Jリーグ ディビジョン1 第24節
2012.9.1 [SAT] 18:00 埼玉

浦和

  • 11' 原口 元気
1 - 1
1 前半 1
0 後半 0

大宮

  • 45+1' 東 慶悟
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 18 加藤 順大
DF 2 坪井 慶介
DF 17 永田 充
DF 20 槙野 智章
MF 14 平川 忠亮
83'
MF 13 鈴木 啓太
60'
MF 22 阿部 勇樹
MF 7 梅崎 司
MF 10 マルシオ リシャルデス
MF 8 柏木 陽介
46'
FW 24 原口 元気

控えメンバー

GK 1 山岸 範宏
DF 26 濱田 水輝
MF 3 宇賀神 友弥
MF 27 小島 秀仁
60'
FW 21 デスポトビッチ
FW 11 田中 達也
FW 16 ポポ
83'

監督

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 3 河本 裕之
DF 2 菊地 光将
DF 34 片岡 洋介
DF 22 下平 匠
MF 23 金澤 慎
MF 6 青木 拓矢
MF 5 カルリーニョス
90+1'
MF 8 東 慶悟
67'
FW 32 長谷川 悠
72'
FW 19 ノヴァコヴィッチ

控えメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 4 深谷 友基
DF 24 鈴木 規郎
MF 7 上田 康太
MF 13 渡邉 大剛
FW 9 チョ ヨンチョル
FW 11 ズラタン

監督

試合詳細
17 シュート 2
3 GK 16
3 CK 1
15 直接FK 11
0 間接FK 0
0 PK 0
試合データ

主審

吉田 寿光

副審

宮島 一代

副審

聳城 巧

第4の審判員

榎本 一慶

入場者数

39,814人

天候

晴、無風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

27.5℃/64%
東が今季初ゴール!10人で勝点1をもぎ取る!!
澄み切った青空が頭上にひろがる埼玉スタジアムが、オレンジと赤で色分けている。アウェイのためファン・サポーターの絶対数では相手に及ばないが、ピッチに注がれる熱気では決して劣っていない。

J1リーグ戦では16度目のダービーである。過去の対戦成績はアルディージャが6勝4分5敗と勝ち越しており、ここ2試合連続で白星をつかんでいる。4月21日の第7節では、チョ ヨンチョルとラファエルのゴールで2対0の勝利をつかんだ。

プライドと意地がぶつかりあう一戦に向けて、ベルデニック監督はメンバーとシステムを変更した。GKには5月26日の磐田戦以来、11試合ぶりとなる北野が先発に名を連ねた。前線ではノヴァコヴィッチが加入後初スタメンとなり、長谷川がトップ下気味のポジションをとる。今週木曜日の練習後、ベルデニック監督が「可能性のひとつ」と話していたFWの組み合わせが、実戦で初お目見えする。

「浦和がどのようなチームで、ホームで戦うときにどれぐらいモチベーションが高いのかは、容易に想像できるでしょう。ただ、ダービーは順位表で上のチームが必ずしも勝つわけではありません」そして、ベルデニック監督は続ける。「大きなサプライズの起きる可能性が、十分にあるのがダービーというものだ」

ゲームが動いたのは11分だった。両チームを通じてこの試合初めての得点機が、失点に結びついたのである。さらに18分、二度目の警告を受けたノヴァコヴィッチが退場となってしまう。

残り70分以上を、10人で戦うことになった。それも敵地である。極めて難しい展開と言わざるを得ない。しかし、ここで選手たちは全身から闘志を奮いたたせるのだ。

「2点目を与えずに乗り切っていけば、勝機はあると思っていた」と北野は言う。長谷川を頂点にしっかりとした守備ブロックを築き、相手の攻撃を粘り強く跳ね返していく。19分にフリーで許したシュートは、北野が渾身のセーブで弾き出した。

そして45+1分、アルディージャのファン・サポーターが沸き上がる。長谷川とのパス交換から、東が右足を一閃する。コントロールされたダイレクトシュートが、ゴール右スミへ吸い込まれた。「僕の動きを見てボールを当ててくれるので、いい形でボールを引き出せた」と長谷川は話し、東も「狙いどおりでした」と振り返る。トレーニングで培ってきたコンビネーションが、この重要な局面で生かされたのだった。

この1点はチームに大きな勇気をもたらした。「いい形で点を取ってくれたので、後半もさらに気持ちを引き締めていくことができた」と金澤は語る。数的不利なだけにディフェンスの局面が長くなるが、アルディージャは中央をしっかりと閉じて相手をサイドへ追い出す。ゴール前へのクロスは、菊地や片岡らが確実に跳ね返した。

ボールを握る時間は短くても、カウンターから追加点をうかがう機会も作り出した。72分まで奮闘した長谷川は、「できるだけ下がらないことで、相手の3バックを上げさせないようにした。いい形でキープをして、時間を作ることができたと思います」と言う。中盤のサイドでプレーしたカルリーニョスも、「バランスを崩さず、一人ひとりが良く走った」とチーム全体の頑張りを口にする。

相手のシュートがポストやバーに弾かれる幸運はあったものの、幸運は呼び寄せるものでもある。惜しみないハードワークと揺るぎない責任感が、勝点1の獲得につながったのだ。

