明治安田J3リーグ 第18節
2024.6.22 [SAT] 19:00 NACK

大宮

  • 22' 市原 吏音
  • 63' アルトゥール シルバ
  • 90+6' 杉本 健勇
3 - 2
1 前半 0
2 後半 2

琉球

  • 61' 富所 悠
  • 90+2' 野田 隆之介
試合経過
監督コメント
富山戦はアウェイで厳しい戦いでしたが、もう次に向かっていくだけですし、勝点は持って帰ってきたので、前半戦のアウェイはこれで終わりで6勝3分で、折り返しまであとホームが2つ残っているので、これに向けてトレーニングしています。

チャレンジャーとして戦った、金沢戦、天皇杯の京都戦、富山戦の3連戦に関しては、1勝1分1敗でしたが、まあ良くやったかなと。大きな絵で見たら、第17節終了時点で勝点40というのは、2020年の秋田と同じ最高ペースで来ているので、そこは選手たちに対してもよくやっていると、ここから先が大事だねと言っています。

勝負に対する姿勢というのはチームを立ち上げたときから持ってきているので、横柄にならず、相手をいなしてやろうとかそうやってやるのも悪いとは思わないですが、今年は目標がはっきりしているので、やっぱり相手もちゃんとリスペクトして、でも自分たちにもいい部分があるし、そこの力を出すタイミングだけの話なので、自分たちが出せないときは文句を言っているのではなくしっかり耐えてという、試合に対する姿勢とかそういうのは定まってきたので、そういう面ではすごい収穫というか、アウェイのゲームはしっかりできたのかなと思っています。

攻めても、守っても、中盤で奪い合いをしていても、11人が一緒であれば間違いではないので、その状況のとらえ方というか、攻められたらこのままじゃダメだと何人かが思い始めてしまうと波状してしまいますし、チームなので、出る、引く、というのをちゃんとチームでやるというのをちょっとずつ、口で言うほど簡単ではないので、みんな目の色変わっている中でという意味では、チームにはなってきているかなと。

琉球も調子を上げてきていますが、非常に自信を持ってゲームを進めてくるチームなので、我々も自信を持ってやることが一番大事なところだと思うので、そこをしっかりぶつけながら、紙一重のところを取っていければと思っています。

ここ数試合はアルトゥール(シルバ)が点を取っていて、最後に彼が足を振っているのはそれはそれでいいのですが、その前の段階でかなりの人数が犠牲になっているので、いろいろな意味でチームで挙げた得点だと思っています。最後に足を振っているのは彼ですが、割とその前に頑張っている人たちがいっぱいいて、チームとして点を取れるという自信はあって、誰が押し込むかという作業の最後に一番顔を出しているという意味ではしっかり狙っているなと思いますし、その前段階でカツ(中野克哉)がギリギリのクロスとか強気のクロスとかがあったりするわけで、そういう意味ではいろいろな人がかかわっていい得点を彼が最後に沈めているなという感じです。

勝点40は取れたので、取れたらいいなとは思ってはいましたが、ここからあと2試合でしっかり貯金して折り返して、また新たに向かっていかないといけないので、ホームで全力で戦っていきたいと思います。自分もこの世界で長くやっていますが、J1、J2、J3でリーグの景色があって、かつての全部のリーグ戦でもこの時点で40を超したシーズンというのは10パターンぐらいしかないのかなと思います。基本的には勝点30台で動いて1、2ゲームで争うというのがリーグ戦ですが、ちょっと特殊なので、それで戦い方を決めないといけないので、そういう意味ではラクでもなんでもなくて、やっぱり今は自分たちの足元を見失わないように、過信したらすぐに持っていかれてしまうので、しっかりとコントロールしながら謙虚に戦っていくということが大事だと思います。
選手コメント
富山戦はピッチコンディションも含めて、難しい条件がいろいろ揃っていたのですが、その中で自分たちの思っていたようなプレーがなかなかできない時間が多くて、相手に呑まれるというかそういった時間もありました。それでもチームとして先制できたのは良かったのですが、そのあとにゲームをうまく終わらせることができなかったので、そこは反省点かなと思います。

個人としては、開幕戦以降は壁に当たる時間がちょっと長くて、なかなかドリブル突破であったり自分のキレの部分で勝負できなかったりという時間があったのですが、ちょっとずつウイングバックとしてプレーできる幅が広がってきて、ちょっとずつですけどキレが戻ってきたり、攻撃も守備もちょっとずつ良くなってきていると思うので、そろそろ点が取りたいというのが一番です。

