Jリーグ ディビジョン1 第3節
2014.3.15 [SAT] 15:00 等々力

川崎F

  • 12' オウンゴール
  • 70' レナト
  • 86' 大久保 嘉人
3 - 4
1 前半 2
2 後半 2

大宮

  • 4' 菊地 光将
  • 29' 家長 昭博
  • 90' 菊地 光将
  • 90+3' チョ ヨンチョル
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 杉山 力裕
DF 3 田中 裕介
DF 7 中澤 聡太
DF 4 井川 祐輔
DF 22 福森 晃斗
46*'
MF 16 大島 僚太
MF 34 パウリーニョ
MF 14 中村 憲剛
MF 10 レナト
89'
FW 11 小林 悠
FW 13 大久保 嘉人

控えメンバー

GK 21 西部 洋平
DF 20 稲本 潤一
DF 17 武岡 優斗
46*'
MF 15 谷口 彰悟
MF 6 山本 真希
89'
MF 19 森谷 賢太郎
FW 9 森島 康仁

監督

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 14 中村 北斗
MF 10 渡邉 大剛
75'
MF 34 片岡 洋介
MF 23 金澤 慎
84'
MF 41 家長 昭博
FW 11 ズラタン
FW 20 ラドンチッチ
58'

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
MF 4 橋本 晃司
MF 5 カルリーニョス
MF 9 チョ ヨンチョル
75'
MF 18 横山 知伸
MF 22 和田 拓也
84'
FW 32 長谷川 悠
58'

監督

試合詳細
24 シュート 8
2 GK 11
12 CK 4
14 直接FK 8
1 間接FK 0
0 PK 0
試合データ

主審

山本 雄大

副審

中野 卓

副審

金井 清一

第4の審判員

蒲澤 淳一

入場者数

13,498人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

11.8℃/28%
終了間際の2発で劇的逆転! 敵地で今季初勝利
内容はともかく、結果が欲しい。連敗中は、なおさら強く思うことだ。アルディージャは開幕から2連敗でJ1第3節を迎えた。試合会場は等々力陸上競技場。相手は、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)に出場している強豪、川崎フロンターレだ。MF中村憲剛を中心とするパスワークが武器の相手に対し、アルディージャがどのようにチームを立て直して臨むのかが注目された。

先発メンバーには、これまでの2戦で出場機会のなかったGK北野、DF中村が名を連ねた。ビッグセーブの多い北野をゴールマウスに据え、最終ラインの右に今井、左に中村と対人プレーで強さを発揮する両サイドバックを起用し、川崎をねじ伏せにかかった。出足は良好だった。4分、右コーナーキックを菊地が頭で合わせて先制ゴール。12分にはオウンゴールで追いつかれたが、29分には家長が得意のドリブルで敵陣を突破し、金澤とのワンツーから冷静にシュートを流し込んで再び勝ち越した。前半は、ボール支配を強める川崎Fに対して自陣に引く形となったが、移籍加入後の公式戦初出場を果たした中村が「ボールを持っている選手に当たりに出て行けない状況になっていたけど、ベンチの指示はラインの裏をケアしろということだった。FWに引いてもらわないといけなくなるので、(金澤)慎君たちに伝えながらやっていた」とピッチサイドで大熊監督に確認を取りつつ、守備組織の修正に奔走して最少失点でこらえた。

しかし、後半に入ると巧みなパスワークで中盤を振り回してくる川崎Fの攻撃をこらえられなくなった。52分、57分と冷や汗もののピンチに陥り、70分に左のクロスからレナトにゴールを奪われて再び同点とされた。後半は、今井がレナトと1対1となる守備で強さを発揮していたが、なかなか反撃の機会を作れずに押し込まれ続けた。73分、川崎Fの小林が放ったバイシクルシュートは、北野が辛くもセーブ。敵地で苦戦する中、スコアは同点。守りを固める選択もあったが、大熊監督は75分にスピードとパワーが特長のチョ ヨンチョルを投入して反撃の一手を打った。だが、川崎Fの勢いは止まらなかった。79分、川崎の中村が放ったシュートはクロスバーを直撃。そして86分に大久保にゴールを決められ、ついに逆転されてしまった。試合時間は残り4分。誰もが苦しいと思ったが、不屈のオレンジ魂が奇跡を起こした。90分、家長が蹴ったFKを菊地が滞空時間の長いヘディングで競り勝ってゴール。セットプレーで追いつくと、90+3分には、右サイドでパワフルなドリブル突破を何度も仕掛けていた今井が長い距離を持ち上がってカウンター。一度は奪われたが、片岡からロングパスを受けたチョ ヨンチョルの左足のシュートがゴールネットを揺らし、アルディージャのベンチとゴール裏を熱狂させた。

待望の今季初勝利は、あまりにも苦しい試合でのドラマチックな逆転によってもたらされた。昨シーズン以上の思い切りの良さを見せた今井は「今日はレナトだけにはやらせないという個人的な強い思いがあったし、攻撃でも相手の左サイドは狙い目だと話し合っていた。きつかったけど、仕掛けて良かった。当然3失点は反省材料だけど、この勝利は次に向けた勢いを生むと思う」と疲れ切った顔に笑顔を取り戻した。まずは1勝、アルディージャの強さを見せるのはこれからだ。

(総評:平野貴也/写真:早草紀子)

続きを読む

監督コメント
監督 大熊 清
狙い通りにできた部分もありましたが、まだまだチームとしての力不足を感じた試合でもありました。ただ、あきらめずに最後まで頑張ってくれたところと、交代選手が今までより具体的な仕事をしてくれたところが、今後につながるかな、と思っています。ただ、交代カードを切らなくても、リードした時には先発の11人で安定した戦いをして、後半も追加点を取れるような力を付けていくことが必要だと感じています。

