Jリーグ ディビジョン1 第12節
2014.5.6 [TUE] 13:00 味スタ

F東京

0 - 1
0 前半 0
0 後半 1

大宮

  • 90+3' 長谷川 悠
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 20 権田 修一
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 29 吉本 一謙
DF 6 太田 宏介
MF 4 高橋 秀人
MF 7 米本 拓司
MF 38 東 慶悟
FW 9 渡邉 千真
62'
FW 13 平山 相太
MF 14 武藤 嘉紀
86'

控えメンバー

GK 1 塩田 仁史
DF 5 加賀 健一
DF 33 椋原 健太
DF 50 松田 陸
MF 8 三田 啓貴
FW 11 エドゥー
86'
FW 17 河野 広貴
62'

監督

スターティングメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 14 中村 北斗
MF 41 家長 昭博
MF 34 片岡 洋介
MF 18 横山 知伸
MF 38 増田 誓志
85'
FW 28 富山 貴光
64'
FW 11 ズラタン
16'

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 3 福田 俊介
DF 30 渡部 大輔
MF 4 橋本 晃司
MF 9 チョ ヨンチョル
64'
MF 10 渡邉 大剛
85'
FW 32 長谷川 悠
16'

監督

試合詳細
14 シュート 9
5 GK 14
8 CK 4
19 直接FK 14
4 間接FK 0
0 PK 0
試合データ

主審

扇谷 健司

副審

山口 博司

副審

相葉 忠臣

第4の審判員

堀越 雅弘

入場者数

23,722人

天候

曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝、水含み

気温/湿度

13.2℃/70%
終了間際の歓喜!長谷川が劇的弾をゲット!
苦しい戦いが続く。リーグ戦では7試合、ヤマザキナビスコカップも含めると9試合連続で、勝利から見放されている。
 
前々節から3バックを採用している。今節も同様のシステムで挑むが、選手の配置には変化がある。今季はボランチをメインポジションとしてきた片岡が最終ラインへ下がり、菊地、高橋と3バックを形成する。アウトサイドは右が今井、左は中村で、増田と横山がダブルボランチを組む。前線の並びは過去2試合と変わらず、1トップのズラタンと家長&富山の2シャドーだ。「選手の個性や守備の安定など、総合的に判断した」と大熊監督は説明する。

アウェイにもかかわらず、試合前からアルディージャのファン・サポーターの声援が響く。勝利から長く遠ざかっているものの、システム変更後は2試合連続ドロー、つまり勝点は稼いでいる。今日こそ勝利をつかみとる!
 
歓喜の瞬間は、後半アディショナルタイムに訪れた。90+3分、江角のパントキックを長谷川が相手DFに競り勝ち、すぐさま右足を振り抜く。サイドネットに突き刺さった一撃が、アルディージャに勝利を呼び込んだ。
 
ドラマティックな幕切れは、決して幸運に恵まれたものではない。勝利は必然と言っていいものだった。

キックオフからチーム全員がタスクを果たし、アルディージャはFC東京に好機を与えない。16分には2試合連続得点中のズラタンがケガでピッチを去るが、突然のアクシデントにもチームに動揺はないのだ。「前半の守備については、やりたいことがほぼ完璧にできた」と、大熊監督も振り返っている。
 
相手ゴールにも迫った。19分、スローインを受けた富山が、思い切り良く右足ミドルを浴びせる。20分にはCKの流れから、菊地のシュートが相手GKを急襲する。26分にも左サイドからカットインした中村が、右足で鋭くゴールを脅かした。

0対0で迎えた後半、ホームのFC東京が攻勢を仕掛けてくる。ディフェンスの時間が前半以上に長くなるものの、アルディージャは高い集中力を保つ。片岡、菊地、高橋の3バックを中心に相手の攻撃を跳ね返し、69分には至近距離からの一撃をGK江角が阻止する。
 
自陣に押し止められながらも、得点奪取の意欲はチームに息づいていた。84分、家長がドリブルで持ち出し、そのままフィニッシュへつなげる。CKを連続して獲得した86分には、菊地がヘディングシュートを浴びせた。少ない好機を生かそうという意欲が、90+3分の決勝弾につながったのである。

「厳しい時間帯が続くなかで、みんなが身体を張っていた。だからこそ、ワンチャンスをモノにできたのだと思う」と話したのは富山だ。試合後の大熊監督も、「長谷川だけでなく、チーム全体で取った得点。みんなが頑張ったことへの御褒美のようなゴール」と、チーム全体のハードワークを讃えた。
 
長いトンネルから抜け出したアルディージャだが、選手たちはすぐに前を向く。キャプテンの菊地は、「勝ったことは素直に嬉しいですけど、そんなに喜べません」と切り出した。「後半は守備の時間がほとんどで、ボールを取ったら自分も含めてもうちょっと余裕を持って前の選手につなげないと」と課題をあげる。試合後の記者会見で大熊監督に評価された増田も、「今日の僕は何もできていません。守備をするだけじゃなく、もっと前へ出て行くのが仕事。チームとしても、リトリート(退陣)しながら前へ出ていく気持ちは前節のほうがあった」と話している。

価値あるセーブを連発した江角もまた、「失点ゼロを収穫としてダービーへつなげたい」と表情を引き締める。試合後の選手たちがシビアなコメントを残したのは、内容的に突き詰める部分があるからであり、中3日でさいたまダービーを迎えるからだろう。勝利に酔いしれることを拒む選手の姿勢が、いまはとても頼もしい。