「負けなかったのはチームの自信になる。10人で戦ったことを考えれば貴重な、次につながる勝点1だと思います」リーグ戦今季初得点をあげた東は、引き締まった表情で今後を見据える。「今日の引き分けは前向きに評価できる。この戦いをきっかけにして、現状を打破していきたい」と、カルリーニョスも言葉に力を込める。

追撃態勢は、ついに整った。リーグ戦は中断となるが、来週は天皇杯が組まれている。カップ戦でさらなる勢いをつかみ、リーグ再開につなげたいところだ。

(総評: 戸塚 啓 /写真:早草 紀子)

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監督コメント
監督 ベルデニック
試合後に「今日は勝点1で満足か?」と訊かれたら「もちろん満足です」と大きくうなずくでしょう。1人少なくなった中で、ポストを叩くシュートが3本、他にも多くのチャンスが浦和に作られましたが、その中で勝点1を取れたことは非常に幸運だと思います。
 
我々はしっかりと戦う姿勢を見せることができました。また、ボールをキープすることもできました。残念ながらそれほど多くのチャンスは作れませんでしたが、サッカーは時にはそういうものだと思っています。
 
ハーフタイムには、それぞれの選手の役割をより明確にすることに徹しました。守備では、DFは最終ラインで余ることなく、どの選手も相手をマークすること、MFは11対11の時と同様に大きく形を崩さないことを指示し、それによって相手の決定的なゴールチャンスをより少なくすることができたと思います。加えて、攻撃に転じた時にはしっかりとボールをキープし、時間が掛かっても相手のゴールに近づいていくこと。それによって相手は走らなければなりませんし、我々の選手をマークしなければなりません。浦和は守備の局面において1対1ではそれほどアグレッシブではなかったために、それがうまく機能しました。1人少ないにも関わらず、選手たちはしっかりと戦い大きな勝点1を取りました。我々は勝点1に値する戦い方ができたと思います。

Q:今季ここまで無得点ながら値千金の同点ゴールを決めた東の、今日のプレーがどうだったか?
東選手はこれまで多くのチャンスに絡んできましたが、残念ながらゴールに結びつけるところまではできていませんでした。五輪代表から帰ってきて、FC東京戦では非常にいいプレーを見せました。ただ前節の仙台戦や今日は、少し疲れが見えたところもありました。今日の前半のプレーに関しては非常に満足してますが、やはり後半になると疲れが見られ、ボールのタッチ数が少し増える、速いリアクションが取れなくなる、また、ボールを2度3度失う局面もありました。そのため交代をしましたが、彼のプレーに対しては全体的には満足しています。

選手コメント
MF 8 東慶悟
Q:同点ゴールの場面を振り返って。
ハセ(長谷川)くんからいい落としが来たので、思い切り打とうと思って打ちました。今シーズンまだゴールがなく、みんなに本当に申し訳ない気持ちだったのですが、ダービーという大切な試合で、貴重な点が取れたのは非常に良かったと思います。もちろん勝利につながるゴールが良かったですが、それはまた次にとっておきたいなと思います。

Q:1人少なくなった時点で、チームとしてどんな共通意識で戦っていたのか?
ある程度相手に保持されるのはわかってましたし、その中でみんなで守って、少ないチャンスを物にしようと言っていました。後半はなかなかそういう場面が作れませんでしたが、それでも守り切れたのは大きな収穫だと思っています。

Q:残りの試合でも今日のような気迫のこもったプレーを見たいが?
今日は浦和レッズのサポーターが非常に多く、大宮のサポーターはアウェイで少なかったですが、みんなの声は選手には伝わってきていました。今後もそういう思いを背負ってプレーしたいです。1試合1試合責任を持って戦わないといけないし、出る選手は死に物狂いでやらないといけません。今後も1試合1試合大事にしていきたいです。
GK 1 北野貴之

Q:11試合ぶりにピッチに戻ったが、どんな気持ちで試合に臨んだか?
11試合ぶりということで、試合感覚など非常に大事な部分がありました。試合前に、「最初の15分間で、質の高いコーチングでチームを修正していきたい」とDFラインや中盤の選手に言ってあったので、そこでいい守備組織の組立ができたと思います。

Q:今日の自身のパフォーマンスを振り返って。
けがで戦列を離れていた中で、さいたま中が注目する大一番、そして非常に難しい試合展開ながらこのようなパフォーマンスができたことは、日々の練習、そしていつも応援してくださる皆様のおかげです。また、今までずっとBチームで、レギュラーメンバーに入ったのは今週が初めてだったんですけど、そのBチームのメンバーが試合前日も、練習のシュートをたくさん打ってくれました。今日も「昨日のみんなのシュートの分も止めるからな」と一言言って試合に入ったのですが、そういった仲間があってこその今日のプレーだったと思うので、本当に感謝しています。

Q:1人少なくなった時には、そこからどんな戦い方が必要だと思っていたか?
2点目を失われた瞬間にすべてが終わると思っていました。1-0で最後まで粘り強くいって、前半最後に(東)慶悟のゴールが決まり、あれでチームがまた息を吹き返したと感じましたね。

Q:1人少なくなってから無失点だったことは今後に生かせそうか?
北野:幸いにも、運をこちらの味方にできました。1点で終われたことはチームにとって非常に大きいですし、やはりこの幸運も、質の高い声、鼓舞する声があってこそだと思うんですね。非常に大きな自信になると思います。

Q:今日のような気迫のこもった試合を今後も期待したいが?
残りの試合で、僕たちの出せるものを全部出していきたいと思います。

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