明治安田生命J2リーグ 第28節
2023.7.30 [SUN] 19:00 石川西部

金沢

  • 90' 林 誠道
1 - 2
0 前半 2
1 後半 0

大宮

  • 35' シュヴィルツォク
  • 37' 中野 誠也
試合経過
監督コメント
失点をゼロで抑えられていることは良いことですが、人数を掛けて守っている中で2試合続けて点が取れていないので、そこは手を加えなければいけないと感じています。前節であれば、FWに対してどうボールを入れて、どう起点を作るかという部分で単純になってしまい、そこに掛ける人数も少なかったと思います。守備の時間が長かったことで、ボールを奪ったあとに休んでしまう選手も多かったですが、ボールを奪って終わりではなく、ボールが自分たちの形になって初めて守備が終わって攻撃に移ると理解しているので、奪ったボールをどう開放するかという部分は取り組んでいきたいです。

渋谷ヘッドコーチは経験も実績も、大宮に対する気持ちもある方ですし、我々にとってはもちろん、選手にとっても間違いなく新しい考え方を与えてくれますし、力になってくれると思います。

金沢は、攻撃でも守備でもやることが決まっているチームなので、そこに対してしっかり準備して臨めればと思います。共通理解をどれだけ作れるかという部分で、少し明確にしてやっていく必要があると感じています。
選手コメント
水戸戦は、自分たちの時間が少なく苦しい展開の中でゼロで終われたことに関しては、守備の人間として一定の成果を得られたとは思いますが、勝点3を取れなかったことが本当に残念です。

個人としては2試合連続で無失点に抑えられていますが、チーム全員が体を張って守備をしてくれているおかげですし、締めるところで締められた結果だと思います。

得点できれば失点してしまう、得点できなければ失点しないと、攻守どちらかでしか自分たちを表現できていないという意味では、まだ本当の力ではないのかなと思います。もっと自分たちの攻撃の時間を増やすためには、積極的な守備も必要になってくると感じています。

特長のある新加入の選手たちが入ってきてくれましたし、必ずチームの力になってくれると思うので、早く彼らの特長を理解して生かしてあげられるように、トレーニングからコミュニケーションを取ってやっていきたいです。

金沢は守備がマンツーマン気味でタイトに来るチームですし、攻撃でも前線に力のある選手がいるので、力負けしないように、良い準備をして臨みたいです。
水戸戦ではひさしぶりのスタメン出場でしたが、何としても勝点3が必要な状況なので、ピッチに立つからにはチームを勝たせる、そこに貢献するという思いで試合に入りました。外から見ているよりもFWが孤立している印象があって、そこで僕が相手DFに負けずにキープすることができないと、後ろの選手が押し上げられないのですが、最初は何回か良い場面があったものの途中から押し込まれる展開になってしまったので、そこは残念でした。

厳しい戦いが続いていますが、ゴール、アシスト、ボックス内で相手をかき乱すといったプレーはもちろん、見えないような部分でも、守備や球際、戦うことであったり、しっかり貢献していきたいです。

今週は金沢との試合ですが、もう勝点3以外はないと思っています。チーム全員で、引分けとかではなく、勝利をつかみ取りたいです。チームは苦しい状況ですが、諦めたらそこで終わってしまいますし、残留に向けて選手はピッチで戦うので、ぜひ後押しをよろしくお願いします。
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 白井 裕人
DF 25 小島 雅也
80'
DF 39 庄司 朋乃也
DF 38 山本 義道
DF 2 長峰 祐斗
MF 17 梶浦 勇輝
46*'
MF 18 小野原 和哉
MF 7 加藤 潤也
MF 20 加藤 大樹
72'
MF 13 大石 竜平
46*'
FW 11 杉浦 恭平
46*'

控えメンバー

GK 21 中野 小次郎
DF 4 井上 竜太
MF 10 嶋田 慎太郎
80'
MF 14 石原 崇兆
46*'
FW 9 林 誠道
72'
FW 15 奥田 晃也
46*'
FW 19 豊田 陽平
46*'

監督

柳下 正明

スターティングメンバー

GK 1 笠原 昂史
DF 41 飯田 貴敬
62'
DF 43 市原 吏音
DF 17 新里 亮
DF 25 袴田 裕太郎
DF 22 茂木 力也
MF 9 中野 誠也
62'
MF 32 高柳 郁弥
MF 7 小島 幹敏
83'
MF 11 黒川 淳史
62'
FW 10 シュヴィルツォク
72'

