NEWS

ニュース

伊藤彰監督 就任記者会見レポート
 5月29日(月)15時より、クラブハウス“オレンジキューブ”にて「伊藤彰監督 就任記者会見」を行いました。

 記者会見には、森正志 代表取締役社長、松本大樹 強化本部長、トップチームの新監督に就任した伊藤彰 監督が登壇し、監督交代に至った経緯や、今後の目標についてお話ししました。

 3名の挨拶が終わった後の質疑応答では、「選手たちには運動量を多くしてハードワークするなど、練習から試合と同じレベルを求めると伝えた」と伊藤監督が話すなど、まずは現実的な目標であるJ1残留に向けて、クラブ一丸となって戦っていく姿勢をお伝えました。


■記者会見動画(登壇者挨拶)


■記者会見動画(質疑応答)


■記者会見全文

森社長(以下、敬称略) 「クラブの目標に対して勝点が積み上げられない状況の中、もう少しでシーズン前半戦を終えようとしています。ここで後半戦を見据えた際に、新しい大宮アルディージャで戦いたいということで監督交代の判断をしました。渋谷前監督はクラブへの思いを強く持ち、J2優勝、J1最高順位という功績を残すなど大宮アルディージャを強く引っ張っていただいた方ですから、本当に感謝していますし、非常に残念で、苦渋の決断でした。ただ、クラブとして成長を続けていくためにも、何としてもJ1に残留しなければなりませんので、これから一丸となって戦っていければと思います。伊藤新監督も選手として、育成部門で、また、昨年からはトップチームのコーチとして長くクラブに携わっている方ですし、必ずや力を発揮してくれると信じています。J1残留に向けて、クラブとしてあらゆる手を尽くして全力で戦いたいと思います。」

松本強化本部長(以下、敬称略) 「今回の監督交代に関しては、現場責任者としてファン・サポーターの皆さまをはじめ、大宮アルディージャを支えてくれている全ての方々に申し訳なく思いますし、私も責任を感じています。渋谷前監督とは2014年途中に一緒にスタートし、大宮を残留争いではなく、J1の上位で戦えるチームにしようと二人で頑張ってきました。ただ、現在の結果を受け、このままズルズルいくわけにはいかないということで、今回の決断を行いました。今後に向けては、まずは下位から脱出し、J1残留に向けて勝点36以上を目指します。今シーズンの状況を考慮すると、残留ラインはもう少し下になるのではないかと考えていますが、我々は2014年に勝点35で勝点1足りず、J2に降格しています。ですから、今朝のミーティングで、まずは勝点36を目指し、そこから1つでも上へ行こうと選手たちに伝えました。」

伊藤監督(以下、敬称略) 「松本強化本部長からもありましたが、まずはJ1残留を目指します。そのためには勝点36、勝敗としてはリーグ戦残り21試合で8勝5分8敗という成績を残す必要があると思います。まずは残留を決めて、そこから一つひとつ上を目指していきたいと思います。選手には普段の練習から厳しく、アグレッシブに戦うことを求めますし、それをベースにトレーニングを積み上げ、試合で良い結果を残せるチームにしたいと思います。」


■質疑応答

――監督解任の理由と、伊藤監督に依頼した理由は何ですか。
森 「この世界、勝つことが大事です。試合に勝つことを考えた上で、その一つの方策として決断しました。総合的に判断し伊藤監督に託しました。」

松本 「解任の理由は成績不振です。渋谷前監督とは一試合一試合が終わるごとに話し合い、課題の修正に取り組んできましたが、失点が多く、得点が取れないという状況で、選手のメンタル面も含めて総合的に決断しました。
伊藤監督にお願いした理由は、残り21試合で8勝5分8敗以上の成績を達成する必要がある中で、誰であれば下位から這い上がっていけるかを考えた上での判断です。伊藤監督は戦術に長けてますし、選手からの信頼もあります。また、一番の決め手ではありませんが埼玉県出身ですし、大宮アルディージャがプロ化してから初めての選手出身監督となります。それらは、あくまでプラスアルファのところですが、上に上がっていくために伊藤監督が必要だと考えました。」

――ユースでは攻撃的なスタイルでしたが、どんなサッカーを目指しますか。
伊藤 「勝点を積み重ねていくことを考える上で、引分け狙いでは積み上げられません。今をベースに攻撃的なサッカーをやりたいです。ユースを率いていた際のサッカーもトップチームのサッカーも、基本的なベースは大宮のスタイルとして変わりません。もちろん細かな部分は修正を加えますが、今までの戦いをベースに、より攻撃的にいきたいと思います。」

――今日の練習の雰囲気から手応えを感じましたか。
伊藤 「はい。選手たちは、やる気に満ちていましたし、「やろう」「勝とう」という意思を感じた一日でした。今後はプレーのクオリティーやハードワークという部分を、もっと向上させていかなければと考えています。」

――ここまでの試合で、勝ち切れていない理由を、どう見ていますか。
伊藤 「開幕戦や続くFC東京戦では、やりたいサッカーを表現できていたと思いますが、残念ながら点を取って勝ち切ることができませんでした。3節以降は、シュート数、アタッキングサードに入っていく回数などが、結果に表れていたと思います。今後はしっかりと点を取るために、よりアグレッシブに戦う必要があると思います。」

