Jリーグ ディビジョン1 第9節
2013.5.3 [FRI] 13:00 大銀ド

大分

0 - 2
0 前半 1
0 後半 1

大宮

  • 18' ノヴァコヴィッチ
  • 48' 青木 拓矢
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 清水 圭介
DF 5 若狭 大志
63'
DF 3 阪田 章裕
DF 2 児玉 新
MF 19 辻尾 真二
MF 10 チェ ジョンハン
MF 30 ロドリゴ マンシャ
MF 32 宮沢 正史
53'
FW 13 高松 大樹
FW 33 丸谷 拓也
78'
FW 20 森島 康仁

控えメンバー

GK 31 上福元 直人
DF 4 深谷 友基
DF 18 高木 和道
63'
MF 6 土岐田 洸平
MF 11 村井 慎二
78'
FW 8 西 弘則
53'
FW 24 木島 悠

監督

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 8 下平 匠
MF 13 渡邉 大剛
82'
MF 6 青木 拓矢
MF 23 金澤 慎
MF 9 チョ ヨンチョル
76'
FW 11 ズラタン
FW 19 ノヴァコヴィッチ
88'

控えメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 34 片岡 洋介
DF 26 村上 和弘
DF 30 渡部 大輔
76'
MF 7 上田 康太
FW 28 富山 貴光
82'
FW 32 長谷川 悠
88'

監督

試合詳細
6 シュート 7
10 GK 11
4 CK 7
12 直接FK 21
6 間接FK 7
0 PK 0
試合データ

主審

扇谷 健司

副審

相葉 忠臣

副審

数原 武志

第4の審判員

吉田 哲朗

入場者数

11,334人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

21.1℃/38%
アウェイで完勝。20戦負けなしで首位を守る
J1第9節、勝点20で首位に立つアルディージャは、勝点3で最下位に沈む大分と対戦した。昨季の第24節から19試合連続不敗、そのうえチーム記録となる5連勝中のアルディージャに対して、大分は川崎、浦和、C大阪と引き分けたものの、今季未勝利。しかし、成績やデータは何も保証してくれない。ベルデニック監督も「どんな相手も過小評価してはいけない」と気持ちを引き締めて、この日のアウェイゲームに臨んだ。
 
首位としての自信を持ち、過信することなく試合に入り、これまでと変わらぬ組織的なサッカーを披露できるのか。Jリーグ記録更新への期待もかかる一戦は、屋根を開放した大分銀行ドームで13時5分にキックオフを迎えた。

立ち上がりは、ともに主導権を握れない展開となった。アルディージャはいつも通りのコンパクトな陣形で流れをつかもうとするが、大分の3バックもラインが高く、なかなかゴール前までボールを運べない。金澤が前線へ飛び出し、今井が右サイドを深くえぐるが、フィニッシュまで持ち込むことはできなかった。
 
こう着の気配が漂い始めたが、試合は18分に動く。渡邉のFKは相手にクリアされたが、こぼれ球を拾ったノヴァコヴィッチが右足を一閃。ペナルティエリア外から放った豪快な一撃がゴールネットを揺らす。頼もしいエースの価値ある先制弾だ。直後、右サイドへのスルーパスにアウトサイドのチェ ジョンハンが抜け出してきてヒヤリとさせられるが、ここは北野が素晴らしい飛び出しで、しっかりとボールを押さえた。
 
1点をリードしたアルディージャは攻勢を強める。左サイドを突破した青木のクロスをノヴァコヴィッチがヘディングで狙い、右サイドの今井が果敢なオーバーラップで好機を創出。下平とワンツーを決めたチョ ヨンチョルがゴールに迫る惜しいシーンもあった。追加点を奪うことはできなかったが、ピッチに描かれたのはいつも通りのアルディージャのサッカーだった。しっかりとボールをポゼッションし、ノヴァコヴィッチとズラタンの2トップにクサビのパスを打ち込み、金澤、青木のダブルボランチが機を見てゴール前へ上がっていく。今井と渡邉、下平とチョ ヨンチョルの両サイドも、絶妙な連携プレーでサイドの攻防を制した。
 
