Jリーグ ディビジョン1 第27節
2012.9.29 [SAT] 16:00 NACK

大宮

0 - 0
0 前半 0
0 後半 0

横浜FM

試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 26 村上 和弘
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 22 下平 匠
MF 5 カルリーニョス
89'
MF 6 青木 拓矢
MF 23 金澤 慎
MF 11 ズラタン
MF 8 東 慶悟
74'
FW 19 ノヴァコヴィッチ
82'

控えメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 4 深谷 友基
DF 30 渡部 大輔
89'
MF 7 上田 康太
MF 9 チョ ヨンチョル
MF 13 渡邉 大剛
74'
FW 32 長谷川 悠
82'

監督

スターティングメンバー

GK 1 榎本 哲也
DF 13 小林 祐三
DF 4 栗原 勇蔵
77'
DF 22 中澤 佑二
DF 5 ドゥトラ
MF 27 富澤 清太郎
MF 28 熊谷 アンドリュー
MF 7 兵藤 慎剛
MF 25 中村 俊輔
FW 10 小野 裕二
88'
FW 11 齋藤 学

控えメンバー

GK 21 飯倉 大樹
DF 26 青山 直晃
DF 24 金井 貢史
MF 8 中町 公祐
MF 14 狩野 健太
MF 23 松本 翔
88'
FW 17 松本 怜
77'

監督

試合詳細
5 シュート 15
12 GK 7
1 CK 4
13 直接FK 16
3 間接FK 2
0 PK 0
試合データ

主審

福島 孝一郎

副審

手塚 洋

副審

渡辺 智哉

第4の審判員

中村 太

入場者数

11,316人

天候

曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

27.8℃/65%
数的不利に陥りながらも、勝点1をゲット!
今シーズン初の3連勝を目ざす戦いである。

チームの調子ははっきりと上向いている。24節の浦和戦で10人になりながら勝点1を獲得し、続く鳥栖戦はホームで1対0の勝利をつかんだ。さらに敵地へ乗り込んだ前節の札幌戦では、大量5ゴールを奪った。

ベルデニック監督の目ざすサッカーも、いよいよ浸透してきた印象が強い。札幌戦でハットトリックを達成したノヴァコヴィッチを1トップに配し、2列目には右からカルリーニョス、東、そしてズタランが並ぶ。21節の広島戦以来の先発となるズラタンの推進力は、タッチライン際で存分に発揮されるだろう。もちろん、ノヴァコヴィッチとの連携にも問題はない。

横浜FMを迎えたこの試合に先立って、前節終了時で14位のC大阪、17位の新潟が揃って勝利を収めた。残留争いのライバルが勝点3を積み上げただけに、アルディージャも遅れを取るわけにはいかない。リーグ戦では6勝7分2敗と高い勝率を誇る相手から、勝点3をつかむのだ!

カップ戦も含めると今シーズン3度目の対戦となるゲームは、序盤からアップテンポな展開となる。両チームともにアグレッシブな姿勢を打ち出していくなかで、最初にチャンスをつかんだのはアルディージャだ。4分、ノヴァコヴィッチのパスから東が抜け出すが、相手DFにシュートチャンスを摘み取られる。

11分には決定機が生まれる。カルリーニョスの絶妙なタテパスを受けた右サイドバック村上が、ペナルティエリア内へ侵入する。右足から放たれたシュートはGKのセーブを許さないが、惜しくも左ポストに弾かれてしまった。

ここから先は、やや押しこまれる展開となる。「僕も含めてボランチがDFラインとの間を意識し過ぎて下がってしまい、相手のボランチにプレッシャーをかけられなかった」とは金澤だ。それによって相手の両サイドバックが高い位置を取り、ズラタンとカルリーニョスが自陣に戻らざるを得ないシーンが増えてしまったのだ。

0対0で終えた前半を受けて、ベルデニック監督は「こわがらずにボールを動かしていこう。相手のサイドをもっと狙っていこう」と指示する。指揮官の言葉は攻守における狙いを整理することとなり、攻撃に再びエンジンがかかる。

