明治安田生命J1リーグ 2nd 第4節
2016.7.17 [SUN] 19:00 埼玉

浦和

  • 37' 柏木 陽介
  • 59' 武藤 雄樹
2 - 2
1 前半 1
1 後半 1

大宮

  • 45+4' 江坂 任
  • 68' マテウス
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 西川 周作
DF 46 森脇 良太
DF 6 遠藤 航
DF 5 槙野 智章
MF 24 関根 貴大
MF 10 柏木 陽介
MF 22 阿部 勇樹
MF 3 宇賀神 友弥
69'
MF 20 李 忠成
57'
MF 9 武藤 雄樹
FW 30 興梠 慎三
57'

控えメンバー

GK 15 大谷 幸輝
DF 4 那須 大亮
MF 7 梅崎 司
MF 16 青木 拓矢
57'
MF 18 駒井 善成
69'
FW 11 石原 直樹
FW 21 ズラタン
57'

監督

ペトロヴィッチ

スターティングメンバー

GK 1 加藤 順大
DF 19 奥井 諒
26'
DF 4 山越 康平
DF 3 河本 裕之
DF 20 大屋 翼
MF 23 金澤 慎
MF 16 マテウス
74'
MF 17 横谷 繁
MF 39 泉澤 仁
FW 7 江坂 任
61'
FW 9 ネイツ ペチュニク

控えメンバー

GK 21 塩田 仁史
DF 13 渡部 大輔
26'
MF 5 沼田 圭悟
MF 10 岩上 祐三
MF 18 横山 知伸
FW 8 ドラガン ムルジャ
61'
FW 14 清水 慎太郎
74'

監督

渋谷 洋樹
試合詳細
19 シュート 13
9 GK 18
10 CK 8
21 直接FK 14
3 間接FK 6
0 PK 0
試合データ

主審

家本 政明

副審

山際 将史

副審

西橋 勲

第4の審判員

森川 浩次

入場者数

53,951人

天候

晴、無風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

26.4℃/78%
今季2度目のダービーは、苦境から2度追いついてドロー
大宮には、大宮の意地がある。今シーズン2度目のさいたまダービーは2度もリードを奪われる苦しい展開だったが、2度とも追いついて引分けた。明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第4節は、浦和とのアウェイゲーム。もちろん1stステージではホームで敗れただけに、勝ちたい試合ではあった。やはり、ダービーは格別な一戦だ。会場は、ダービーにふさわしい雰囲気に包まれていた。5万人を超える大観衆の中で、約3,500人がかけ付けた大宮のファン・サポーターが力強い声援を送っていたのも、その証拠と言える。

しかし、家長や和田が負傷により戦列を離れているだけでなく、前節の試合中に負傷交代した菊地もメンバーから外れた。さらに前半に奥井が負傷で交代するアクシデントもあるなど、3連戦の疲労も無視できない状況下で、選手が死力を尽くして戦い切ったことは間違いない。試合を終えた横谷は、「最後は酸欠状態になった」と限界を迎えながら戦っていたことを明かした。

試合は、開始4分でポストをたたくシュートを打たれるなど、押され気味の展開で進んだ。38分、ロングパスに抜け出そうとするFW興梠を山越が倒してFKを与えると、MF柏木に直接ゴールを決められて先制を許した。しかし前半終了間際、横谷が蹴った右コーナーキックから江坂が強烈なヘディングシュートをたたき込んで同点とした。疲労を隠せない連戦だからこそ、やはりセットプレーは重要だ。

横谷は「最近の試合の中で、キックの精度は自分の課題だった。相手のストーン(コースを阻む壁として立つ選手)がいつもより低かったので、その前後かなと思った」と、ストーンの頭を越えて落ちるボールを選択。相手DF遠藤のマークに苦しんでいた江坂は、相手が一瞬離れた瞬間に近くにいた河本を目がけて走ってマークにつけない状況を作り出し、フリーでボールの落下点に飛び込んだ。「ずっと相手に密着されていたけど、うまくすり抜けてマークを外せた。あとは、(横谷)繁君のボールとタイミングが良かったので、強く打つことだけ考えた」(江坂)という一撃は、各自のかけ引きが生み出したゴールだった。