すると前半終了間際の42分、好機が訪れる。細かいパスワークからズラタンが絶妙なポストプレーで右サイドに展開して、走り込んだ今井が低いクロス。ノヴァコヴィッチがニアサイドで狙った一発はポストに阻まれて得点には至らなかったが、アルディージャの優勢を印象づけるあと一歩の決定機だった。

ベルデニック監督に「サイドを変えながら相手の背後を狙っていこう」と送り出された後半、アルディージャは開始直後にまたも決定機をつかむ。今井のロングフィードに抜け出したズラタンが、GK清水の頭上を抜くループシュート。しかし、ボールはわずかに枠を越えていく。それでも1分後、立て続けの決定機逸で流れかけた嫌な空気を払拭したのは青木だった。大分陣内で面白いようにパスが回り、右サイドの渡邉のクロスをズラタンとチョ ヨンチョルがつなぎ、最後はゴール前へ駆け上がった青木が左足で冷静にゴールへ流し込んだ。殊勲者の青木が「僕は最後に決めただけ。いい崩しができた」と謙遜しつつ手応えを語った、流れるような形からの美しい追加点だった。
 
2点リード。だが、アルディージャは攻撃の手を緩めない。渡邉のラストパスを受けたチョ ヨンチョルのフィニッシュ、金澤のスルーパスに抜けてGKと1対1の場面を迎えたズラタンのシュート、下平のCKのこぼれ球を収めたノヴァコヴィッチの右足が、次々と大分のゴールを脅かした。
 
ピンチらしいピンチは、ほとんどなかった。コンパクトな陣形のなかで見せる積極的なプレッシングが効き、大分に決定機を作らせない。ノヴァコヴィッチとズラタンがパスの方向を限定し、金澤と青木が激しく身体を寄せ、北野は少しの不安も感じさせない安定感抜群の守備を披露した。76分、一瞬の隙を突かれて高松に決定的なシュートを許したが、ボールはゴールの右へ逸れてスコアは動かなかった。
 
交代出場の渡部、富山、長谷川も試合を締めた。チョ ヨンチョルに代わって左サイドの2列目に入った渡部は幾度となくパスを引き出し、対面した辻尾を自陣に押し込めた。渡邉と交代した富山はゴール前へ正確なクロスを供給しただけでなく、精力的に動き回り右サイドで主導権を掌握。最後にピッチに立った長谷川は、確かなボールキープで時計の針を進ませ、執拗な守備で大分のビルドアップを許さなかった。
 
3分のアディショナルタイムが過ぎ、タイムアップの笛が鳴った瞬間、アルディージャの選手たちは喜びを露わにすることもなく、淡々とチームメイトとハイタッチをかわし、静かに勝利を噛み締めた。首位に立ちながら奢ることなく、自分たちのサッカーを貫き、圧勝と言える内容で勝点3を積み上げた選手たち。その表情は充実感に満ちていた。

20戦不敗、6連勝を達成した試合後、それでもベルデニック監督は気を緩めることなく「順位に満足せず、こだわることもなく、自分たちのプレーを続けていきたい」と語った。ブレない姿勢は選手たちも同じ。キャプテンの菊地は「完璧な守備ができたわけではない。ピンチもあった。しっかりと反省して次の試合に臨みたい」と、中2日で迎える広島戦に気持ちを切り替えていた。3日後、ホームで昨季王者と対戦する一戦。アルディージャの選手たちがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみだ。

(総評:粕川 哲男/写真:早草 紀子)

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監督コメント
監督 ベルデニック
結果に関しては当然満足しています。いい時間帯も悪い時間帯もある難しい展開の中、しっかり勝てたことは非常に喜ばしいですし、初めての首位という非常にプレッシャーがかかる中で勝ち切ったことは、試合内容がどうであろうが非常に価値あるものだと思っています。
 