ゴール前に入っていかないと点は取れないと思っています。ウイングバックなので守備も100%でやらないといけないですし、そのぶん攻撃に出る距離は長くなるのですが、でも自分が出ている意味というのは攻撃で違いを作るところであったり得点のところだと思うので、そこはアグレッシブに、背後を取ったりペナルティエリア内やゴール前に入っていくというところは、かなり意識しながらプレーしています。

次はホームゲームで、NACK5スタジアム大宮は僕たちの要塞なので、僕自身もアグレッシブに仕掛けながら、チームとしても積極的に前に出ていって勝つだけだと思いますし、そこにこだわって、勝負にこだわってやっていきたいと思います。次の琉球戦は絶対に僕が点を取って勝つので、ぜひ応援をよろしくお願いします。
前節の富山戦は、チームとしてはあの時間帯で先制できたので、勝点1を取れたというよりは勝点2を失ったという感覚の方が大きくて、やっぱり最後のディティールの部分で、人数はいたのですが際のところで寄せるとかそういった部分をもっと徹底しなければいけないと感じたゲームでしたし、この勝点1をこれからにつなげていければと思います。

個人としては、相手が自分が起点になるところを潰してくる感じだったのですが、そこでもっと自分が収めて押し込まれている中でも起点を作らなければいけなかったと思いますし、やっぱりFWとして得点とかアシストは毎試合追及しているので、そこで貢献できなかったことは反省点です。

シーズンの最初の方は、スタジアムの雰囲気に慣れなかったり緊張したりもしたのですが、今はもう慣れましたし、その雰囲気を力に変えることができています。ここまで個人として4ゴール4アシストという結果ですが、もっと決められるシーンがあったので満足はしていないですし、もっと結果を残せると思っています。シーズン前の目標は10ゴール5アシストだったのですが、今のチームの順位や状況を考えると、10ゴール10アシストを達成できればと思っています。

ケガから復帰してからまだゴールとアシストがないので、そこは自分自身でも全然満足していませんが、起点になるところや裏抜けの部分などは徐々に試合感も戻ってきて、チームの攻撃の起点にはなれているかなと思うので、ここからはその精度と質を上げていきたいと思います。

琉球は好調で上位のチームとの対決になりますが、絶対に勝点3を取らなければいけないですし、ひさしぶりのホームゲームでたくさんのファン・サポーターの皆さんが後押しをしてくれると思うので、チーム全員で勝点3に向けてやるべきことをしっかりやって臨みたいと思います。早くNACKでの初ゴールを決めたいですし、それしか考えていないです。
メンバー

スターティングメンバー

62'
84'

控えメンバー

84'
MF 8 高柳 郁弥
75'
62'

監督

長澤 徹

スターティングメンバー

GK 35 東 ジョン
DF 3 森 侑里
79'
DF 14 鈴木 順也
DF 4 藤春 廣輝
MF 22 上原 牧人
MF 6 岡澤 昂星
MF 19 高安 孝幸
46*'
MF 18 平松 昇
62'
MF 10 富所 悠
FW 39 庵原 篤人
62'
FW 89 高木 大輔
71'

控えメンバー

GK 31 パク ソンス
DF 17 増谷 幸祐
79'
DF 23 山内 舟征
MF 13 岩本 翔
62'
FW 7 白井 陽斗
62'
FW 8 岩渕 良太
46*'
FW 9 野田 隆之介
71'

監督

金 鍾成
試合詳細
15 シュート 9
11 GK 10
6 CK 1
8 直接FK 17
0 間接FK 4
0 PK 1
試合データ

主審

宇田 賢史

副審

櫻井 大輔

副審

小林 健太朗

第4の審判員

高橋 一生

入場者数

6,547人

天候

曇、中風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

26.4℃/57%

HIGHLIGHT

死力を尽くした激闘を制しての歓喜
天皇杯2回戦を挟んで、金沢、京都、富山と続いたアウェイ3連戦から戻った大宮は、ホームNACK5スタジアム大宮に琉球を迎え、明治安田J3第18節を戦った。

リーグ戦はここまで、ピッチに立つ全員が攻めるときに攻め、守るときに守るというような共通認識を持ち、どちらに転んでも不思議ではないギリギリの戦いも制して、勝点を積み上げている。第8節以降は一度も首位の座を譲らず独走している選手たちに対して、長澤監督は「よくやっている」と評価しつつ、目標である頂点に立つために「ここから先が大事」と、気持ちを緩めていない。

熱い声援が会場に響く中、久しぶりのホームゲームは大宮のキックオフで始まった。大宮は4-2-3-1の布陣で構え、ゴールマウスには笠原。4枚の最終ラインは右から茂木、市原、浦上、下口。石川と小島が中盤の底に並び、2列目は中野克、アルトゥール・シルバ、泉の3人。最前線に杉本が入った。