控えメンバー

GK 35 南 雄太
DF 34 大森 理生
DF 3 岡庭 愁人
62'
MF 8 栗本 広輝
83'
MF 39 泉澤 仁
62'
FW 33 室井 彗佑
62'
FW 23 矢島 輝一
72'

監督

原崎 政人
試合詳細
8 シュート 12
10 GK 11
0 CK 2
9 直接FK 10
1 間接FK 2
0 PK 0
試合データ

主審

清水 修平

副審

和角 敏之

副審

大矢 充

第4の審判員

山口 隆平

入場者数

3,681人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

28.5℃/68%

HIGHLIGHT

電光石火の2得点で今季アウェイ初勝利
大宮は勝利だけを求め、アウェイでの金沢戦に臨んだ。ここ2試合は連続スコアレスドローで勝点を手にしているものの、3試合連続で無得点中。いかにして得点を奪うのか。順位が一つ上の金沢を下さなければ、J3自動降格圏からの脱出は見えてこない。金沢のゴールをこじ開け、是が非でも勝つ――。

そんなチームの思いは、この夏に加入した3人の新戦力、飯田、黒川、シュヴィルツォクが先発に名を連ねたことからも感じられた。また、攻撃の貢献度が高い小島が6試合ぶりにスタートポジションにつき、仕掛けられる泉澤と起点になれる矢島がメンバー入り。室井は11試合ぶりに戦列復帰した。

序盤、大宮は正確にパスをつなぎながら、各自がゴールへの意識を見せた。3分には高い位置で高柳がセカンドボールを拾い、黒川が迷わず左足を振り抜く。相手に当たりCKとなったが、自陣でのプレーが多かった前節の水戸戦とは異なり、主導権を握ろうとする姿勢が顕著だった。

一進一退のまま迎えた19分、小島の積極性が光る。効果的なサイドチェンジでワイドな攻撃を支え、直後には素早い切り替えと出足の鋭さで相手ボールを奪い、〝大宮の時間帯〟を継続した。29分には最初の決定機が訪れた。右サイドで飯田がマーカーを置き去りにし、マイナスのグラウンダークロスを入れる。シュヴィルツォクの右足でのダイレクトシュートはGK白井に弾かれたが、こぼれ球を黒川がプッシュ。ゴールライン際で相手DFに蹴り出されたが、先制点への期待が高まる場面だった。

そして35分、待望のゴールが生まれた。自ら得たFKのチャンス。小島とのパス交換でシュートコースを確保したシュヴィルツォクの右足でのシュートが、6人の壁を無力化してネットを揺らした。2分後には、ハーフライン手前からの高柳の芸術的なスルーパスに反応した中野がフィニッシュ。クロスバーを叩いたボールがカバーに入った相手DFに当たり、貴重な追加点となった。

リードを2点に広げた大宮は、最終ラインで落ちついてボールを回し、中盤の底で小島と高柳が縦パスを引き出し、飯田と茂木の両ウイングバックが幅を取りつつ攻撃を組み立てる。そして最後は前線で待つシュヴィルツォクがゴールを狙う。そんな展開のままハーフタイムを迎えた。

金沢は後半頭から3選手を代えてきたが、大宮は主導権を譲らない。最後尾に笠原が構え、その前では市原、新里、4試合ぶりの出場となった袴田の3人が体を投げ出した守備と安定したビルドアップを披露。押し込まれる場面もあったが、守備に戻った全員が集中力を保ち、決定機は作らせなかった。

57分に迎えたピンチは守護神の笠原と、いち早くゴール前に戻った飯田が身を挺してブロック。相手の波状攻撃も防ぎ切った。しかし、この場面で足を痛めた飯田は岡庭と交代。同時に黒川と中野が下がり、泉澤と室井がピッチに立った。

65分以降も金沢にボールを持たれたが危ない場面はなし。73分、シュヴィルツォクに代わった矢島が岡庭のスローインを受けて室井の決定機を引き出すなど、交代選手も自身の持ち味を発揮。泉澤は得意のフェイントから強烈なシュートを放ち、小島に代わった栗本は冷静な散らしで中盤を引き締めた。