自分たちがボールを持った時間帯には、相手にとって危険なプレーができました。いかにシンプルに、かつ確実に相手を揺さぶり崩していくかが我々のスタイルですが、今日もコンビネーションをうまく使いながら何度かいい形で攻め切り、あと3点取ってもおかしくありませんでした。守備についても、大分の特長である長いボールから起点を作るプレーに対し警戒していましたが、しっかり対処できていました。特に攻撃面で、我々はまだまだ成長の可能性を秘めています。今の時点で順位に満足したり、順位にこだわりを持つのではなく、いいサッカーをすることで結果的に首位に立ち続ける、ということをしっかりと実践していかなければならないと思っています。

Q:首位のプレッシャーに対して、選手たちにどんな言葉を掛けて送り出したのか?
順位に対してプレッシャーを感じる必要はない、まず目の前の試合を100%の力で戦おうと話しました。また、プレーに集中すること、いいプレーをすること、その結果が勝利をもぎ取ることになる、そういう話もしました。

Q:試合後にサポーターから誕生日を祝うメッセージも掲げられていた。忘れられない勝利になったのでは?
非常に忘れられない、喜ばしい試合になりました。サポーターの方が私の誕生日を祝ってくれるメッセージが見えたので、感謝の気持ちを表すために、今日はサポーター席に行って挨拶しました。

Q:決定機に決めきれなかった以外に改善点は?
大分のプレッシャーを跳ね返した後に、また相手ボールになることがまだ多いように思います。プレッシャーを跳ね返すだけでなく、反撃に出るためにマイボールにすることが必要です。
 
我々は個々の力が特別に優れているわけではありません。ただ、チーム力、集団としてのプレーは何よりも優っていると思います。選手やコーチングスタッフを含め、クラブのすべてのスタッフが同じ方向に向かっていい仕事をしている結果として、現在の成果が成し遂げられているのではないかと思います。
 
今年は新しいクラブハウスもできました。ヨーロッパの強豪クラブと比較しても引けを取らない高いレベルのものです。選手たちは感謝しなければいけません。
 
クラブ全体の組織が非常に機能的に働いていますし、そうした組織力が我々にまだまだ成長する力を与えてくれていますので、その相乗効果で、さらにまた成長していける可能性があると感じています。
選手コメント
MF 6 青木拓矢
Q:首位で迎えた試合だがプレッシャーは?
僕はあまり感じなかったですね。勝つことだけを意識していたので、順位はあまり気にしてなかったですし、それがいい結果につながったのだとも思っています。

Q:自身の得点場面を振り返って。
短いパスがつながり、最後は(チョ)ヨンチョルが体を当てて、僕にボールが来るようにしてくれました。僕は本当に最後のシュートを決めただけですが、とてもいい崩しができたのではないかと感じました。

Q:今後への意気込みを。
また1試合1試合勝てるように、普段の練習からしっかり取り組んでいきたいと思います。
FW 19 ノヴァコヴィッチ
Q:先制点の場面を振り返って。
コーナーキック、特にそのセカンドボールはチャンスになると、スタッフからの分析もありました。そのチャンスをうまく生かして得点できました。

Q:ズラタンとのコンビは今のJリーグで最強2トップとも言われているが?
そう言っていただくのは非常にありがたいですが、私とズラタンだけでサッカーをやっているわけではありません。自分にとって大切なのは、まず無失点で抑えたこと。得点については、確かに私がゴールを決めていますが、チーム全体でもぎ取っている得点だと思っています。チームとしていかにいいプレーができるか、そのほうが私にとっては価値が高いものです。

Q:今後への意気込みを。
順位も大切ですが、1試合1試合集中して力を出し切ること、その中で勝点を重ねていくことが大事ですし、その中で私たちはクオリティの高いゲームを重ねていくことに集中していかなければなりません。今日の試合も、もう少しいい試合になったかもしれませんが、まだ私たちの成長は止まっていないですし、まだまだ成長できるチームだと思っています。シーズンの最後に私たちが笑えることが一番大切だと思っています。
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