後半開始直後の48分だった。東のドリブルがカウンターのスイッチとなり、左サイドからサポートしたノヴァコヴィッチにラストパスが送られる。ワントラップ目でシュート態勢を作り出した背番号19は、GKとの1対1から左足を振り抜く。NACK5スタジアム大宮に歓喜が訪れるかと思われたが、シュートはバーに弾かれてしまった。

前半より高い位置からプレッシャーをかけ、なおかつ局面での激しさを追求することで、アルディージャはイニシアチブを掌握しようとする。「後半の立ち上がりは、守備の改善が見えつつあった」と、ベルデニック監督も振り返る。ところが63分、ズラタンが二度目の警告で退場となってしまう。

数的不利となったことで、横浜FMにボールを握られる時間が長くなる。アルディージャ陣内での攻防が続くが、チャレンジ&カバーの徹底で攻撃のスイッチを入れさせない。残り20分からはゴール前へ迫られるシーンが増えたものの、GK北野が再三にわたるセーブを披露しただけでなく、チーム全員が身体を投げ出してシュートをブロックした。

逆に82分、自陣右サイドでパスカットしたカルリーニョスがアタッキングサードまでドリブルで運び、途中出場の長谷川へスルーパスを通す。鋭いカウンターアタックがスタジアムを沸かせた。4分のアディショナルタイムを経て響いた終了の笛は、アルディージャに勝点1をもたらした。

試合後のベルデニック監督は、「横浜FM相手に途中から10人で勝点1を取れたのは、ポジティブにとらえられます。しかし、より多くの勝点を取りたかったのは事実です」と話した。「ホームゲームで勝点3を取れないのは残念です。今日はディフェンスで走る時間が長かった」と、カルリーニョスも厳しい表情を浮かべた。

ただ、終盤の粘り強さは今後につながるはずだ。「無失点で勝点1をつかんだのは評価できます。ファン・サポーターの皆さんの後押しのおかげですし、チーム全体が良く頑張ったと言っていいと思います」と北野は前向きにとらえた。

次節はピッチに立つことの出来ないズラタンは、「自分がプレーしていない試合も、チームは良い結果を残してきました。我々のクオリティを示せば問題ないはずです」と、チームメイトへ厚い信頼を寄せる。

残留争いは混とんとしているが、チームの一体感は揺るぎない。強いメンタリティを見せたこの日の戦いぶりを持ち込めば、次節以降も必ず勝点を積み上げていけるはすだ。

(総評: 戸塚 啓 /写真:山田 勉)

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監督コメント
監督 ベルデニック
試合を終えて振り返ると、我々は特にいいゲームができたとは思いません。1名少ない中で最後までしっかり戦うことはできましたし、横浜FMという強い相手に対して勝点1を取ることはできましたが、ここで失った2ポイントが最終的に足らない勝点になるかもしれません。
 
前半、最初の10分間で2つの大きなチャンスを作り出すことができましたが、それ以降は徐々に相手に主導権を握られるようになってしまいました。しっかりとボールをポゼッションしながらプレーし続けることができず、逆に相手にそれをやらせてしまいました。守備の局面においても、しっかりと規律正しく相手をつかんでいくということがうまくできていませんでした。
 
後半は少し改善が加わり、カウンターから決定的なチャンスを作ることはできましたが、全体としては我々が期待していた内容・結果にはなりませんでした。過去の2試合、特にそれぞれの試合の後半に示したプレーを繰り返したいと思っていましたが、しっかりとボールをキープしながら相手を崩していくということがうまく機能できませんでした。相手が強かったからというのも1つの理由でしょうし、我々にメンタル面での問題があったのかもしれません。それは今後しっかりと分析を加えていきたいと思います。

Q:札幌戦後、「大勝の後は難しい試合になることが多い」と言っていたが、そのような影響はあったか?
大勝した後は、頭のどこかにそのイメージが残っていて、次のゲームも同じようにできるのではないかと考えがちです。今日、そういうことが我々のチームに起こったとは思っていません。
 
