Jリーグ ディビジョン1 第11節
2014.5.3 [SAT] 17:00 NACK

大宮

  • 39' ズラタン
  • 54' 高橋 祥平
2 - 2
1 前半 1
1 後半 1

新潟

  • 9' 田中 亜土夢
  • 56' 岡本 英也
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 30 渡部 大輔
MF 14 中村 北斗
77'
MF 38 増田 誓志
MF 34 片岡 洋介
85'
MF 41 家長 昭博
FW 28 富山 貴光
62'
FW 11 ズラタン

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 26 村上 和弘
MF 4 橋本 晃司
MF 9 チョ ヨンチョル
62'
MF 10 渡邉 大剛
77'
MF 18 横山 知伸
85'
FW 32 長谷川 悠

監督

スターティングメンバー

GK 21 守田 達弥
DF 27 松原 健
DF 4 舞行龍ジェームズ
DF 3 大井 健太郎
DF 19 金 珍洙
MF 8 レオ シルバ
MF 6 小林 裕紀
MF 18 成岡 翔
68'
MF 10 田中 亜土夢
83'
FW 16 岡本 英也
75'
FW 20 川又 堅碁

控えメンバー

GK 1 黒河 貴矢
DF 2 大野 和成
DF 17 宋 株熏
MF 25 小泉 慶
83'
MF 13 加藤 大
68'
MF 14 小塚 和季
FW 28 鈴木 武蔵
75'

監督

試合詳細
10 シュート 10
11 GK 9
4 CK 3
12 直接FK 7
1 間接FK 0
0 PK 0
試合データ

主審

西村 雄一

副審

五十嵐 泰之

副審

金井 清一

第4の審判員

岡野 宇広

入場者数

12,105人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

25.4℃/35%
闘志溢れるプレーを続け、2試合連続で勝点1を得る
前節、アウェイのC大阪戦でリーグ戦の連敗を4で止めたアルディージャだが、流れを断ち切り中位に食い込むためには、ホームで勝利した第4節の仙台戦以来となる勝点3が必要だ。対戦相手の新潟は直近のリーグ戦8戦負けなしと安定感がある。エースの川又を警戒しながら、リーグ最少失点を誇る堅守をいかに崩すかがポイントだろう。
 
大熊監督はC大阪戦と同じメンバーを組んできた。ゴールマウスに江角、最終ラインを今井、菊地、高橋が固め、両サイドに中村と渡部。増田と片岡がダブルボランチを組み、2列目の左右に富山と家長、ズラタンが前線に張った。晴天のゴールデンウィーク、スタジアムには1万2千人を越す観衆が集まった。ファン・サポーターの前で、闘う姿勢を見せたい一戦である。

アルディージャは序盤から苦しい戦いを強いられた。レオ シルバを中心とした新潟のパス回しを寸断できず、ボールをポゼッションされてしまう。いざ奪っても低い位置から仕掛けるのは簡単ではなく、なかなかゴールに近づけない。9分には3バックのウィークポイントであるサイドを松原に突かれ、正確なクロスをファーサイドで待ち構えた田中に決められた。ニアサイドに詰めた川又を意識し過ぎたのかもしれない。流れをつかめない立ち上がりに喫した、痛恨の失点だった。
 
その後も自分たちのペースで試合を進められず、中村と渡部の両サイドはポジションを上げられない。5バックに近い形での戦いが続いた。それでも今季ホーム初出場の富山が必死にシュートまで持ち込み、直後には右サイドを駆け上がった中村が強烈なシュートで新潟ゴールを脅かす。これは相手GK守田に防がれたが、流れは徐々にアルディージャに傾き始めたように感じた。
すると金 珍洙の攻撃参加からの岡本のフィニッシュ、レオ シルバのボール奪取からのカウンターを凌いで迎えた39分、一瞬のチャンスから試合を振り出しに戻した。高橋のクロスを新潟の選手がクリアミス。こぼれ球に素早く反応したズラタンが左足を振り抜き、2試合連続となる同点ゴールを奪ったのだ。

