明治安田生命J2リーグ 第39節
2023.10.22 [SUN] 14:00 藤枝サ

藤枝

  • 21' 久富 良輔
  • 58' 矢村 健
2 - 3
1 前半 0
1 後半 3

大宮

  • 68' 中野 誠也
  • 89' 袴田 裕太郎
  • 90+6' 袴田 裕太郎
試合経過
監督コメント
1週間空くことで作り方をどうするかという部分はあったのですが、練習試合もできましたし、やりたいことが順調にできていて、いろいろなことが確認できているので、逆に良かったのかなと思います。これまでやってきたことを見直して、練習試合で確認して、また戦えるコンディションを作ってという流れがスムーズにできていると思います。自分たちがどう守備をしてどう攻めるかという確認作業もできましたし、練習試合も含めて、ここまで順調に来ているという感覚を持っています。

藤枝は一時期やり方を変えて守備的になった印象もありましたが、ここ数試合はもう一度藤枝らしさを取り戻そうとしているように感じますし、直近の群馬戦を観ても藤枝らしく非常にアグレッシブだと感じました。ただ、僕らは勢いを持って試合に入っていきたいですし、相手の勢いを受けるつもりもありません。アウェイですが、しっかり自分たちから、攻守で積極的に仕掛けていければと思います。

徳島戦、山口戦では早い段階で先制することができましたが、いまは気持ちが前に向かっていますし、勝てないときは、前に行きたくても少し怖がってしまったりということがありましたが、今はそれがあまりないのかなと思います。トレーニングを見ても、ゲームの入りでも、そういった声がけがすごくありますし、それが結果につながっていて、その勢いが間違いなくあると思うので、藤枝戦に向けてもしっかり準備して良いゲームの入りができればと思います。
選手コメント
1週間空きましたが、ゲームへの気持ちは全然切れていないですし、自分たちは良い流れでここまで来れていると思います。今週も良い準備ができていますし、良い状態で藤枝戦を迎えられると思います。間隔が空いている中で、まずはゲームのコンディションを落とさないことが大事ですが、強度の高い練習もできていますし、個人的にはずっと試合が続いていると負荷をかけた筋力トレーニングがあまりできなかったのですが、先週はしっかりできたので、体の状態も良く、キレも出ているかなと思います。

今のポジションで自分が使われているということは、守備のスイッチを入れることがまず一番重要だと思いますし、自分が前から守備のスイッチを入れることによって、ここ数試合は高い位置でプレスに行けていると思います。それを止めてしまうと、簡単に押し込まれてしまったり相手のペースになってしまいますし、藤枝には前半戦で悔しい負け方をしましたが、ボールを動かしてきたりサイドでドリブルで仕掛けてくる選手がいるぶん、高い位置で奪えればチャンスもあると思います。自分の守備のスイッチで高い位置で奪って、ゴールを決められればと思います。

とにかく目の前の相手に負けないということが一番大事ですし、それがベースになってきます。そこで負けていると、守備の戦術だとかの話ではなくなってくるので、まず目の前の相手に勝つということだけを考えて、チームの良い流れを切らないように、勝つことだけを考えてやっていきたいです。

僕たちはもう勝つしかないですし、それは全員がわかっています。僕自身も勝つことだけしか考えていないですし、少しでもチームの勝利に貢献できるように、僕は走ることがまずは一番だと思うので、みんなのために走って、絶対に勝ちたいと思います。
山口戦は後半途中からの出場で、普通に考えれば追加点を狙いたかったですし、3点目を狙いに行ける状況ではありましたが、チームとして堅く勝ちに行く雰囲気がありましたし、そこに対しては僕とトミくん(富山)が入った中で、うまく意識できたのかなと思います。

システム的にも自分が生きやすい型だと思いますし、練習試合や練習を含めて、やることははっきりしていて、自分の良さを出せているところはあると思います。勝ち続けることでチーム状況が良くなっていって、みんながチャレンジすることも増えてきています。そういった意味でも良い循環に入っていると思うので、これをどれだけ崩さずに、最後まで走り切れるかかなと思います。

1週間空きましたが、もちろんその流れのまま行ければというのもありましたが、それはレギュレーション上、仕方がないことですし、逆に自分たちがもう一度気を引き締める期間にはできたと思いますし、良い時間が過ごせていると思います。

