Jリーグ ディビジョン1 第5節
2014.3.29 [SAT] 15:00

  • 27' 橋本 和
  • 52' 工藤 壮人
2 - 2
1 前半 0
1 後半 2

大宮

  • 83' 高橋 祥平
  • 85' 高橋 祥平
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 21 菅野 孝憲
DF 4 鈴木 大輔
DF 3 近藤 直也
DF 23 渡部 博文
DF 22 橋本 和
MF 13 高山 薫
MF 28 栗澤 僚一
88'
MF 7 大谷 秀和
MF 10 レアンドロ ドミンゲス
FW 11 レアンドロ
FW 9 工藤 壮人

控えメンバー

GK 1 桐畑 和繁
DF 5 増嶋 竜也
DF 33 輪湖 直樹
MF 20 茨田 陽生
88'
MF 14 狩野 健太
FW 18 田中 順也
FW 19 木村 裕

監督

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 14 中村 北斗
MF 10 渡邉 大剛
MF 34 片岡 洋介
MF 23 金澤 慎
56'
MF 41 家長 昭博
FW 11 ズラタン
FW 20 ラドンチッチ
53'

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
MF 4 橋本 晃司
MF 5 カルリーニョス
56' 76'
MF 9 チョ ヨンチョル
53'
MF 18 横山 知伸
MF 22 和田 拓也
FW 32 長谷川 悠
76'

監督

試合詳細
11 シュート 4
5 GK 13
2 CK 6
13 直接FK 10
1 間接FK 2
0 PK 0
試合データ

主審

村上 伸次

副審

聳城 巧

副審

高橋 佳久

第4の審判員

竹田 和雄

入場者数

11,568人

天候

晴時々曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

20.3℃/47%
終盤の攻勢が実を結び、価値あるアウェイの勝点1
前節、アルディージャは「出来過ぎ」(大熊監督)の内容で完勝を収めた。川崎F、仙台を相手にした連勝で勝敗は五分となり、順位は8位にアップ。特に仙台戦の攻守ともに安定した4-0の完封劇は手応えと期待を抱かせるものだった。 しかし、今季ホーム初勝利に酔うような者はいなかった。自陣のペナルティボックスでピンチを防ぎ、敵陣のボックスで決定的なヘディングシュートを放つなど攻守に奮闘した金澤は「今日のようなプレーをどんな相手でもできるようにしたい」と先を見据え、最終ラインを率いて無失点勝利に貢献した菊地は「うまくいったけど今日は今日」と冷静だった。誰もがその経験から、結果に一喜一憂せず自分たちのサッカーを追求しているのだろう。
 
今日の対戦相手の柏も公式戦連勝中(ヤマザキナビスコカップの浦和戦、リーグ戦前節の徳島戦)だが、自信を深め、さらに前へ進むためには勝点が欲しい。

J1リーグ戦3連勝を目指してアウェイの日立柏サッカー場に乗り込んだアルディージャは、前節と変わらぬメンバーでキックオフを迎えた。序盤は特長であるコンパクトな陣形が機能する。キーマンであるレアンドロ ドミンゲスを片岡が封じ、浅い最終ラインの裏を突いてくるボールは両サイドバックの今井と中村が弾き返した。
 
最初の見せ場は9分。右サイドの家長のクロスに反応してゴール前へ走り込んだ金澤の積極性と思い切りの良さが光るプレーだった。しかし、主導権を握ることはできず、20分には決定的ピンチが訪れる。レアンドロのスルーパスで左サイドを突破した高山にグラウンダークロスを入れられると、ゴール前にはフリーのレアンドロ。ここはシュートミスに助けられたものの、その後セットプレーから先制点を許してしまう。27分、レアンドロ ドミンゲスのフリーキックのこぼれ球を高山がダイレクトでクロス、橋本に押し込まれた。その後は思うようにパスがつながらず、前線までボールを運べない。柏にも決定機を作らせなかったが、ゴールに近づけないままハーフタイムを迎えた。

1点を追うアルディージャだったが、後半の立ち上がりに痛恨の追加点を許してしまう。前線で奪われた横パスを、レアンドロ ドミンゲスにドリブルで持ち込まれ、スルーパスを高山につながれると最後は工藤にネットを揺らされた。
 
この失点の直後、流れを変えたい大熊監督が動く。ラドンチッチに代えてチョ ヨンチョル、金澤に代えてカルリーニョスを投入、そして高橋をボランチに上げてゴールへの推進力を高める。ところが20分後にアクシデントに見舞われてしまう。惜しみないフリーランニングで攻撃を組み立て、鋭いパスで前線にボールを供給していたカルリーニョスが負傷。長谷川との交代を強いられた。レアンドロ ドミンゲスを中心に時折りカウンターを仕掛けてくる柏に試合を支配されて、残り時間は20分弱……。しかし、そこからアルディージャの反撃が始まった。
 