ホームで負けられないアルディージャと、「勝点3を取らなければいけないゲームだ」という柳下監督に送り出された新潟の戦いは、後半のキックオフ直後から激しく動いた。まずは54分、アルディージャがリードする。増田の大きなサイドチェンジを足下に吸い寄せた家長が、片岡とのワンツーから絶妙なクロス。ファーサイドの高橋が頭で応えて、スタジアムに歓喜をもたらした。
 
だが2分後、アルディージャはゴール中央で相手にアプローチし切れず、成岡のスルーパスを受けた岡本に同点ゴールを許してしまった。リードを奪った直後に気が緩んだわけではないと思うが、チーム全体が集中力を切らさず、あと一歩、いや、あと数センチでも身体を寄せていれば防げたはずの失点だった。
 
それ以降は耐える時間帯が続き、アルディージャとしては少ないチャンスに懸ける展開となった。レオ シルバの強烈なミドルシュートは江角が弾き、成岡のドリブル突破から岡本に打たれたフィニッシュはシュートミスに救われた。さらに81分、ゴール前に走り込んだ鈴木に最大のピンチを作られたが、ここは江角が身を挺したセーブで難を逃れた。渡部のクロスからズラタンが放ったヘディングシュート、途中出場の渡邉のフリーキックから菊地と高橋がつないだ展開など惜しいシーンはあったが、劣勢を跳ね返せないまま試合は終盤へ。そして、アディショナルタイム表示は4分……。土壇場で追いつかれた前節と同じ時間を耐えたアルディージャは、勝点1を告げる試合終了のホイッスルを聞くことになった。

勝点3は奪えなかった。内容的に劣勢だったことも否定できない。しかし、選手たちは勝点1を獲得した。その事実は大きい。ズラタンは「チーム全体が闘争心を見せられた。これまでよりは良くなっているし、勝点を積み重ねる試合を続けていくしかない」と語り、高橋は「引分けで終わってしまったのは残念。だけど攻撃に厚みが出るなど、いい面も幾つかあった。3バックに関しても、自分の経験とかチームの力になればいいと思う」と引き締まった表情を見せた。
 
タイムアップの瞬間まで闘う姿勢を貫き、苦しみながらも手にしたこの日の勝点1は、シーズン終盤に大きな意味を持つような気がする。

(総評:粕川哲男/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 大熊 清
集中して試合に入ろうということだったのですが、前の試合(C大阪戦)を相手に研究されたようで、バイタルエリアでかなり流動的に来られた部分もあり、少し戸惑っている時間帯に失点を喫したことが残念でした。ただ、全体的には『前を向いて粘り強く』という狙いで、少しずつ勇気も出てきて攻撃の厚みも増してきたので、相手に脅威を与えるプレーは増えてきたと思います。今後は、0-0の状況であっても、そういうプレーができるようにならなければいけません。また、交代の選手、例えばヨンチョルのところをもう少しうまく生かして、脅威を増せないかということは考えています。今日のように外に張り過ぎている形では、なかなかコンビネーションができませんでしたので、彼のプレースタイルを生かすために、もう少しコンビネーションや相手に脅威を与えるポジショニングができるようになれば、さらに攻撃面での脅威が増すのではないか、と思っています。中2日で6日のFC東京戦がすぐに来ますので、しっかりと準備して戦いたいです。

Q:C大阪戦と同じシステムながら印象が変わった。この3日間で強調した点は?
C大阪戦も結局は、スコアでは主導権を握りながらも同点にされましたが、ラインやチャレンジばかりを気にして、裏を単純に突かれたシーンがありましたので、そこはケアできていたと思いますが、逆に今度は流動的に来た中盤に対してのチャレンジ&カバーが不十分でした。相手もかなりメンバーを変えて、2トップではなくて1トップかつ流動的にしたりしてきましたので、今後は(ディフェンスラインの)コンパクトさや(前線の選手の)プレスバックを含めて、例え相手が役割を変えてきても、それに対応できるようにしていかなければいけません。それは(こちらのディフェンスラインが)4枚とか5枚とか3枚とかそういうこととは関係なく、コンパクトにして(前線から)プレスバックをする、そしてそれを続け、また前に出て行くということが守備については大切かなと思います。攻撃に関しては、距離感が良くなってきたので、ズラタンへのサポートも少し良くなったと感じました。先ほども言ったように、途中から出た選手がズラタンとの距離感とかコンビネーションで具体的な仕事ができれば、皆が疲れた中で、相手がもっと脅威を感じるのではないでしょうか。

