが、「自分の特徴は攻撃的なプレー。積極的に高い位置を取ろうと思っていた。最初はクロスを上げようと思ったけど、シュートに切り替えて決まって良かった。入ると思っていなかったのでビックリした。もうできないと思う(笑)」という思い切りの良いシュートでチームを勢いに乗せた。
その後は何度もコーナーキックからシュートへ持ち込み、相手ゴールを攻め立てる時間が続いた。守備では27分にミドルシュートを打たれるまで、ほぼ危ないシーンがなかった。前半の終盤の42分に左サイドからアーリークロスを入れられ、FW上形にヘディングシュートを打たれるなどヒヤリとさせられる場面があったが、加藤の好守や河本のシュートブロックなどでしのぎ切った。
ハーフタイムに渋谷監督が「もう一度、頭をクリアにしよう」と仕切り直しを強調し、嫌な流れを断ち切った後半はしっかりと持ち直すことができた。51分、自陣で渡部が相手の縦パスを奪うと、横山を経由して横谷がムルジャへパスを送り、カウンター攻撃を仕掛けた。ムルジャは、泉澤とのパス交換で一気に抜け出して敵陣を独走。ペナルティーエリアに入る寸前で相手のファウルを受けてシュートは打てなかったが、決定機を阻止したDF趙民宇が一発退場となり、数的優位の展開となった。
そして68分、またも左からの攻撃からゴールが生まれた。ムルジャが左から放ったシュートはブロックされたが、こぼれ球を拾ったカルリーニョスが右へ展開。渡部が相手をやや強引に抜くと、ゴール前を確認してふわりとしたクロスを送り、ムルジャがヘディングで冷静にゴールへ流し込んだ。72分には自陣でパスを奪われて1点を返され、終盤は相手のパワープレーでピンチにさらされもしたが、菊地や河本らが体を張って死守。菊地が「後ろの選手として当たり前。河本とヨコ(横山)との三角形は崩さずに対応して、誰かが競れば誰かがカバーに入れるようにしていた」と言えば、河本も「相手が前線のイ ヨンジェ選手にボールを入れ、そこから攻撃しようとしているのは分かっていたので、はね返そうと思った」とタフなエアバトルを展開。最後は懸命にボールを追った両者がぶつかりながらも、誰にも譲らないという気迫を見せて試合終了の笛を聞いた。
リーグ戦は、残り3試合。次節で2位の磐田(勝点差4)、3位の福岡(同6)との勝点差が広がれば、J1復帰やJ2優勝が決まる可能性も出てきた。渋谷監督は次節決定の可能性については控えめに話したが、会見の最後には「今日は良い形で勝点3が取れた。ファン・サポーターの皆さんに絶対に優勝という形(喜び)を届けたいし、クラブの今後の歴史を変えるためにも絶対に勝ち取りたい」と力強いコメントを残した。残り3試合、タイトルを手に入れるまで戦い続けるだけだ。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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選手コメント
DF 2 菊地 光将
今日はバスが到着した時にも声援を送ってくれて勇気付けられましたし、試合中も力強く後押ししてくれて良い雰囲気の中でプレーができました。応援してくれた皆さんと勝点3を喜ぶことができて良かったです。1点取られたことは少し余計でしたが、最後まで皆で体を張ってプレーできたと思います。今日の勝点3を生かすためにも次のアウェイゲームに向けてしっかり準備したいです。
MF 5 カルリーニョス
最終的には難しい試合になってしまいましたが、自分たちらしさを出してペースを握ることができましたし、決めるべきところを決めることができました。全員の勝ちたいという気持ちが前面に出ていたので、勝つことができて何よりです。相手の最終ラインの裏へ出すパスはチームとして狙っていましたし、今週トレーニングしてきたので、その形で何度かチャンスにつながって良かったです。
MF 18 横山 知伸
いつも通り試合に入りましたが、相手のプレッシャーが速かったのでプレースピードを上げる必要があると感じました。プレッシャーを受けている中でも、1点目のシーンのようにしっかりつなげればチャンスになりますし、今日はつないだ後にもう一度サポートに入り直すことも意識しました。ひとつ勝てて嬉しいですが、まだ何かを手に入れたわけではないので、気を引き締めていきたいです。