終盤、林に1点を返されて、5分のアディショナルタイムは全員で必死に耐える展開となったが、笠原のパントキックが相手GKに届いた瞬間、4試合ぶりの勝利を告げるタイムアップの笛が鳴り響いた。

試合後、移籍後初得点を決めたシュヴィルツォクは自身のプレーではなく「勝てたことが一番」と語り、「順位を気にするのではなく、勝ち続けることが大事」と次を見据えた。今季初のアウェイ勝利、全員で粘り強く勝ち切った試合展開は評価できるが、降格圏にいる現状は変わらない。次節はホームでの秋田戦。今季初の連勝を懸けた戦いに挑む。

(総評:粕川 哲男)

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監督コメント
いつもそうなのですが、アウェイでもこの苦しい順位のチームをサポートしてくれたファン・サポーターの皆さんに、勝点3をようやく届けることができて良かったです。

前半は、ほぼほぼプランどおり進んだと思います。守備もそうですし、攻撃も特に大きく変更することはなく、点も動かせました。後半、相手が前がかりになってくることを想定していた中で、3点目をできるだけ早く奪いたいということを選手とも話していました。圧力がある中でも前にボールを運ぶチャンスはありましたが、決め切るところと最後の精度の部分は、前半に比べれば落ちたかなと思います。

後半の失点に関しても自分たちのミスですし、もちろんまだまだ足りない部分はありますが、いま我々に必要なのは勝点3なので、しっかりそれを次につなげられるようにまたやっていければと思っています。
選手コメント
2試合メンバーから外れて、いろいろな思いがありましたし、その間に新加入選手も入ってきてチームの持つ個の部分も変わりました。今日で言えば、自分の場合は同じサイドに飯田選手がいて、前にクバがいてというこれまでとは少し変わった状況でしたが、彼らの良さもわかってきていますし、そこはポジティブにとらえて試合に入りました。

クバがボールを収めてくれるので、クバの背後に走るというよりはまずサポートに入って、そこに(黒川)淳史とかが入って来れれば自分が出て行くなど、クバに対するアクションを起こせていたと思います。全体的に前を向くようになりましたし、これはどの選手が出てもやらなければいけないですが、一つ自分たちのサッカーの形を出せたことはポジティブにとらえていいと思います。

シュートシーンはニアを狙って、思ったよりも浮いてしまったのですが、気持ちが乗っていたぶん、いろいろな思いがあったぶん、神様が味方してくれたのかなと思いたいです。

まず相手に勝点を渡さなかったこと、自分たちは何がなんでも勝点3がほしい状況で勝点3を奪えたことは良かったですし、勝点は3ずつしか取れないので、これを繰り返すしかないと思っています。
4試合ぶりの先発でしたが、前節の水戸戦はボールがつながっていなかったので、自分が入ってポゼッションであったり、ボールを落ちつかせたかったですし、前半はそれが特にできていて良かったと思います。

クバがいることでターゲットが明確になっていると思いますし、(黒川)淳史とか感覚のある選手がいることも大きいです。サイドバックのタカくん(飯田)のところにプレッシャーが来るのでそこをどう剥がすかが大事だと思うのですが、タカくんのところでハマらなかったのでそれが良かったと思いますし、(中野)誠也くんとか(黒川)淳史の外にサポートするところがうまくハマっていたと思います。また、ボランチが離れているとキツくなると思うのですが、いい距離感とサポートの角度でプレーできていたと思います。

勝つことが一番重要で、その中で内容も良ければよりいいですし、それがこの先もっと良くなれば勝ちも増えてくると思います。
ゴールを決めたFKのシーンは、練習でもやっていた形でした。ただ、まったく同じというわけではなかったので、簡単ではありませんでしたが、今日は自分のゴールがどうというよりも、自分たちのサッカーを見せることができたということが一番重要なポイントだと思いますし、自分のゴールよりもチーム全体を見てもらえたらと思います。

金沢は自分たちの一つ上の順位で、いまの自分たちにとって一番大事な試合と言っても過言ではありませんでした。その相手に対してしっかり勝利することができましたし、自分たちがこのようなサッカーができるということを証明できたと思います。
フォトギャラリー

(写真:高須力)

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