Q:失点が減らないことは課題だと思うのですが。
守りに入っているわけではないですが、ちょっと一休みするようなところがあります。チームが一体となってやらなくては、やはり隙ができてしまいます。ただ、それが同点になると、また(集中力が)上がってきたりするので、このあたりが現在苦渋しているところです。やはり点を入れられたり、そういう流れにならなくても集中力を欠かさないことが必要だと思います。後ろの選手だけが集中するのではなくて、全体が集中しなければなりません。例えば2-1でリードしたとき、少し前が気を緩めるようなことがあると、チームとして戦えないと感じています。そこをさらに皆で頑張って、後ろの選手だけではなくて11人が頑張るということが重要ですし、途中から出た選手が良い訴求効果を出せるようにするのが大切になるでしょう。例えば今回で言えば、ヨンチョルは疲れていなかったはずですので、守備のきっかけ作りもやってほしかったですし、もっと途中から出た選手が色々なきっかけ作りをするというのも必要です。途中交代で出たときに、ゴールなど、良いことばかり考えるのではなく、もっと激しく前から追うことや、そういうことがチームに結束力をもたらすということもあると思いますので、そのへんは詰めていかなければいけないでしょう。
選手コメント
FW 28 富山 貴光
Q:前節のC大阪戦からスタメン起用されていますが、どんな意識でプレーしていますか?
守備からプレッシャーをかけることや、自分の特長である裏への動き出しから得点に絡むことを意識しながらやっています。

Q:守備に人数を割いている分、攻撃のときに前線の選手は人数が少ないと思うのですが、前線の選手としてはどんなことを意識していますか?
前線の人数が少ない中、ズラ(ズラタン選手)が頑張ってキープしてくれています。そこに早くサポートに行けるポジションを取ったり、自分がもっと起点になれるポジション取りやキープができればいいと思います。

Q:個人的な手ごたえはいかがですか?
やれている部分もありますが、守備の場面でうまくいかない部分もあります。もっと周りとコミュニケーションを取っていきたいですし、個人でももっとプレッシャーをかけられる場面もあります。それをもっとできるようにしていければと思います。

Q:次節はFC東京戦です。意気込みをお願いします。
ここ2戦とも引き分けで終わっていますので、勝ちに持って行けるように、チーム全員でやっていければと思っています。
DF 17 高橋 祥平
Q:前節から3バックを採用していますが、手ごたえはいかがですか?
いまやっているポジションを全うしていって、自分の経験につながればいいなと思っていますし、チームの力になれればと思ってやっています。

Q:前節のC大阪戦に比べて、攻撃面は良くなっていると感じますが、3バックの完成度はいかがですか?
僕は(チームとして)点を取りに行きたいと思っていますし、失点も少なくしていきたいと思っています。前半も後半も失点したことはディフェンスの選手なので、そこは直さないといけないです。攻撃は厚みが出てきていますし、後ろから走ってくる選手が増えてきているので、良くなってきていると思います。

Q:得点シーンを振り返ってください。
僕がゴール前に入ったり、ヨウさん(片岡選手)がゴール前に入ったりといろいろ考えながらやっている中、フラっとゴール前に入っていったら、アキさん(家長選手)が良いボールをくれたので、押し込むだけでした。全部お膳立てをしてくれたアキさんに感謝したいですね。

Q:次はFC東京戦。連戦が続きますが、どんなことを意識していきたいですか?
いまの順位を考えても本当に勝つしかないですし、僕は引分けでもイヤです。失点が多くなるかもしれないですが、全員が勝つ意識でやっています。そこを見ていただければありがたいです。
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