長谷川とズラタンが前線で構え、2列目には家長とチョ ヨンチョル、センターバックの高橋が渡邉とダブルボランチを形成する攻撃的な布陣で、柏のゴールを攻め立てた。そして迎えた83分、左サイドからのチョ ヨンチョルのクロスにズラタンが身体を張り、こぼれたボールを高橋が蹴り込んだ。「時間もあったし、0-2ならまだいける」(今井)という諦めない姿勢がこのゴールを呼んだのである。さらに3分後、長谷川のパスを受けた家長が左サイドからクロスを放り込むと、ファーサイドで相手の背後を突いた菊地が胸で落としシュート。ゴールマウスへ向かうこのボールに合わせたのは、またしても高橋だった。同点弾とはいえ、0-2からの土壇場での劇的な2ゴールに、アルディージャのファン・サポーターは喜びに震えたことだろう。
 
その後、4分のアディショナルタイムにもスコアは動かず、アルディージャは価値ある勝点1を持ち帰る結果となった。

試合後、大熊監督は「どんな相手でも笛が鳴るまで諦めないということは、ずっと言い続けてきた。最後まで諦めず同点に追いつけたことは多少評価してもいい」と振り返った。2点を奪った高橋も「ボランチになったので、どんどん前へ出ていった。負けたくないという気持ちもあったし、最後まで諦めずプレーしてよかった」と語っている。とはいえ、内容が素晴らしかったわけではないことは誰もが感じているだろう。快勝した前節同様、評価できる点と改善すべき点を真摯に受け止めて、一歩ずつ前へ進むだけである。

(総評:粕川哲男/写真:山田勉)

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監督コメント
監督 大熊 清
アウェイということもあり、このスタジアム(日立柏サッカー場)の雰囲気や、柏がシステムなり、(選手個々の)役割なりを変えてきたために戸惑ってしまい、非常にふがいない前半でした。後半も、もう少し先発メンバーで、5分、10分くらいどうにか戦えないかと思っていたのですが、2失点目を喫してしまいました。ただ、横浜FMとの開幕戦からここまで、控えの選手たちに時間を与えても、なかなか勇気のあるプレーやチームに好影響を与えることが少なかったのですが、今日は交代選手が非常に集中して力を出してくれましたし、チームに勇気を与えてくれましたので、そのあたりを見れば進歩していると思います。とはいえ、先発で選ばれたメンバーがもう少し、しっかりと責任をもってプレーをする、ということが一番大切だということも感じました。全体を振り返れば、『全員で最後まであきらめないで戦う』というところが見えましたし、柏という強い相手に同点まで持ち込んだのは評価していいと思います。

Q:後半20分過ぎくらいから高橋選手をボランチにしましたが、その狙いを教えて下さい。
チームが連勝していましたので、(高橋選手をボランチで)使うタイミングはなかったのですが、紅白戦では試していました。(高橋選手は)バイタルエリアを空けてしまうときもあるのですが、ボールを奪う力はありますし、前へ前へと行く推進力も持っています。攻撃にスイッチが入るので、いつか公式戦でも起用したいと思っていました。大剛(渡邉選手)をボランチに下げるのか、カルリーニョスを入れるのかなど色々と考えていたのですが、結果的にカルリーニョスがケガをしてしまったので、大剛と高橋のダブルボランチになりました。(2人の)距離感は良かったですし、ボールを奪って前へ行くという高橋の積極性がチームに勇気を与えてくれましたので、今日の試合に限って言えばチームに力を与えてくれたと思います。ただ、2人とも前へ行こうとする分、カウンターを受けやすいため、そこは今後、バランスが良くなれば、選択肢の中の一つになるかなと思いました。

Q:柏が3トップ気味にくることは予想できたのでしょうか?また、レアンドロ・ドミンゲスをつかまえるのに苦労していた印象がありますが。
相手が2トップなのか、1トップ2シャドーなのか、3-4-3なのか、まったく分からない中でスタートしました。試合の中でどうにか、ゾーンで(相手を)見ながら片岡にレアンドロ・ドミンゲスを消してほしかったのですが、アンカーの栗澤にもうまくリズムを作られていました。2トップが縦関係になって栗澤を消し、レアンドロ・ドミンゲスもマークしたかったのですが、前半はなかなか修正できませんでした。後半は2トップを縦関係にして、ソーンでレアンドロ・ドミンゲスと栗澤をうまく消そうという指示は出しました。それでも、やられてしまう能力を彼は持っているのですが、前半よりはマークの受け渡しもスムーズにうまくいったと思います。

Q:「最後まであきらめないで戦う」という部分は、大熊監督がずっと言い続けてきた部分だと思いますが。
私は言うだけで、それを実行するのはあくまで選手ですし、そういう意味では選手たちの意識が多少変わってきたのかもしれません。あきらめたら終わりなので、『どんな相手にも笛が鳴るまでは戦う』という気持ちが今日は出ていたと思います。逆に3点目を取りにいって、カウンターを受ける心配もあるくらい気持ちが高揚していた部分が見えたのですが、そこで菊地が私に『チームとしてどうするか決めたい』というのを聞きにきましたし、そういう意味では自分たちで(ピッチ上で)考える力が向上してきたのかもしれません。