Q:チョ ヨンチョル選手にはどのような指示を与えて送り出したのですか?
彼は非常に真面目な選手で、何か指示を出すと、どうしてもそればかりをやろうとしてしまう傾向がありました。ですので、最近はとにかく『思い切ってプレーしろ』としか言わないようにしていて、今回も細かい指示は避けました(笑)。これまでは、もう少し中に入ってコンビネーションを使えとか、色々言うと迷ってしまう場面があったので、『やりたいことをやれ』という形で、彼とはコミュニケーションを取っていました。それが、慣れない左足で決めることにつながったのかどうかは分かりませんが、思い切りは良かったと思います。ただ、今日は全体が間延びした中でのプレーでしたので、今後は間延びしていない中で、チャンスを作ったりコンビネーションができるようになることが、チームのためにも彼のレベルアップのためにも必要になるでしょう。

Q:初勝利の感想を聞かせて下さい。
うれしいことは、うれしいです。ただ、この記者会見が終わったら、勝ったことは忘れて、次の試合のことを考えたいと思います。振り返ってばかりいても、それは意味がないことですし、気持ちを切り替えていきます。だから、すごくうれしいとか、そういうことはありません。ちょっと、うれしいくらいです(笑)

Q:3失点を喫した守備については?
ゾーンがどうとか、マークの受け渡しがどうとか、そういうロジックに走るのは良くないと思います。要するに選手にボールを奪う力がないと、ゾーンであろうがマンマークだろうが、そういうことは関係ありません。フォーメーションとかロジックに逃げないように、これからも選手たちをしっかりと鍛えていくことが必要でしょう。ややもすると、戦術論や他人のせいにする者が出てくるので、そこは伝えていきます。
選手コメント
MF 9 チョ ヨンチョル
もう時間もなかったですし、勝負すべき場面でしたので、『決めてやる』という気持ちでシュートを打ちました。

Q:投入される際、大熊監督からの指示は?
『相手は前がかりになっているから、カウンターがうまく効くはず。だから、そういう場面がきたら勝負していい』という指示だったので、言われたことをイメージして入りました。

Q:試合後、ロッカールームの雰囲気はどうでしたか?
今日は本当に厳しい戦いでしたし、選手全員でつかんだ勝利だったと思います。苦労の末に手に入れた勝利だったので、皆、喜びの表情を浮かべていました。

Q:今日の収穫と、今後の課題についてはどう考えていますか?
リードしている時に主導権を握り、そこで追加点を取れれば楽な試合運びができます。ですので、今後は主導権を握った中で戦えるような、そういうサッカーをしていきたいです。

Q:次節への意気込みを聞かせて下さい。
これでやっと初勝利を飾ることができましたし、次はホームで戦えるので、また勝点3を取れるようにチーム全員で頑張っていきたいと思います。
DF 2 菊地 光将
前半の早い時間、良い形で先制点を取れました。オウンゴールで追い付かれましたが、家長選手がゴールをしてくれたので、『後半もう一度行こう』という気持ちで前半を終えることができました。ただ。後半はサンドバックのような状態になってしまい、シュートをたくさん浴びました。FWの選手たちも自陣に戻ってくれて守備に協力してくれたのに失点を重ねてしまい、FWや前線の選手たちには申し訳ない気持ちでした。最後の最後で逆転できて、本当に良かったと思います。

Q:菊地選手は2得点を挙げましたが、まずは先制ゴールを振り返って下さい。
相手は基本的にゾーンで守っていましたが、僕だけにはマンツーマンで付いていました。ただ、その選手をうまくはがすことができて、そこに渡邉選手が良いボールを送ってくれました。そのボールにドンピシャで合わせることができた良いゴールだったと思います。

Q:2点目は?
家長選手が良いボールを蹴ってくれましたし、僕の前で片岡選手が相手と競ってくれたおかげで、フリーのような形でシュートを打てました。うまく合わせられたと思います。

Q:3失点してしまった守備についての感想を教えて下さい。
あれだけ皆が引いた中での後半の2失点は、反省しないといけません。守備のやり方などを、選手同士で話して合って改善していきたいと思います。

Q:次節へ向けての意気込みを聞かせて下さい。
次はホームですし、今日の勝ちを生かせるように、1週間しっかりと準備をしたいと思っています。
MF 41 家長 昭博
ずっと攻められていましたし、我慢の時間帯が続きました。逆転されて確かにがっくりと来ましたが、最後に逆転できて良かったです。

Q:大宮での初ゴール。感想を聞かせて下さい。
大宮に来てからリーグ戦2試合を消化してゴールがなかったので、早くゴールが欲しかったですし、今日の試合で決めることができてホッとしています。

Q:ゴールを決める前までは、どういう気持ちでプレーしていたのですか?
チャンスがあればゴールを狙っていましたし、そのチャンスをしっかりと決められて良かったです。

Q:3点目のアシストも素晴らしかったと思います。
アシストは僕のキックが良かったというよりも、菊地選手のヘディングが素晴らしかったと思います。

Q:試合後のチームの雰囲気を聞かせて下さい。
連敗していたので、皆、苦しかったと思います。今日勝てて良かったのですが、試合内容はまだまだだと思いますので、今後、もっと改善していく必要があります。

Q:課題と次節への意気込みを。
しっかりとした守備から入るのが大宮の良さですが、その守備を良い攻撃につなげるようにしなければいけませんし、次節はホームですので、ホームでの初勝利を挙げられるように頑張っていきます。
フォトギャラリー

カテゴリー


X

パートナーバナー