Jリーグ ディビジョン1 第14節
2014.5.17 [SAT] 15:00 ベアスタ

鳥栖

  • 83' 豊田 陽平
1 - 1
0 前半 0
1 後半 1

大宮

  • 48' 長谷川 悠
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 33 林 彰洋
DF 15 丹羽 竜平
DF 2 キム ミンヒョク
DF 20 呂 成海
DF 13 安田 理大
MF 8 水沼 宏太
MF 6 岡本 知剛
68'
MF 14 藤田 直之
MF 10 金 民友
FW 22 池田 圭
71'
FW 11 豊田 陽平

控えメンバー

GK 21 藤嶋 栄介
DF 5 坂井 達弥
MF 16 崔 誠根
MF 25 早坂 良太
MF 28 高橋 義希
68'
MF 29 谷口 博之
71'
FW 9 播戸 竜二

監督

スターティングメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 14 中村 北斗
90'
MF 10 渡邉 大剛
DF 34 片岡 洋介
MF 38 増田 誓志
86'
MF 41 家長 昭博
FW 28 富山 貴光
77'
FW 32 長谷川 悠

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 3 福田 俊介
90'
DF 30 渡部 大輔
MF 4 橋本 晃司
MF 9 チョ ヨンチョル
77'
MF 23 金澤 慎
86'
FW 20 ラドンチッチ

監督

試合詳細
14 シュート 11
9 GK 16
4 CK 6
14 直接FK 14
2 間接FK 3
1 PK 0
試合データ

主審

井上 知大

副審

西尾 英朗

副審

竹田 明弘

第4の審判員

村田 裕介

入場者数

11,339人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

25.2℃/34%
攻撃力に復調の兆し。敵地から勝点を持ち帰る
J1リーグ戦は第14節を終えると、6月はW杯開催期間となるため中断に入る。公式戦ではヤマザキナビスコカップがあるが、リーグ戦は中断期間前最後の試合だ。17位と苦しんでいるアルディージャとしては、浮上のきっかけをつかみたい一戦となる。大熊監督は、首位に立つ鳥栖とのアウェイゲームで一つの挑戦に出た。直近4試合で続けていた3バックから4バックに戻し、前線を2トップにして攻守にアグレッシブな姿勢を打ち出した。人数をかけて自陣のスペースを埋めるのではなく、ボールを積極的に奪いに行くシステムへの変更だ。

攻め合う形になったため、8分にクロスバーに助けられた場面があるなどピンチもあったが、全体の押し上げが機能した効果は、攻撃面でハッキリと見てとれた。35分にはボールを奪った左DF中村が突破を図り、こぼれ球を前に運んだ家長のクロスを長谷川がヘディングで狙うというスピード感のあるショートカウンターが見られた。中村は「サイドバックが高い位置に出てプレッシャーをかければ、インターセプトして前に出ていく攻撃ができる。トミ(富山選手)のポジションも前を向いてプレーできるし、みんなやり易かったと思う」と攻撃活性化の手ごたえを明かした。

そして後半の立ち上がり、富山がドリブルで仕掛けて左サイドへ展開すると、家長のクロスを長谷川がヘディングシュート。クロスバーに当たりながらもゴールを割り、アルディージャが先制に成功した。62分には、片岡の縦パスに増田が顔を出し、こぼれ球を高橋がカバーするシーンがあったが、この時間帯にはフィールドの10人が全員、敵陣に押し込むことができていた。ただし、その後の戦い方には課題が残った。よりシンプルにロングボールを前線に送り、豊田が競った後のセカンドボールを拾う攻撃を強めた鳥栖に押し込まれ続けたからだ。71分には谷口も前線に投入され、ツインタワーに苦しめられた。そして、83分に自陣ペナルティエリア内でファウルを取られてPKを献上。一度はGK江角が止めてみせたが、キッカーの豊田にこぼれ球を押し込まれた。終盤は、猛攻に出た鳥栖を食い止めるのが精一杯となり、試合は1-1で引分けに終わった。相手がパワープレーに出る中での駆け引きが、結果的に機能しなかった点は課題となった。

