第104回 天皇杯 1回戦
2024.5.26 [SUN] 13:00 福井テクノ

福井U

0 - 3
0 前半 1
0 後半 2

大宮

  • 31' 小島 幹敏
  • 60' 泉澤 仁
  • 88' 大澤 朋也
試合経過
監督コメント
リーグとカップ戦ではまた違う部分もありますが、先週の讃岐戦のようにリーグ戦で積み上げてきたものがちょっとずつですが形にはなってきています。ゴールシーンもそうですが、うまくリスクを取れたというのが一番大事なところだと思うので、そこは成功体験としてフィードバックしていますし、引き続きやっていければと思います。

今週は天皇杯になりますが、トーナメントは負けたら終わりなので、しっかりやっていきたいと思います。ルヴァンカップを観ていてもどこが勝つかわかりませんし、一発勝負なのでしっかり準備したいです。トーナメントは勝つこと、次のステージに行くことだけが目的なので、内容や勝ち方がどうかではなく、目標を達成するだけです。相手もキックオフからリスクをかけてくるのでリーグ戦ともちょっと違いますし、今回も抜けることが目的なのでそこだけはブレないようにしたいです。

選手たちにもミーティングで見せていますが、マンチェスター・シティとかがどれぐらいGKと1対1の場面を作られているかとか、もちろん安全に勝てればいいのですが、勝つということはリスクと等価交換なのでやっぱり出て行かなければいけません。リスクをどこで負うのかとかは常にやっていかなければいけないですし、リスクを取らなければ少しずつですが確実に弱くなっていってしまいます。そこは常に注意して、どうしてもそういう傾向に選手は走りがちなので、日々言い聞かせています。無敗のレバークーゼンとかもそうですが、どれぐらい危ないシーンを掻い潜って来ているか、結局行ったり来たりしないと本当は点は入らないので、だから全員の力が必要になるし、ギリギリのところの攻防もやらないといけないし、やっぱりそれを避けちゃうとなかなか本当の上には行けないよねと。自分たちが上位だからとか周囲からどう見られるかは関係なく、選手たちには勝負は紙一重だと意聞かせていますし、今までのゲームで負ける可能性も十分ありましたが、ただそれを取り切るというのはまた別の話で、1回2回とかは取れるのですがそれを10回とかになったら別の話です。ただ、全部紙一重ですし、選手たちはそこはわかっていると思います。人間の能力は変わらないので、自分より2倍足が速い人もいないし、身長が2倍の人もいないし、その中で紙一重の部分って何だろうか、日常が大事だよね、ということだと思っています。

対戦する福井ユナイテッドFCは、藤吉監督がていねいに時間をかけてサッカーを構築しているチームだと思います。一発勝負はカテゴリは関係ないですし、ただ、メンタリティで遅れを取らないような準備はしないといけないので、そこはしっかりと選手を見極めて入っていきたいと思います。
選手コメント
チームとしては、松本戦で初めて負けてから自分たちのことをしっかり見つめ直して、讃岐戦でしっかりリバウンドメンタリティを見せて、アウェイで勝点3を持って帰ることができたのはすごく良かったですし、日頃の練習がすべてなので、その中でみんなで厳しく声掛けをしながらやれているのはいいことかなと思います。

自分のアシストは中がいてくれて点を取ってくれての結果ですが、得点に直結するプレーをもっと増やせればいいかなと思いますし、少しずつ改善点であったりネガティブな部分を消してプレーできているというのはありますが、もっともっと自分の良さであったり、チームの勝利に直結するプレーを出していきたいです。

福井ユナイテッドFCは、毎年天皇杯にも出ていて経験のあるチームだと思います。天皇杯は相手にかかわらず、大学生と対戦したとしても難しい試合になりますし、自分たちがしっかり勝って次に進めるように、万全の準備をして臨みたいと思います。カテゴリが違うチームとの対戦はやっぱり難しくて、自分もカテゴリが上の立場も下の立場も経験しましたが、やっぱり一回の勝負は難しいですし、カテゴリが下のチームはメンタル的なものや勢いもあると思います。ただその中でも、自分たちがやってきていることはどのカテゴリの相手にでも通用すると思いますし、そこはこだわってやってきているところなので、どんな相手でもそれを表現できるかが大事だと思います。