ただ、またメンタル面の問題があったかもしれません。しっかりプレーするという勇気に欠けていたり、守備の規律が乱れて、特に前半は6人で相手の3人を見るというような形になってしまっていました。プレーする勇気、集中力、自信というところに少し問題があるのではないかと考えています。
 
今週、非常にいいトレーニングができました。ボールをしっかりと走らせてプレーするということが、トレーニングの中ではできていましたが、今日の実戦では示すことができませんでした。これも、我々が成長していく過程の1つとしてとらえることができるかもしれません。常に右肩上がりで上昇していけるとは限りません。一度下がったり、同じようなペースで上昇していけないという、我々の通るべき過程かもしれません。

Q:後半早い時間帯に1人少なくなって、どんな影響がチームにあったか?
我々が1人少なくなったことで、相手はより力強く前へ出るというフィーリングを持ってプレーしたでしょう。しっかりとプレッシャーを掛けて自分たちが主導権を握る、横浜FMの選手たちはそう考えたはずです。それに対して我々は、浦和戦と同様に守備の部分では非常に良く頑張ってマークに付き、そこから1回2回、相手にとってはサプライズなカウンターを見せることができたとは思います。相手はきっと我々は守っているだけで、攻めてくる可能性はないと思っていたのではないでしょうか。
 
基本的に我々は、ボールをしっかりとキープして高い位置でプレーしたいと考えていましたが、前半はそれが機能してませんでした。後半の立ち上がり、1人少なくなるまではうまくいき始めましたが、その後同じ形で攻撃することは不可能でした。
選手コメント
GK 1 北野 貴之
Q:1人少なくなっても無失点で切り抜けたが?
ひとえにサポーターの皆さんの声援が届いたものだと思います。サポーターの皆さんの後押し、攻める時や守った時の声援が、ピッチ上のメンバー、そしてベンチに座る選手たちにも伝わったのではないかと思っています。それが、僕だけでなくDFラインの体を張ったプレー、そして中盤の球際の強さに表れたのではないかと、本当に思います。

Q:1人退場になったその瞬間、最後方からどのような言葉を掛けたか?
カードについては、後半に入る前に「気をつけよう」と言われていたものであって、チームとして非常にもったいなく感じました。あれが日本のジャッジなので、そこは対応しなければダメだと思います。対応しきれなかったチームとしての反省もありますが、最後はもう気合いというか、いかに周りの選手が闘争心を欠くことなく、そしてマイナスの気持ちにならないようにするかということが僕の中で最大の役目でした。一人ひとり声を掛けて目を見て、生きた目か、闘える目かというのを感じていました。

Q:押し込まれる展開の中、好セーブも多かったが?
非常にクレバーにプレーできていました。DFをうまく使ってシュートコースを切りながら、そしてDFが体を張れば僕の闘争心にもまた火が点き、といった感じで、本当にチーム力を示すことができた試合だったと思います。

Q:3試合連続無失点は守備陣として大きな自信になるのでは?
どういった状況でもゼロで抑えるということは、守備陣だけでなくチームとして大きなプラスになることなので、それについては続けていきたいという思いです。
DF 3 河本 裕之
Q:1人少なくなり押し込まれる時間帯が長くなったが、チームとしてどんな共通意識があったか?
しっかりと距離感を保って、相手が間に入ってきたらチャレンジ&カバーの動きがとても自然にできていました。その点はよかったと思います。全体でしっかりと引いて守って、そこからのカウンターを狙っていました。いい形でのカウンターが一度ありましたが、それをもう少し増やせればよかったと思います。

Q:絶対に決めさせない、という気迫あふれるプレーも見られたが?
周りの選手がそういう雰囲気を作っていたので、僕も引っ張られてそういうプレーが出たのだと思います。

Q:これでリーグ戦3試合連続無失点となったが?
今日も無失点で終わったことはよかったですが、やはり勝ちたかったのでとても悔しいです。

Q:次節に向けて。
またここからしっかり勝っていけば上も目指せると思っています。今後も1試合1試合しっかりと戦っていきたいです。
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