渡邉が「相手のファーストディフェンスは速かったけど、連動している感じじゃなかった。動き直せば、前に運んで行ける手ごたえはあった。それを全体でできるかどうかで前につなげるかどうかが決まる」と改善案を話したように、ボールが激しく行き交う中でカウンターのチャンスはあったが、ボールを保持して相手のバランスを崩す余裕がなかった。ただ、課題は残るものの、この数試合は守備重視で攻撃の形を作れていなかっただけに、攻撃活性化の手ごたえを得たことは、今後につながるはずだ。家長は「勝点を積むことができていないが、監督が布陣や選手を変えながらやってきたことを後半戦につなげられるように、中断期間や今後の試合に臨みたい。残留争いではなくて、当初の目標をもう一度確認して臨みたい」と後半戦での浮上を誓った。次の公式戦は、中3日で臨むヤマザキナビスコカップの名古屋戦。攻撃力のさらなる向上、控え選手の台頭なども含め、カップ戦で結果を出し、後半戦を楽しみにしてもらえる試合を期待したい。

(総評:平野貴也/写真:山田勉)

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監督コメント
監督 大熊 清
ズラタンのケガなどもあり、前節から役割を変えた中で選手たちは前向きにゴールに向かってくれたという印象があります。ただ、単純に中盤を削除して蹴られたときに、途中から出たヨンチョルも含めてもう少し追加点を決め切る力がないといけないと思います。PKの判定については後で見てみないと分かりませんが、こういった展開になってしまうこともあるので、もう一つ力を蓄えて、『追加点を取る』という力を付けることが大事になります。守備に関しては代わった選手もチームとして目指したことを福田を含めてやってくれたと思います。そういう意味では、高さのあるチームは他にもありますので、今後もやっていけるという手応えは持ちました。今後は、ヤマザキナビスコカップを含めて、公式試合の出場歴が少ない福田らに経験を積ませて、選手層も厚くしていかなければならないのだろうと感じました。

Q:前節までより攻撃的になっていたと思います。
役割を変える前は、前線からプレッシャーをかけない役割でやっていましたが、今回はボールの出所へプレッシャーをかける役割でいったところが大きな違いだと思います。(鳥栖は)もともと長いボールを使うチームだったので、ロングボールを待ち受けるのか、ボールの出所を消しにいくのかという意味では、出所へ勇気を持って消しに行きながらという部分はできたと感じます。ただ、やはり単純に長いボールを蹴られた時にディフェンスラインが下がらざるを得ないというところもありましたし、これだけディフェンスラインから蹴られると、なかなか守備の部分ではラインを上げることが難しかったと思います。とはいえ、もう少しこまめさを出して、ラインを全体的に上げること、それと取ったボールを確実にフィニッシュに結び付ければ、ラインは上げられるし、鳥栖以外にも高さを生かすチームはありますので、今後はこの経験を生かすことが大事です。いずれにせよ、相手に圧力をかけたことが攻撃のアクションで、前に行けた理由だと思います。

Q:中断期間前最後のリーグ戦を終えて17位。今後は、どう修正していきますか。
得点という意味で後手を踏んでいるところがあり、これまでは先取点を取れずに前がかりになって、そこでまた失点してしまうところがありました。そこで一時期、『全員が90分、前を向ける守備』という役割へ変えました。役割を変えてパターンが増えたという部分はありますし、そこはポジティブに捉えたいです。相手にも様々なタイプのチームがいるので、今後は相手の特長で対策を練りながら戦っていくことが必要でしょう。自分たちのやることもはっきりさせなければいけませんが、システムとかではなくて、ボールを奪うところや攻守のバランス、全員で奪って全員で攻撃するというところはブレずにやっていかなければなりません。その中で、役割を多少微調整する必要があるでしょう。先取点を取っても結果が出ない以上、そこは考えていかなければなりません。また、継続的に守備を安定させることを含めて、選手層を厚くすることなど、ヤマザキナビスコカップなどを通じて取り組んでいきます。