次は地元福井での試合になりますが、小学校を卒業してから福井でプレーすることはありませんでした。福井にはJリーグのクラブもないですし、自分自身も福井出身の人間としてすごく楽しみです。組合せを見てもしかしたら対戦ができるかなという気持ちがありましたが、こうやって自分が現役のときに対戦できるというのはすごくうれしいです。普段は家族や友人もなかなか大宮までは試合を観に来れないのですが、みんなも観に来てくれると思います。福井が注目されることはすごくいいことですし、自分自身にとってもうれしいです。福井のサッカーのレベルが少しずつ上がればいいなというのは自分が小さいころからずっと思っているので、その一つのきっかけになる試合になったらすごくうれしいです。

今年から北陸新幹線がつながって大宮駅から福井駅まで乗り換えなしで行けますし、おいしい海鮮(特にカニ)や、僕の大好きなソースカツ丼というソウルフードもあるので、ぜひ大宮のサポーターの皆さんにも食べてもらいたいですし、スタジアムで一緒に戦ってもらえれればと思います。
先日リリースがあったとおり、アメリカの大学へ進学することが正式に決まって、このままトップチームに残って活動を続けさせていただくか、すごく迷った部分はあったのですが、自分自身、海外に挑戦したいという夢であり一番の目標があったので、まずはそこにチャレンジしたいという気持ちで決断しました。

アルディージャには10歳のころからすごくお世話になって、サポーターの皆さんも含めて本当にいいクラブですし、本当にこのクラブで良かったなと思っています。自分の気持ちを受け入れてくれたクラブには感謝しかないですし、これから先、しっかり恩返しをしていきたいです。

自分にとっては残り2試合になりましたが、まずは目の前の試合に集中したいと思いますし、しっかりとメンバーに食い込めるように練習から取り組んで、試合で結果を残して、一つ恩返しできるようにやっていきたいです。自分自身のコンディションは悪くなく、むしろ少しいいかなと思っています。週末の試合に向けてしっかり仕上げていきたいです。

チームとしては松本戦に負けてから「連敗はなし」と言われてきて、その中で練習からしっかり雰囲気を作ってそのあとの試合に臨むことができたので、それが今につながっていると思います。ただ、ここで負けてしまったら意味がないので、次の試合も大事ですし、まずは天皇杯をしっかり勝ちたいと思います。
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 杉本 拓也
DF 2 市川 侑麻
70'
DF 16 池庭 諒耶
DF 5 志摩 豪瑠
DF 19 遠藤 海斗
MF 6 廣岡 睦樹
MF 8 和田 達也
70'
MF 27 押谷 祐樹
FW 15 野中 魁
70'
FW 13 髙貝 樹幹
81'
FW 33 高橋 勇太
46*'

控えメンバー

GK 21 河畑 光
DF 4 嶋津 柚杏
70'
DF 22 榎本 響
46*'
MF 14 奥野 将平
MF 20 中島 偉吹
70'
FW 7 森永 秀紀
81'
FW 9 大石 治寿
70'

監督

藤吉 信次

スターティングメンバー

62'
62'
80'
73'

控えメンバー

62'
46*'
80'
62'
73'

監督

長澤 徹
試合詳細
12 シュート 9
12 GK 10
6 CK 4
9 直接FK 10
1 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

板矢 智志

副審

若宮 健治

副審

原 崇

第4の審判員

出村 友寛

入場者数

943人

天候

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

29.1℃/30%
小島、泉澤、大澤の3得点で快勝、天皇杯の初戦を突破
天皇杯1回戦は、北信越1部に所属する福井ユナイテッドFCとの対戦だ。苦しんだ末に埼玉県代表の座を手に入れて臨む全国大会の初戦。リーグカップのルヴァンカップは敗退したが、この大会でも上位カテゴリーチームに挑戦するチャンスを得るため、勝ち進みたい。

先発布陣は、4バックだった。GK志村、4バックに右から市原、村上、浦上、下口。中盤は、低い位置にシルバと小島、右に中野克、左に泉澤。前線は、少し低い位置で起点になる杉本と相手の背後を狙う富山のツートップだ。長澤監督は「点を取りたかった。前回は(埼玉県代表決定戦で)苦労したので」と説明した。リーグ戦で採用している3バックは守備時に5バックになるが、より前に残る人数の多い布陣を採用した。