DF 20 大屋 翼
リーグ戦が残り4試合になったということもあり、失点してはいけないというプレッシャーを感じた分、個人的には普段より疲労しました。相手の守備が堅いということは分かっていたので、(渡部)大輔が素晴らしいゴールを決めてくれて楽になりました。磐田と福岡も付いて来ていますが、僕らは勝てば自分たちの力で優勝を決めることができます。チーム一丸となって戦っていきたいです。
Q.相手のボランチを抑えていた前線の2人の守備について、それから後半に少し間延びしてしまったことについて、振り返りをお願いします。
ボランチのケアに関しては普段から伝えていますが、今日はムルジャ選手と家長選手が本当に意識高くやってくれ、全体的にコンパクトに戦えました。守備に関しては、今までも選手たち同士が話し合ったり、私から意見を提示したりして積み上げてきましたが、個人個人が責任を持って戦えれば、ある程度できるということは昨年から分かっていましたので、あれをベースに戦えればと思います。
退場者が出た後半、少しオープンな展開になってしまうのは仕方がない部分もあると思います。相手は3点目を取られても仕方がないという勢いで攻撃してきましたし、ロングボールも蹴ってきていました。そんな中で、ボールをしっかりと動かして戦えたことは評価してあげたいです。10人になった相手を崩して点を取るというのは非常に難しいものですし、全員がしっかりとプレスバックできていた点は非常に良かったと思います。
また今日の試合では、選手たちにボールを持てるという判断を植え付けられたかなと感じました。ただ、事前に決めたリズムでボールを回すと、ああいった失点につながってしまうことがあります。ボールを受ける前にパスの判断を決めてしまった上で、トラップ・パスという流れでプレーするとミスが起こり得ます。失点につながる1つ前の場面でもミスがありましたので、ここを細かく修正していかなければいけないと思います。
Q.昇格・優勝に向けて王手となりましたが、それについてはいかがでしょうか。
我々が目標にしてきたのはJ2優勝です。確かに、数字上は王手と言える状況かもしれませんが、まだ何もつかんでいません。この1週間でやってきたような、これまで4戦で勝てなかった思いをまた1週間しっかりと持って、アウェイ讃岐戦へ向けた準備をしたいですし、しっかりと気を引き締めていきたいと思います。選手たちがハードワークして勝てたことは次につながりますので、これを続けていきたいと思います。
Q.渡部選手の評価をお願いします。
得点・アシストという数字で表せる結果を出してくれました。皆さんもお感じのように、攻撃面ではパーフェクトな出来だったのではないでしょうか。今日は彼の特長が生きた試合だったと思います。片岡選手が先発している時期も、彼は練習試合での調子が非常に良かったですし、片岡選手も徳島戦で点を取ってくれていたので苦渋の決断でした。結果が出て本当に良かったです。
会見の最後に1つ。昨日ナビスコカップの決勝をテレビ観戦しましたが、鹿島さんのハードワーク、切り替えの速さ、守備の鋭さなどというものは素晴らしいと思いましたし、J1で戦うにはあれくらいが必要だと強く感じました。石井監督は私と同じ年でNTT関東出身ですので、木曜日には頑張ってくれと電話で伝えました。NTT関東から移籍して鹿島でプロ選手になり、監督としてチャンピオンになった彼の姿を見て刺激を受けましたし、今後は我々もクラブとして力を付けていきたいと強く感じたゲームでした。J1は本当に厳しいところだと思いますし、もっともっと努力しなければいけないと強く感じました。我々も選手もここで満足はしていません。まだまだやることがあるんだという良い試合を見せてもらい、今日は良い形で勝点3を取れたことは本当に良かったです。絶対にJ2優勝という結果をメディアの皆さんはもちろん、ファン・サポーターの皆さんに届けたいと思いますし、クラブの歴史を変えていくためにも、絶対にリーグ優勝を勝ち取りたいと思います。