Q:最後にいつものようにパワープレーに出なかった理由を教えて下さい。チームとしてどのような狙いがあったのでしょうか。
そこは微妙なところでしたが、得点を決められてしまうリスクもありますので、セットプレーやワンチャンスを探っていました。そこを拾えなかったり、頑張ってフリーキックなどを鳥栖のように拾えればという狙いもあったので、ヨンチョルを投入したのもその意図からでした。先ほども言いましたが、もう少し前線で起点になることや個人で人を剥がすプレーを期待したのですが、うまくいきませんでした。相手もディフェンスラインに枚数はそこまで残していなかったので、コンビネーションや個で相手を剥がすところが出せなかった分、そう(セットプレーやワンチャンスを探っているように)見えなかったのかと思います。富山も悪くない中で交代させたのはそういった意図からでした。
選手コメント
FW 32 長谷川 悠
試合の入りから最後の時間まで、長い時間相手がパワープレーをしてきましたが、結果的にうまく防ぎ切れなくて残念でした。ですが、自分も点を取れたので、次につなげていきたいと思います。

Q:先制点を振り返って下さい。
先制点を挙げる前に一回ヘディングシュートがあったのですが、そちらの方が形的には良いボールが来ていたましたが、外してしまいました。2回目にまた良いボールが来て、そこはしっかり決められて良かったのですが、2点決められればもっと良かったと思います。

Q:鳥栖戦に臨むにあたって意識したことを教えて下さい。
相手は(長い)ボールを蹴ってくるので、こちらがプレスをかけにいくというか、向こうは中盤がほとんどないので、そこをうまく対応できればと思っていたのですが、うまく蹴られてしまったのでそこは残念でした。

Q:攻撃のシーンも増えたと思います。
前節より皆が前にポジションを取っていたし、距離感も良かったので、攻撃に出られる回数が多かったと思います。

Q:リーグ戦はこれで中断となりますが、ここまでの14試合を振り返って下さい。
満足できませんし、このメンバーでこの順位というのは情けないです。中断期間をうまく利用して、チームを立て直して、上位に行けるように頑張ります。

Q:中断期間中もヤマザキナビスコカップはあります。
まだ(予選リーグ突破の)可能性はありますし、中断期間明けのリーグ戦につながるようにチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。
MF 41 家長 昭博
先制点を取れたのですが、最後にパワープレーで追いつかれてしまい、残念でした。

Q:システムを以前の状態に戻しましたね。
システムは監督が決めることですし、僕らは指示に従ってやるだけです。どちらでも問題ありません。

Q:手応えの面ではいかがでしょうか。
良いところも悪いところもありましたが、次につなげたいと思います。

Q:見事なアシストも決めました。
いい形でボールを取れたので、そのままいいゴールにつながったのかな、と思います。

Q:高い位置でプレーしてチャンスも演出していました。
今日はFWに近い位置だったので、必然的に前で攻撃する回数が増えました。

Q:リーグ戦は中断しますが、ここまでを振り返って下さい。
あまり良い結果は得られませんでしたが、しっかり皆で我慢して中断期間までやってくることができました。個人的にもチームとしても中断期間を生かして向上しないといけませんし、後半戦は勝点を積み重ねていけるように修正していきたいと思います。

Q:ヤマザキナビスコカップはどのように戦っていきたいですか。
まだ決勝トーナメントに行けるチャンスはあるので、一戦一戦しっかりと戦って、新たなチャレンジができるようにやりたいですし、ファン・サポーターの皆さんも応援に来てくれると思いますので、勝利をお見せしたいです。
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