試合の立ち上がり、鋭さを見せたのは相手だった。じっくりとしたパス回しで中盤に生まれるスペースにうまくパスを落として攻撃を加速。11分には浮き球で最終ラインを急襲され、こぼれ球もミドルシュートを打たれ、GK志村が二度続けて防ぐ場面があった。しかし、少しずつ環境や相手に慣れると、24分にチャンス到来。ハイサイドに抜け出したMF泉澤が相手を引き付け、中央へパス。MF小島のクロスを杉本がヘディングで狙った。相手GKに防がれたが、惜しかった。この日、攻撃の起点となったのは、MF泉澤だ。浜風や乾いた長い芝生でボールが止まるため、得意のドリブルがやりにくかったためにコンビネーションアタックを考えていたという。31分、中盤のボール奪取からFW杉本を経由するショートカウンター。中央に寄った泉澤が左へ流す形でラストパスを送ると、MF小島が左足でシュートをたたき込んで先制に成功した。普段はラストパスを狙うことが多いが「シュートの判断しかなかった。迷わなかったのが良かった。普段はクロスの方がいいかなとか(ほかの選択肢が)ちらつくけど。角度が少しなかったけど、GKしかいなかったので、振れました」と振った左足で、今季公式戦での初得点を生み出した。

1点リードで迎えた後半は、MF石川を投入。相手のショートカウンターで二度ほど押し込まれた場面は、最終ラインで防いだが、52分、CKからヘディングシュートを打たれ、クロスバーをたたくピンチがあった。しかし、ゴール前の質では上回った。60分、左から中央へ攻め込むと、一度は奪われたボールを奪い返して再び攻撃。右へ展開すると、中野が低いクロス。中央で杉本がスルーすると、逆サイドへ抜けた球をMF泉澤がきっちりとゴールへたたき込んで追加点を奪った。62分、MF高柳、FW大澤がピッチに送り込まれると、それぞれMF小島、FW杉本がいた位置にそのまま入った。71分、福井は3人同時交代で布陣を変更。外に起点を作って攻め込んできたが、中央でしっかりと守って対抗した。

また、受けて構えるだけでなく、相手のサイド攻撃の前段階であるビルドアップに対して、積極的にプレッシング。77分、前線でボールを奪い返し、ショートカウンターから途中出場のFW藤井がシュートを狙う場面もあった。直後にMF泉を投入。最後は、88分、MF高柳が左へパスをはたいてすぐに動くと、釣られて動く相手を見て、パスを受けたMF泉がクロス。ファーサイドで待っていたFW大澤が頭で合わせてダメ押しの3点目。守備もクリーンシートで締めくくり、3-0で勝利を収めた。2回戦は、6月12日。J1所属で長澤監督の古巣にあたる京都と対戦する。1得点1アシストの活躍を見せた泉澤は「僕たちもまだ(J1と互角以上に)やれるよというところを見せたい」と意気込みを示した。

ただ、その前にリーグの戦いがある。次戦は、6月1日に行われる、明治安田リーグJ3第15節の長野戦。3バックよりも攻撃的な4バックでの手応えや、小島、大澤の今季初得点など収穫は十分。天皇杯の勢いを加えてリーグ戦でも連勝を飾りたい。

(総評:平野 貴也

続きを読む

監督コメント
環境的にちょっと長い芝生で乾いた状態でやるというのは普段なかなかないシチュエーションだったのですが、選手がよく対応して点を取って勝ってきたと思います。風もありましたが、お互いのチームが同じ環境なので、その中でもしっかりと3点を取ってゼロに抑えたということはすばらしいと思います。本当に紙一重だったと思いますし、立ち上がりに志村が止めたりとか、ああいうのが決まっているとまた逆の展開になってくるのですが、それも含めて勝負なので、トーナメントは上に上がることだけが目標なので、本当によくやってくれたと思います。

カテゴリの違うチームとの戦いで、マインド的にどうしても受ける形にならざるを得ないので、世界中、ジャイアントキリングはどこのリーグでも起こることなので、天皇杯は特にいろいろなところで起こっていますが、我々はプロフェッショナルなので、そこも含めてどう勝ち切るかというのがすごく問われる戦いに毎回なると思います。福井Uはひたむきですし、やっぱりすごく紙一重なので、そういう意味では力のあるチームだと感じました。

2回戦は京都との対戦ですが、今度はこっちが掛かっていく立場になるので、そういうメンタリティでしっかり準備して、次に進めるようにしたいです。
選手コメント
最初は風の影響もあってピッチに慣れるのに時間もかかって、ちょっと難しい展開だったのですが、先制点を取ってから自分たちのリズムでできたと思います。