Q:「チームとしてどうするか」と、菊地選手に聞かれて何と答えたのですか?
今日の試合の流れだと、向こうもゴールを取りにきたいと思うので、レアンドロ・ドミンゲスに対する守備も含めて、前がかりになっていたところを安定させ、(まずは)きっちりとした守備を敷いた上で、カウンターからもう1点を狙いにいこうと話しました。
選手コメント
DF 17 高橋 祥平
試合の入りもあまり良くなかったですし、先に失点をしてしまいました。1点を取られた後が大事でしたが、また追加点を入れられてしまいました。でも、アウェイで勝点が欲しかったですし、全員であきらめずに全力で戦いました。

Q:今日は2得点。まずは1点目を振り返ってください。
とりあえずゴールしか考えていませんでした。監督がボランチにしてくれて、ゴールをどんどん狙おうとゴール前に入って行きました。

Q:ボランチに入ったのは監督の指示ですか?
メロくん(今井選手)から『前!』と言われましたので、多分監督の指示だったと思います。

Q:2点目も見事なゴールでしたが、そのときの心境は?
2点目はキクさん(菊地選手)が決めたのか、僕が決めたのかは分からないですが、触った感覚はあります。2点も決められたことはうれしいですし、あきらめずにやって良かったです。

※公式記録上は高橋選手の得点

Q:(3月25日に入籍したばかりの)奥さんには良いプレゼントになりましたね?
妻が色々やってくれた部分もありますし、負けたくないという気持ちがありました。結果は引き分けですが、妻には良いプレゼントになったと思います。

Q:一方、守備では課題が残りました。
1失点目はマークミスもありましたし、2失点目はカウンターの準備もできていませんでした。簡単なボールの取られ方をしてしまった上に、ミスも多かったですね。そのあたりは皆でヤマザキナビスコカップまでに話し合って修正していきたいです。負けない試合を増やせれば上位を争えると思いますので、頑張りたいです。

Q:来週の水曜日のヤマザキナビスコカップ 浦和戦に向けての意気込みを聞かせてください。
ヤマザキナビスコカップもJ1リーグ戦も変わらず全部勝ちたいという気持ちです。ファン・サポーターの方の応援がありますと、勢いも付きますし、皆の声援があってこその選手たちですので、これからも応援よろしくお願いします。
DF 2 菊地 光将
先に1点を取られてしまい、その1点を取られる前も結構押し込まれる時間帯が多かったので、皆で我慢してやれれば良かったのですが……。1点を取られた後も、押し込まれても、後ろの選手は我慢して後半につなげようと話していましたが、その後半にカウンターで追加点を取られて2点を追いかける展開になってしまいました。2点差になりましたが、皆であきらめずに戦った結果、勝点1を持ち帰れることはプラスに捉えたいと思います。ただ内容的に足りない部分が多いので、見つめ直してやっていきたいです。

Q:相手に長くボールを保持され、我慢の時間帯が多くてやりにくかったですか?
ボールにプレッシャーをかけることができずに、全体的に後ろ気味に下がってしまった時間帯も多かったですね。しっかりとボールにプレッシャーをかけて、ディフェンスラインも上げられれば良かったですが、なかなかうまくいかなかったです。ただそんな中でも後ろは耐えようと話していました。でも2点を取られて難しくなってしまいました。

Q:同点ゴールの場面を振り返っていただけますか。
アキ(家長選手)から良いボールがきて、最初はヘディングで折り返そうかなと思っていましたが、相手が被るかなと思いましたので、それを待っていたらボールがきました。胸でトラップして良い形でシュートを打てました。最後は祥平(高橋選手)が触って、祥平のゴールになりましたので、それは祥平にも聞いてください(笑)

Q:事前に講じていた柏対策を教えてください。
一つのポイントは、攻撃が始まることが多いレアンドロ・ドミンゲスのところ。そこを皆でケアしながら戦おうと話していました。

Q:柏戦の収穫と課題を教えてください。
2点を先に取られてしまう展開で、2点差をアウェイで追い付けたことは収穫です。ただ内容的には相手の時間帯が多かったですし、公式記録でシュートも4本しか打っていません。シュートの意識をもっと高めていかないといけないと思います。またすぐにヤマザキナビスコカップの浦和戦がありますので、修正していきたいです。

Q:来週水曜日のヤマザキナビスコカップに向けて意気込みを聞かせてください。
ヤマザキナビスコカップはタイトルが懸かった大会です。僕たちは初戦ですが、その初戦で勝って勢いに乗って、その後のJ1リーグ戦につなげられるように頑張っていきたいです。

Q:初戦は浦和戦で、今シーズン初のさいたまダービーです。
今シーズン初めてのさいたまダービーなので盛り上がると思いますし、選手としては幸せなことです。まずはヤマザキナビスコカップの一戦と捉えて、初戦なのでしっかりと戦って頑張りたいと思います。
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