後半も先に点を奪われる苦しい展開だった。59分にサイドチェンジで揺さぶられ、武藤にヘディングシュートを決められた。しかし、あきらめるわけにはいかない。68分、右サイドで金澤からの鋭い縦パスを受けた右サイドハーフのマテウスが、得意のカットインから左足を一閃。ニアサイドを鮮やかに打ち抜く、豪快な個人技で同点とした。J1リーグ初ゴールを挙げたマテウスは、「自分が中に入ったときに、ムルジャがサイドに流れて相手を引き連れながらコースを空けてくれた。だから、思い切って足を振ることができた」と、味方への感謝も忘れなかった。

その後は押されながらもカウンターで反撃。決定機を加藤順が防ぎ、ムルジャや清水が逆転ゴールを追い求めて独力ながらも打開を図った。特に試合終了間際、清水が自身のバックヘッドから泉澤の折り返しを受けてシュートを放った場面は好機だったが、惜しくもゴールの枠を外れてしまった。

死闘を終えて2-2のドロー。満足はできないが、総力戦の中で現状の力が見えた試合でもあった。横谷が「1stステージとは違って完成度が高かった」と話した相手に対し、前回の敗戦からは一歩前進した。苦しくても勝点を獲得する戦いができた点は、ポジティブにとらえるべきだ。次節は、ホームでの新潟戦。負傷者が多いのが気掛かりだが、総力戦で乗り切るしかない。次節こそ、勝利を味わいたい。

(総評:平野貴也/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 渋谷 洋樹
我々のファン・サポーターの方が3,500人もいらしていただきました。1stステージで悔しい思いをさせてしまったので、浦和さんのホームですが、それを絶対に晴らそうと思っていました。53,000人以上の多くの方に来ていただいた中で、絶対に勝利を届けようという気持ちで試合に臨みました。しかし、残念ながら引分けに終わりましたので、我々は勝ち切る力を付けなければいけないと感じました。準備は昨日1日しかありませんでしたが、守備においても攻撃においても選手たちがしっかりと判断してプレーしてくれた結果が引分けですし、これからも全員でトレーニングに励んでいきたいと思います。

互いに連戦ということで、前半から浦和さんもパスワークに少しミスがあり、我々もカウンターでミスがありました。チャンスもあってピンチもあって、今日はオープンな試合でしたので、その結果が2-2というスコアになったと思います。今後はもっとコンパクトなサッカーができるようにしたいです。失点をしても前半にセットプレーで1点を返し、後半にもマテウス選手が得点してくれました。試合後に倒れ込んでいる選手もいましたが、ダービーという本当に重要な試合で120パーセントを出し切ってくれたことが、この結果だと思います。選手とともに上を目指していきたいですし、1stステージ以上に2ndステージも上位を目指していきたいと心から思いました。今後は1週間ずつのサイクルの試合になりますので、勝ち切るチームになるために得点をしっかりと取り、失点は絶対にゼロで終えるということを意識していきたいと思います。

Q.G大阪戦に続いて1stステージで敗れた相手にドローまで持ち込みましたが、前回対戦と比べて今の戦いをどのようにとらえているのでしょうか。
浦和さんにはボールを持たれるだろうと考えていました。普通に戦うとシステムが違うので、完全にフリーな選手が生まれてしまいます。そのため、前線の選手からプレッシャーを掛けてボールの入りどころを抑えるという厳しさと、カバーリングが必要になってきますが、その部分に関しては前半よくやってくれました。山越選手も奮闘していましたが、興梠選手の動きに対してもう少し集中が必要でしたし、クロスへの対応に関してももっとレベルアップが必要です。この2試合は守備面でよくやってくれましたが、これまで大宮は堅守で攻撃力がないと言われてきましたので、攻撃時にしっかりとボールを動かす、スペースを見つけて使うということは普段のトレーニングから取り組んでいますし、今日は相手のスペースを突いてチャンスを作り出してくれました。特に前半はそういう点を意識してくれましたので、それをもっと長い時間できるようにしたいです。これまで得点をあまり取れていなかったですし、攻撃のレベルを高めなければいけないと感じました。

Q.試合前、2014年のダービーに関する話をしていましたが、当時の戦いと比べてどのように感じるのでしょうか。
2014年の敗戦後に私が監督になりました。ここで0-4というスコアで浦和さんに敗れ、選手たちには何も残っていないかもしれませんが、私自身の中ではあの日のことが思い出されます。結果として0-4から2-2になったという意味では、当時に比べれば少しは戦えるチームになったのではないかと思います。これは私自身が感じているだけのことですが、今日はしっかりと引分けに持ち込んでくれました。次のホームでの新潟戦に向け、しっかりとこの勝点1をつなげていきたいと思います。