次の藤枝戦に勝てば、自分たちが一発で変えられるチャンスが来る可能性があります。これまでなかなか先が見えない状況でずっといましたが、順位も一つ上がって、この状況を作っているのは大宮にかかわるすべての方の力だと思いますし、まずはその状況に持っていきたいです。もちろん他力のところもありますが、自分たちができることである「勝点3を取る」ということだけにフォーカスして、結果がついてくればと思います。残り3試合で一発で変われるという状況になれば大いに可能性があると思いますし、そこを目指してやっていきたいです。

ホームで負けた借りを返さなければいけないですし、自分たちが成長した部分を見せる場だと思うので、挑戦する気持ちを持って戦っていきたいと思います。
メンバー

スターティングメンバー

GK 41 北村 海 チディ
DF 5 小笠原 佳祐
DF 2 川島 將
DF 3 鈴木 翔太
72'
MF 22 久富 良輔
MF 7 水野 泰輔
78'
MF 26 西矢 健人
MF 27 榎本 啓吾
FW 11 アンデルソン
86'
FW 10 横山 暁之
86'
FW 28 矢村 健

控えメンバー

GK 31 上田 智輝
DF 24 中川 創
72'
MF 6 新井 泰貴
78'
MF 47 田中 宏武
MF 49 永田 貫太
86'
MF 50 浅倉 廉
86'
FW 77 中川 風希

監督

須藤 大輔

スターティングメンバー

GK 40 志村 滉
DF 3 岡庭 愁人
81'
DF 5 浦上 仁騎
DF 43 市原 吏音
DF 25 袴田 裕太郎
DF 22 茂木 力也
MF 32 高柳 郁弥
MF 16 石川 俊輝
63'
MF 7 小島 幹敏
90'
MF 33 室井 彗佑
63'
FW 19 アンジェロッティ
63'

控えメンバー

GK 1 笠原 昂史
DF 4 カイケ
90'
MF 8 栗本 広輝
MF 11 黒川 淳史
81'
MF 39 泉澤 仁
63'
FW 9 中野 誠也
63'
FW 28 富山 貴光
63'

監督

原崎 政人
試合詳細
10 シュート 13
12 GK 10
6 CK 0
18 直接FK 17
1 間接FK 3
0 PK 0
試合データ

主審

清水 修平

副審

田中 利幸

副審

西水流 優一

第4の審判員

桜井 大介

入場者数

3,487人

天候

晴、無風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

19.3℃/44%

HIGHLIGHT

劇的な逆転勝利で望みを繋ぐ
1週間のインターバルを挟んで迎えた明治安田J2第39節、大宮は藤枝のホームに乗り込んでアウェイゲームを戦った。1試合も落とせない状況は変わらず、J2残留へ向けて必要なのは勝利のみ。3連勝中の勢いを持続し、引き分けでも残留が決まる藤枝を必死さで上回り、試合の主導権を握りたいところだ。

試合前、スタジアムは最高の雰囲気に包まれた。ゴール裏を埋め尽くした大宮のファン・サポーターが、あらん限りの声を振り絞って、選手たちの士気を高める。ホームと遜色のない胸を打つサポートは、この大一番が持っている意味と、それに懸ける思いの強さを示していた。

この日の先発メンバーは前々節、前節と同じ11人。ゴールマウスに志村が立ち、最終ラインは右から岡庭、浦上、市原、袴田。石川と小島がダブルボランチを組み、2列目の右に高柳、左に茂木。前線では室井とアンジェロテッィが2トップを組んだ。
「立ち上がりから強い気持ちで、受けずに相手に向かっていこう」といった檄を受けた選手たちは、試合開始早々から前向きな姿勢を見せた。局面の競り合いで身体を張り、球際で負けず、セカンドボールには素早く反応。6分には左サイドを突破した袴田のクロスから、8分には石川のロングボールに抜け出した室井が思い切りよく右足を振り抜いてゴールに迫るシーンを演出した。

しかし、先制したのは藤枝だった。久富のクロスに合わせた榎本のボレーは志村が素晴らしいセーブで弾き出したが、直後のショートコーナーを防ぎ切れない。西矢のファーサイドへのボールを小笠原に折り返されて、最後は久富に詰められた。市原、さらには袴田も身を挺したが、及ばなかった。