(総評:戸塚啓/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 大熊 清
いつも言っていることですが、「気迫のこもった試合をしよう」と、選手を送り出しました。ケガ人が出たことを含めて、非常に苦しい時間が長かったのですが、サッカーは不思議なところがあり、そういう気迫を持っているからなのか、相手のシュートが外れてくれたりして、どうにか我慢しながら勝ちを手繰り寄せることができたことは本当に良かったです。これまでは、先発選手と控え選手の役割・仕事が結果につながりませんでしたが、今日は急きょ負傷者が発生したにもかかわらず、控えの選手がかみ合った仕事をしたことが、チームとしては良かったです。今後も、控えの選手も100%以上の力を出し切って、今日のような試合をしていくことが、選手を育て、チームを育てることになると思うので、次の試合も精一杯頑張りたいと思います。

Q:8試合ぶりの勝利であり、仙台戦以来の無失点試合ということになりましたが。
今日のような(無失点での勝利)こともあるかもしれませんが、J1はそんなに甘くはありません。もともとこのチームを引き受けた時から、サッカーにまぐれはないということを考えれば、力不足の面があることは分かっていましたし、チームの背骨ができなかったり、中心選手がなかなかフィットしなかったので、そういう(勝利や無失点試合から遠ざかる)ことも考えられたと思います。ただ、ヤマザキナビスコカップを含めて試合を重ねていく中で、新加入の選手やチームとしての骨格というものが出てきました。また、増田がこれまで大宮にはなかった時間を作ってくれる選手なので、彼のプレーがチームに浸透して、その影響が少しずつピッチに現れてきたのかなと思っています。それでも、勝利をつかむのは簡単なことではありませんし、即効薬のようなものはないと思いますが、今言ったように力が付いてきた部分はあると思います。ただ、様々なタイプのチームがありますし、大宮のことを研究してくるでしょうから甘い試合は続かないはずです。今後も1試合1試合大事に戦っていきます。

Q:ズラタン選手の負傷具合について教えて下さい。
自分から交代を訴えたので、当面の間は難しいと思っています。1週間で復帰するなどはないと思いますが、(現時点で)正確には把握していません。

Q:長年携わってきたFC東京と試合をするにあたって、どういう思いで臨んだのか。そして、試合を終えての心境を聞かせて下さい。
正直、現在は自分にあまり余裕がなくて、FC東京と戦うにあたっての感慨深さというものはありませんでしたし、とにかく大宮のファン・サポーターの皆さんに勝点3を届けることしか考えていませんでしたが、いざ味スタに来ると、独特の雰囲気がありますし、慣れた部分、分かっている部分も色々とあります。ただ、(FC東京時代に)指導した選手もいたので、どうにかして良い試合をすることで、こちらも頑張っているぞということを伝えたかったという思いはありました。
選手コメント
FW 32 長谷川 悠
Q:ズラタン選手に代わって急な出場だったと思いますが、どこを意識してプレーしましたか?
1トップでかなり引いているので、守備の時は追いかけるポイントを決めて走り出すこと。(相手のビルドアップ時は)どうしても1対3になるのでキツいのですが、それでもボールを追うこと、そしてクリアボールを拾うことを意識して入りました。

Q:途中出場で気持ちの面ではいかがでしたか?
気持ちの面では、(急な途中出場は)あることなので、いつも通りに入るようには心掛けていました。

Q:そして最後、見事にゴールを決めましたね。
最後の最後だったんですけど、ゴールでチャラにできました。FWとしてはチームに迷惑をかけていた分、ゴールで取り返せて良かったです。

Q:今季初ゴールとなりましたが、いかがでしたか?
点を取れれば自分のプレーも上がってきますし、プレーの時間という意味でも、久々に長い時間出ることができました。この勝利と、この1点が次につながればいいと思いますし、自分のプレーをもっと上げていければと思います。

Q:次はさいたまダービーです。意気込みをお願いします。
相手は良いチームで順位も上ですが、ダービーは順位に関係なく勝ちに行かないといけない試合です。試合間隔は短いですが、連戦を良い形で終われるように頑張ります。
MF 14 中村 北斗
率直に勝てたことがとてもうれしいです。

Q:古巣のFC東京との戦いでしたが、どのような気持ちで臨みましたか?
変な気分でした。いつもホームでやっていたスタジアムで、相手側(アウェイ)にいるだけでしたから、アウェイの感じはあまりしなかったです。いつも通りやりやすかったです。

Q:3バックが定着してきましたが、その手応えはいかがですか?
まだまだ詰めていかないといけないことはいっぱいありますが、今は結果を求めてこのシステムをやっていると思いますので、最終的に結果が出たことは一番良かったことです。反省点などはビデオを見てみんなで突き詰めていきたいと思います。

Q:中村選手自身が意識していることは?
僕自身はサイドでリズムを作って、ゆっくりと自分のところで落ち着かせるようなプレーをできれば、もう少し幅を使えるのかなと思っています。今日もそれを意識してやりました。

Q:次節はさいたまダービーとなります。意気込みをお願いします。
初めてのダービーなので、試合に出ればいつも以上に頑張らないといけません。自分のためにも、サポーターのためにも、頑張りたいです。
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