開始早々から、両チームとも激しく身体をぶつけ合う展開となる。シルバが猛然と相手に襲い掛かり、ケガから復帰して12試合ぶりの先発となった茂木や、6試合ぶりにキックオフのピッチに立った中野克が、試合の流れを引き寄せようとボールに食らいついた。

大宮に訪れた最初の決定機は18分。攻撃参加した茂木のスルーパスに走り込んだ杉本が、ペナルティエリア内で右足を振る。これはわずかに左に逸れたが、先制点への期待が高まる場面だった。

3分後には杉本がつかんだFKが再びチャンスに。茂木が軽く触り、中野克が左足で狙うと、低い弾道の一撃が枠を捉える。素晴らしい反応を見せた相手GKにかき出されたが、ここで得たCKがゴールにつながった。左サイドから中野克が蹴ったボールに飛び込んだのは市原。懸命に伸ばした左足でのハーフボレーが、GKの手を弾いて先制点となった。

1点リードを奪った大宮は、その後も果敢に琉球のゴールを目指した。小島と石川が起点となりパスを散らし、サイドからのクロス、複数人が絡んだ仕掛けを織り交ぜて追加点を狙いにいく。石川のインターセプトから泉がドリブルで運んで上げたクロス、杉本のスルーパスから茂木がゴール前にクロスを入れてシルバが放ったヘディング、中野克のミドルシュートなど、2点目の気配が漂うシーンが何度もあった。点差を広げることはできなかったものの、琉球を自陣深くに封じ込めた大宮は、完全に試合の主導権を握って前半45分を終えた。

注意が必要な後半開始からの10分間も受け身にならず、自陣ゴール前では高い集中力を保って相手を跳ね返し、果敢に前へ出た大宮は、泉が立て続けにゴールを脅かすなどチャンスをつかむ。61分、琉球の波状攻撃から同点に追いつかれたが、その2分後に、またもやシルバが決めてみせた。パスカットした市原からの縦パスを受けた泉が左サイドからドリブルで持ち込み、ボックス内でラストパス。左足で軽く合わせたダイレクトシュートが、5試合連続となる貴重な勝ち越しゴールとなった。

1点を追いかけて前への圧力を強めてきた琉球に対し、大宮はブロックを築いてゴール前を固め、一度ボールを奪うや反撃に転じる。途中出場の大澤と藤井は、スピードを生かしてスペースを突いた。相手にポゼッションを許し、前半とは違い耐える時間は長くなかったが、気持ちは途切れない。

残り6分の時点で長澤監督は泉を下げて村上を投入。後ろの枚数を増やして守備を固め、ゲームを締め括ろうとする。それでも89分、エリア内でパスをつないできた相手を抑え切れず、ハンドの判定でPKとなり追いつかれてしまう。アディショナルタイムは5分。残された時間は少ない。

しかし90+6分、ゴール裏からの熱い声援も力に変えて仕掛けた最後のカウンターが結実する。藤井が高い位置でボールを奪い返し、これに反応した杉本が右サイドを駆け上がった大澤へ。エリア内での折り返しに合わせた右足シュートはGKに弾かれたものの、こぼれ球を左足で叩き直してネットを揺らした。スタジアムの熱気は最高潮に達し、直後にタイムアップのホイッスルが鳴り響いた。

あまりにも劇的な展開の末の勝利にも関わらず、試合後の長澤監督は頼もしいほど冷静に「誰が出てもチームが勝つために正確なジャッジができる」と手応えを語りながらも、「少しずつトライしてチームを成長させていきたい」と今後を見据えていた。

また、プロ初となる5試合連続ゴールを決めたシルバは「初めてですけど、大宮のスタイルは攻撃的で日頃の練習からやっていることなので、チームとして取ったゴールだと思います。もちろん、次のホームゲームでも決めたいと思っています」と口にした。さらに殊勲の杉本は決勝点に関して「まずは(藤井)一志が引っ掛けたことがすばらしく、あの時間なのに(小島)幹敏が追い越してくれて、(大澤)朋也がいいクロスをくれた。みんなの思いが詰まった得点でした。サポーターがいる側に初めて決められたので、それも良かったです」と笑顔を見せ、価値ある勝利を噛み締めていた。

(総評:粕川 哲男)

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監督コメント
サポーターの方にナイターにもかからわず6,500人も集まってもらって、今日もまた勝たせてもらったなという形で、最後にサポーター側のゴールに吸い込まれたのもきっと応援の力だと信じていますので、引き続きサポートの方をお願いしたいと思います。