大宮が前半に掴んだ唯一の決定機は39分。高柳のFKに袴田が頭で合わせたが、ボールはわずかに左にそれて得点には至らなかった。前半のアディショナルタイムには矢村、アンデルソン、横山に立て続けにシュートを許す。志村の懸命なセーブでなんとか追加点は許さなかったが、大宮は主導権を握れないまま1点を追いかけて後半の45分に懸ける展開となった。
大勢のファン・サポーターの声援を背に戦う後半、それでも試合を優位に進めることはできなかった。小島の左足、石川の右足、アンジェロッティの頭でのシュートも、枠を捉えられないまま時間が過ぎる。そして58分、痛恨の追加点を奪われてしまう。アーリークロスに反応した矢村の、山なりのシュートが志村の頭上を越えてゴールに吸い込まれた。

2点を追いかける大宮は、62分に3選手を同時交代。アンジェロッティ、室井、石川に代わり、富山、中野、泉澤がピッチに送り込まれた。すると6分後、1点差に詰め寄るゴールが生まれる。中央で浦上と高柳が縦に繋ぎ、富山のポストプレーから小島がスルーパス。足を伸ばした相手のクリアを拾った中野が「思いのほか冷静だった」と振り返ったシュートで、GKとの1対1を制した。

1点を返した直後には、高柳の強烈な一撃がクロスバーを叩いて反撃ムードが高まる。ゴール裏からのサポートがより強くなり、完全に大宮の時間帯に。泉澤が左サイドを何度も切り裂き、75分には中野の右足シュートがわずかにゴール左へ。そのまま大宮の勢いは衰えない。81分には岡庭に代わり黒川が登場。前線の4人、富山、中野、黒川、泉澤の4人が前への圧力を強め、それに引っ張られる形でチーム全体のベクトルがゴールへと向かった。

セカンドボールを拾い、しっかりパスを繋ぎ、最終ラインを高く保ち相手陣内でゲームを進めた89分、茂木のクロスを袴田が頭で流し込んで同点に追いつくと、終了直前に歓喜の瞬間が訪れる。5分を示したアディショナルタイムもなくなった90+6分、袴田が再び輝いた。

高柳のロングフィードを茂木が頭で中央へ折り返すと、富山がヘディングシュート。これが左ポストを叩いて跳ね返ったところを、背番号25が頭で押し込んだ。その直後、アウェイまで詰めかけたファン・サポーターのボルテージが最高潮に達する、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

試合後、殊勲の袴田は「僕たちは勝ち続けるしかない。(チームの)3点目はあまり覚えていませんが、気持ちで押し込みました」と決勝点を振り返った。とはいえ、まだ目標を達成したわけではない。中野は「いやぁ、こんな劇的な勝ち方はなかなかない」と笑顔を見せながらも、「勝点3を積み上げるだけ」と表情を引き締めた。また、途中出場で逆転劇に貢献した黒川も「今日の勝ちは大きいけど反省材料はある。危機感を持って、5、6、7連勝して、残留という目標を達成したい」と前を向いた。

残りは3試合。残留へ向けた大宮の戦いは終わらない。

(総評:粕川 哲男)

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監督コメント
スタジアムに着いてスタンドを見たときにオレンジ色がすごく目に入って、こういう状況ですがこれだけのファン・サポーターの方がアウェイに来てくれて、必ず勝点3を届けようと選手たちとも話をしてゲームに入りました。

先制されて追加点を取られて、我々としては苦しい展開でしたが、最後まで皆が点を取るとか勝つとか、そういった気持ちの部分を最大限出してくれたと思います。

この試合に対して自分たちがやりたかったことができている時間もあった中で、その精度は厳しい目で見るとまだ低かったところがありますが、また勝ちながらしっかり積み上げていけるということは大きいと思います。

選手たちは本当にいろいろなものを背負って戦っていて、プレッシャーもありますし苦しい状況ですが、それでも自分たちのプレーを出せるということは逞しくなっているのかなという印象を受けています。
選手コメント
得点の場面は、(小島)幹敏がそのままパスを通してくれたらうれしかったですが、諦めずゴールに向かえたことがまず良かったと思います。自分でも思いのほか冷静に決めることができました。