先制点のシーンは、右サイドの方でボールを奪ってカウンターみたいな形だったのですが、今のチームの強みであるカウンターをうまく出せたと思います。後半の自分の得点は、ゴール前に入って行けたことが良かったですし、ゴールに関しては簡単なゴールだったと思います。

リーグ戦に向けては、後ろからのビルドアップもそうですし、攻撃のクオリティもそうですけど、すべてまだまだ足りないところが多いかなと思うので、改善していかなければいけないと思います。スケジュールを見ても6月に対戦する相手は結構厳し戦いになると思うので、来週ホームでしっかり大宮らしいサッカーをして勝っていけたらいいなと思います。

京都は元々対戦もしていたチームですし、特別という感じはあまりないかなと思います。僕たちもまだ全然やれるやれるよというところを見せていけたらと思います。
前半は風とか芝生に少し苦しんで危ないシーンもあって、ちょっとチーム全体でぬるい感じに見えたかもしれない中でも、前半に点が取れてリードできたことはすごく大きかったと思います。風や芝生の難しさはありましたが、それでもやらなければいけないですし、難しい試合になりました。

でも後半は2点取れましたし、点が入って少し良くなったんじゃないかと思います。もっと前からプレッシャーをハメに行っても良かったかもしれないですが、少し待ちというか観る時間が多かったです。もっとみんなでハメに行こうというところを統一できたら良かったと思いますし、それができれば前半の最初からもう少しラクな展開になっていたのかなと思います。

先に1点を取れたことが大きかったですが、あれはチームの狙いであるショートカウンターがうまくハマりました。もうシュートの判断しかなかったので、それが逆に迷わなくて良かったかもしれないです。その前にも打てるかなという場面があったのですが、少しクロスの方がいいかなとか、DFがいるから当たりそうだなというのがチラついて、得点シーンも角度はなかったけどGKしかいなかったので足を振れました。やっぱり迷っちゃいけないですね。迷うといいプレーができないので。これをリーグ戦につなげられればと思いますし、少し気持ちがラクになりました。これでリーグ戦で決められればもっとラクになると思います。今日は2ボランチだったので出やすい、ペナルティエリア内にランニングしやすいというのはあって、思いっきり行けました。

シュートの意欲も高まっていますし感触もいいので、いつもだったら1本目でふかしたりしていたのですが、少しずつ枠に抑えられるようになって、シュートスピードも良くなってきている気がするので、シュートへの感覚は良くなっていると思いますし、これを続けたいです。

次はJ1の京都との対戦ですが、やっぱり違うカテゴリのチームと対戦するのは醍醐味ですし、いい刺激になるので楽しみです。
天皇杯は本当に一発勝負なので、難しい試合になると思っていました。入りのところはやっぱり少し難しい部分もあったんですけど、前半に1点取れたのでそこからは少しずつ自分たちのリズムを出せました。勝負は紙一重なので、しっかり次に進めたのがよかったかなと思います。

ジャイアントキリングを狙ってくる相手っていうのは勢いもあって、すごく難しい戦いになるものだと思いますし、そういうところをしっかりみんなが理解したうえで戦っていたので、攻め込まれる時間もありましたけど、みんなではねのけて3点取ってゼロで抑えたということが一番の収穫かなと思います。

福井出身としてこの戦いが決まったときからすごく楽しみにしてました。福井ユナイテッドFCのサポーターの方からもコールをもらえてすごく幸せでしたし、福井の方に愛されているということをなかなか感じることがないので、肌に触れてすごく嬉しかったです。プロになって福井のピッチでプレーできるというのは思ってなかったので、かみしめながらいい時間を過ごせたんじゃないかなと思います。

代表決定戦や今日の1回戦は立ち向かってくる相手との戦いでしたけど、2回戦はカテゴリーが上のJ1の京都を相手に自分たちがチャレンジできるということで僕自身もすごく楽しみです。サッカーは自分たちが攻める時間もあれば守る時間もありますし、チャンスがあればピンチもあるので、紙一重をどれだけ制するかというのが自分たちがやってることですし、駒を進めるという意味では京都に勝ってもう1個上にいけばいいんじゃないかなと思ってます。
フォトギャラリー

(写真:早草紀子)

カテゴリー


X

パートナーバナー