ゲームの方は、終わり方とか最後はクロスゲームっぽくなったのですが、冷静に総括すると枠内シュートを12本ぐらい飛ばしていて、勝ちには値するゲームだったかなとは思っています。ただ、決めないとクロスゲームになる確率も高いですし、そこに対するセンサーはチームとしては、まだあの時間帯の危機感とか、外したあとに何があるかというのは、全体で学ばなければいけない部分なのですが、前半に関しては自分たちで追い込んでいっていすばらしいゲームで、後半もすばらしいゲームだったのですが、相手が攻勢に出てきたときにもう少しやるべきことをしっかりやらなければというのは思っています。ただ、全部が全部うまくいくとは思ってないので、また少しずつトライしていって、チームを成長させていきたいと思います。
選手コメント
先制点が取れましたが、相手も結構うまかったですし、その中で自分たちの前の選手が奪いに行きたかったのですが、なかな行けない状況が続いて難しいゲームになりました。でもしっかり勝ち切れたので、あれで引分けるのと勝つのでは全然違うと思うので良かったです。

アル(アルトゥール・シルバ)が勝ち越し点を入れて、そこから選手交代して守り切るという形でいきたかったのですがPKを取られて、難しい判定だったと思いますが、でも自分はまだたぶん2分か3分あると思っていたので、自分だけじゃなくて(藤井)一志のチェイシング、(大澤)朋也も(小島)幹敏も、あの時間帯に全員が走って取れたゴールでした。試合中の声かけについては、前の選手の判断で行くときもあれば後ろの声を聞いて行くことも多かったですし、そこはコミュニケーションを取りながらやっていました。

同点に追いつかれて会場の皆さんは「あー」っとなっていたと思うんですけど、ピッチに立っている選手は諦めていなかったですし、本当に選手とサポーター、みんなの思いが乗ったゴールだったと思います。一発目は外してしまったんですけど良かったです。いやー、大声援で気持ち良かったですね。なかなかアディショナルタイムで決められてなかったですし、しかも勝利につながったのでうれしいです。

やっぱりホームは心強いですし、またすぐホームでの試合があるので、たくさん来てもらって勝ちたいと思います。
僕や(泉)柊椰がしっかり決めておけば、もうちょっと楽な展開で終わらせれたかなと思います。もっと早めに2点目、3点目を取って勝負を決めていたら、あんなに苦しい展開にはならなかったですけど、勝ってよかったです。

(茂木)力也が戻ってきて今日は後ろが4枚でしたけど、キャンプからやってきたことをまた思い出して、みんなで攻撃的にいこうと話して入ったので、そういうのを前半から出せたかなと思います。僕自身もFKとか惜しいシーンもあったんですけど、決められなくて落ち込み過ぎてもどうしようもないですし、決めたいというのは開幕から思っていることで、決められないのは自分の実力不足なので、自分にフォーカスを当てて練習するだけかなと思います。

得点も大事だし、取りたいですけど、僕より体勢が良い選手がいたら使うし、ゴールの確率が高い方を選ぶだけで、チームが勝つためにプレーするだけですけど、その中で自分に結果がつくとそれはそれでいいかなと思います。シュートは入るときは入るし、入らないときは入らない、僕はそういう考え方なので、本当に1試合でも早く取りたいですけど、気負いすぎてもそんなに良くないので、取れたらいいなって思ってやっています。今日はアシストできたので幸せです。
2点目は奪った瞬間にチャンスになることは分かっていたので、スプリントで前にいこうというのは決めていましたし、(市原)吏音から良いボールが来たので最初はシュートにいこうと思ったんですけど、相手DFが止まったのが見えたのでそこに刺せばチャンスになるかなと思って、アルトゥール(シルバ)に出して、それが得点につながってよかったです。自分がボールを持ったときに周りが動いてくれているのも見えているので、いろいろな選択肢があるのかなと思います。あとはその中から点につながるものを選ぶだけかなと思います。

前に力を使えるというのが4バックの利点ですし、3バックをやったことで守備力も上がっていますし、前半は特に守備で貢献できた時間も多かったかなと思うので、3バックをやってよかったかなと思います。これからチームとして4枚でも3枚でも両方できますし、僕自身もウイングバックもやれることは勉強にもなりますし、キャリアとしても良いことなのかなと思います。どちらであっても自分の良さを出せるようにやっていきたいと思います。

今日はウイングバックのときよりもゴールに近い位置にいたので、点取りたかったですけど、来週に持ち越しで狙っていきたいと思います。僕はまだ開幕戦しか決められていないですし、アシストよりゴールが好きなので、自分のゴールでチームを勝たせたいですし、今日もセンターFWより前に入っていったシーンもあってチャンスも作れていたので、あとは練習するだけかなと思います。みんな待ってくれているので、守備でチームに貢献することは疎かにせずに、次決められたらいいなと思います。
フォトギャラリー

(写真:早草紀子)

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