自分がスタメンで出たときもそうですが、やはり前半の難しさはありますし、どこかで割り切れていない部分もあったのかもしれません。割り切ってやる部分とつなぐ部分のバランスが、なかなかうまくいってない時間もありました。どちらかと言うと割り切る時間が多くて、皆がその意識でプレーしていることは観ていてもわかりましたし、0-1で抑えられていればまだチャンスはあると思っていました。

富山選手と2トップでの出場でしたが、役割がはっきりしているので守備でも攻撃でもすごくやりやすいです。今、自分がやるべきこと、試合に出たらチームのためにやるべきことは理解しています。電光掲示板を見て山口の結果もわかっていたので、引分けではダメだという気持ちでいましたし、ここまで劇的になるとは思いませんでしたが、0-2から自分が出て3-2にしてやるという気持ちを持っていました。

こんなに劇的なことなかなかないと思いますし、これを本当に続けないといけないというか、やっと大宮にツキが回ってきているということを感じるゲームでした。自分たちは勝点3を積み上げるだけですし、残り3試合で勝点4差であれば全然狙える位置だと思うので、毎回同じですが次が大事だと思います。変に慢心することはないですし、追い込まれていますが勝つしかない状況なので、誰も気が緩んでいないと思います。「今回勝てたから次も勝てる」ではなく、「俺たちは勝たなければいけない」というメンタルの部分がいい方向に傾いて4連勝できていると思うので、このまま5連勝、6連勝、7連勝と続けなければいけないと思います。
サイドバックの位置からオーバーラップしてクロスに対して入って行けていましたし、ビハインドの状態でしたが点が取れると信じていたので、本当に良いボールを上げてくれた(茂木)力也には感謝しています。

自分の1点目は、相手のウィークがクロスということはわかっていたので、何本か上げれば必ずチャンスは来ると思っていました。本当に信じて飛び込んだ結果いいボールが来たので、思い切って気持ちで押し込みました。2点目は、あまり覚えていないのですが、気づいたら自分の前にボールがあって気持ちで押し込むことができたかなと思います。僕たちは勝つことでしか次の道はないと言うことはわかっていましたし、本当に誰でもいいから得点を取るということを残りの時間で思っていたので、最後の逆転ゴールの状況はあまり覚えていないですが、ゴール前にいれば必ず何か起こると信じていたので、本当に良いところにこぼれてきてくれたかなと思います。

本当は先制点を取りたかったですが、失点してもいまの僕たちは取り返せるという雰囲気がチーム内でも出ていますし、今日もそれほど焦らず、良い時間帯で(中野)誠也くんが点を取ってくれたので、もう1回皆のスイッチが入って、前へ前へというプレーがその時間帯からもっともっと出るようになったのかなと思います。

2失点したことについては、やはり自陣のゴール前付近でもっとボールホルダーに対して寄せなければいけないですし、簡単にクロスを上げられてるシーンもまだあって、今日はそこからの失点もしたので、ファーストディフェンダーの距離のところはもっと詰めなければいけません。ここから3戦は上位が相手になってきて、そういった小さなスキを突いてくるチームだと思うので、細かいところも突き詰めて、次も勝ちたいです。
後半途中まで0-2という、チームとしてはなかなかうまくいっていない状況をベンチで観ながら、早く出してほしいと思っていました。ひさしぶりに出場した試合でうまく流れが変わって、逆転できて良かったです。相手の背後にスペースができてきていた時間帯だったので、(中野)誠也くんとかが生きる展開になったかなと思っていて、そこを逃さずに得点できて良かったと思います。

この4連勝は1試合1試合しっかりと積み上げてきた結果ですし、チーム全体でこの2週間いい準備ができていた結果だと思います。連勝はしていますが、まだまだ危機感を持って目の前の試合でしっかりと勝点を重ねていくことが大事だと思っています。

今日は勝ち切ることができましたが、前半から圧倒できるようになるためには反省点もたくさんあります。ただ、できた部分は継続していきたいです。ここ数試合続けて得点できていることは前に厚みが出ている証拠ですし、前半に出た選手の頑張りがあったからこそ、後半から出た選手も自分たちのいいプレーが出せたのではないかなと思います。練習から競争があるのでしっかり気を引き締めて、次もまたいい準備をしたいと思います。
フォトギャラリー

(写真:早草紀子)

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