Q.マテウス選手に関して、前半は左足に持ち替えてからのクロスが合わなかったように見えましたが、得点シーンのような形をイメージして右サイドハーフで起用したのでしょうか。
彼は技術面でまだまだ足りないところがあり、練習試合やトレーニングでも相手を抜くのだけれど最後が…という課題がありましたが、今日はリラックスしてゴールを決めてくれましたし、クロスに関しても後半からはしっかりやってくれました。試合に出続けていれば得点やアシストという結果につなげてくれる選手だと考えていましたが、これまでは交代出場くらいでしか出場機会を与えてあげられませんでした。しかし昨日、彼には言いました。『結果を出せなければ、(出場機会を)待っている選手がたくさんいる。だから今日、頑張ってくれ』と。今日は本当に結果を出してくれましたし、これで終わりにするのではなく、次につなげてくれればと思いますし、彼はスピードがあるので今日のようにチャンスを作り出してくれると思います。

Q.普段はもっと丹念にサイドを使っていると思いますが、今日は縦に縦にという印象を受けました。先程おっしゃっていたオープンな展開だったからでしょうか。
今日はボールを持ったときに、相手のプレッシャーを前から受けていました。浦和さんは前から4人、1人、5人というポジションニングですし、スペースが前にあるよう見えて、ボールが入りやすかったのだと思います。普通はコンパクトに戦っていると、サイドに振ってからという展開になりますが、今日は目の前から相手が来るので前にスペースがあるように見えたのでしょう。前半は江坂選手やペチュニク選手、後半は泉澤選手と清水選手にボールが入っていましたし、彼らが前を向いたときにはチャンスが生まれました。しかし、1stステージでも感じましたが、浦和さんの守備は素晴らしく、最後のところはやらしてくれませんでした。私が前へ前へと指示したため選手たちが前に行ってしまったと思いますが、普段のようにボールを動かして攻撃できればもっと得点が生まれたかと思いますので、選手たちに伝える言葉には気を付けなければいけないと感じました。
選手コメント
GK 1 加藤 順大
非常に楽しみにしていた試合でした。ただ、結果は悔しいの一言に尽きます。本当に勝ちたかったです。今日、自分は2失点してしまったので、追いついてくれた味方に感謝したいです。自分が踏ん張れていれば勝利に導けたと思いますし、この悔しさを次につなげたいです。

アルディージャの選手として埼スタで試合をするということは初めてだったので、とても貴重な財産になりましたが、あらためてチームに勝利をもたらす存在になりたいと強く思う一戦となりました。
MF 7 江坂 任
マークを外すのにずっと手こずっていましたが、得点になったコーナーキックの場面ではマークを外すことができ、そこに横谷選手が素晴らしいボールを送ってくれました。気持ちで押し込みました。

多くの人が注目する舞台でプレーできて幸せでしたし、そのような中で得点を取れて自信になりました。でも、ホームで敗れてしまった借りを返すことはできなかったので、ファン・サポーターの皆さんに申し訳ないです。次はホームでしっかり勝ちたいと思います。
MF 16 マテウス
ボールを受けたときにムルジャと(渡部)大輔がいいフリーランニングをしてくれ、相手ディフェンスを引っ張ってくれました。二人のおかげでシュートコースができたし、あとは自分の左足を信じて振り抜きました。相手は後ろからオーバーラップしてくる選手が多かったですが、周りのみんなが声を掛けてくれて助けられました。今日のダービーで積んだ経験を次につなげたいです。
MF 23 金澤 慎
勝てなかったので悔しいです。でも、次につながる試合をすることができたと思います。練習どおりできた部分もありましたが、日々もっと厳しいところを追い求めないといけないと感じましたし、クオリティーも上げていかなければいけません。今日の試合を終えて、もっとレベルアップしたいとあらためて強く思いました。

完全アウェイのスタジアムに足を運んでくれ、応援してくれた皆さんには本当に感謝しています。皆さんからの声援はとても力になりました。勝利して皆さんを気持ち良く家に帰らせてあげたかったです。今日は期待にこたえられませんでしたが、これからも一緒に戦ってもらえたらと思います。
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