――戦力面は、どのようにお考えですか。いずれにせよ、夏の補強までは現有戦力で戦う以外はありませんが。
松本 「攻撃の核となる家長選手や泉澤選手の移籍があったとはいえ、クラブとしては希望していた選手を獲得することができ、スタートできたと考えています。ただ、正直な思いとしては、ケガ人が多く出てしまいました。さらに、結果が出ないことで、選手たちのメンタルも上がり切らなかったということも要因の一つとして感じています。選手たちはハードワークをしてくれていますが、私たち強化本部を含めて全体を見る、マネジメントするということが欠けていたのかなと感じています。夏にウインドーが開く期間があります。補強に関しては、私が強化責任者になって以降、2015年、2016年と、シーズン途中での選手獲得は行ってきませんでした。「大宮は夏の補強で選手を獲得し、最終的に何とかJ1残留を果たす」という皆さんのイメージを、払拭したいという思いがありました。ですが、獲得候補選手のリストは常に用意していますし、夏の移籍時期に向けて準備もしています。」

伊藤 「補強については、これから考えますが、私自身としては現有戦力でも戦えると思っています。クオリティーの高い選手がいます。今の選手たちを、どのように組み合わせ、グループとしてやっていけるかを考えながら、しっかりと競争させ、常にベストな選手が試合に出られる状況を作りたいと思います。」

――監督交代が、このタイミングになった理由は何でしょうか。
松本 「何節の時点で何勝何敗ならば交代という決まりもありませんし、私のところで総合的に判断をしましたが、一試合一試合見ていく中で、正直なところ0-3のC大阪戦、そして2-4の柏戦を受け、組織的にも、また、選手のハードワークなどを考慮して判断しました。私としては、監督交代や選手補強で乗り切りたくないという思いがあったので非常に悩みましたが、組織的に守れず失点が多く、得点が少ない状況で、これ以上は厳しいと判断しました。」

――就任3日目でルヴァンカップを迎えます。ノックアウトステージ進出の可能性がない中で、この試合を、どのようにとらえていますか。
伊藤 「ノックアウトステージには進めませんが、すぐ週末にリーグ戦の鳥栖戦がありますので、しっかりと調整していきたいと思います。ただ、一つひとつのゲーム、我々にとって捨てていい試合はありませんし、結果を残さないといけません。水曜日の磐田戦は、これから飛躍し、ステップアップするための試合にしたいと思います。」

――若い選手たちの練習回数を増やす考えはありますか。
伊藤 「選手たちには、運動量を多くしてハードワークするなど、練習から試合と同じレベルを求めるということは今日伝えました。毎日のトレーニングではゲームと同じくらいの厳しさを求めてやっていきたいです。1部練習にするか、2部練習にするかは選手のコンディションもありますし、試合日程などの状況次第ですが、若手はまだまだ足りない部分があります。彼らは私がユースで見てきた選手でもありますので、特に厳しくやりたいと思っています。」

――海本ヘッドコーチ、奥野コーチに期待することは。
伊藤 「奥野コーチは育成から招聘しました。海本ヘッドコーチは昨シーズンから一緒にやってきました。彼らは現役時代から守備のスペシャリストです。二人がタッグを組んで失点の多い現状を修正すべく、守備の構築をしてほしいと考えています。私は現役時代、攻撃的な選手でしたし、攻撃的なチームを作っていきたいですが、Jリーグでは攻撃だけでは勝ち切れないと思いますので、二人が組んで守備の構築してもらいたいです。」

――メンバー選考に関しては、どのようにお考えですか。
伊藤 「まずはフラットに考えたいです。私はこれまでより一歩引いた視点から、選手たちの本当の姿を見たいと思います。その上で、試合ごとにベストな11人を選びたいと思います。」

――火中の栗を拾う状況だと思いますが、監督を引き受けた理由を教えてください。
伊藤 「私は埼玉出身で、埼玉にJ1クラブがあることを誇らしく感じていますし、大宮アルディージャを絶対に降格させたくないという思いがあります。クラブをJ1に残す。他の監督で難しいと思う方もいるかもしれません。簡単な仕事ではありませんが、チャレンジする意義があると感じていますので、自分のためではなく、クラブのためにしっかり取り組んでいきたいと思います。」

――影響を受けた監督はいますか。
伊藤 「グアルディオラ監督です。すごく影響を受けています。ユースで監督をしていたときも、自分で判断しながらチーム作りをしてきたつもりです。素晴らしい監督はたくさんいますが、彼に影響を受けた理由は、より攻撃的なサッカーが好きだからです。」

――特に期待する選手はいますか。
伊藤 「自分の中で本当にフラットなので、全ての選手に期待しています。ただ、伸びてほしい、もっともっとやってほしいのは、若手の選手たちです。若手がベテランや中堅の選手、レギュラーで試合に出ている中心選手を脅かす存在になることが、チームを一つレベルアップさせることにつながります。全ての選手にチャンスがありますし、期待しています。」
  • チーム

FOLLOW US

パートナーバナー

アーカイブ