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前節のヴァンフォーレ甲府戦、ひさしぶりの無失点勝利を意味する試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、志村滉の胸にこみ上げてきたのは喜びと安堵だった。
「最初は素直に勝利の喜びがきて、そのあとにやっぱりGKなので、無失点で抑えられたうれしさがきました。0-0の引分けはありましたが、勝ちとなると……ほぼ3カ月ぶりじゃないですか。勝ちと引分けではまったく違うので、すごくうれしかったですね」
しかし、その表情はすぐに引き締まった。これまでに繰り返してきたふがいない敗戦と、大宮アルディージャが置かれた厳しい状況を思い浮かべたからだろう。次の試合に勝たなければ、快勝の意味がなくなってしまう。
それでも、13試合ぶりのクリーンシートでの勝利には確かな手応えを感じ、希望を見いだしている。
「(新里)亮くんと(袴田)裕太郎が踏ん張ってくれて、それに刺激を受けました、僕もフィールドの選手たちにいい影響を与えられたと思います。甲府戦はいつもより全員が話し合っていて、ミスに対して『締めろよ!』と厳しい声が飛ぶなど、声が出ている印象がありました。後ろから見ていてやられる気がしませんでしたし、いい緊張感のなか守り抜いてゼロで抑えられたので、自信になりました。チームとしても大きかったと思います」
志村自身、これだけコンスタントに試合に絡むのは、2015年にジュビロ磐田でプロキャリアをスタートさせて以降、初めてのことだ。過去に在籍した4チームでは、いずれもレギュラーと呼ばれる存在にはなれなかった。常に出場機会を伺う立場にいた。
大宮で試合に出続けて、気づいたことがある。
「これまでは、毎日の練習に全力で取り組むだけでした。それがいまは試合に向けたサイクルのなかで物事を考え、練習できています。前の試合で良くなかった部分を直しつつ、良かったところを継続する。そういった積み重ねができることが楽しいというか。試合に絡めるベースがあって、そのうえで自分のパフォーマンスとかチームの出来、勝敗について考えられる。そこが、これまでとは違って一番充実しているところだと思います」
もちろん、満足などしていない。「僕個人の充実より、チームが結果を出すことのほうが大事ですから」と語り、「皆さんには勝って帰ってもらいたいので」とファン・サポーターへ思いを馳せる。大宮でレギュラーとなった守護神の視線は、ホームでの大分トリニータ戦の勝利をしっかりと見据えている。
(粕川 哲男)
前節の甲府戦は会心の勝利だった。
開始早々に富山が先制し、前半のうちに追加点を奪い、試合をコントロールしながら袴田がダメ押しのゴールを奪った。後半は押し込まれる時間帯もあったが、全員が集中を切らさず、第21節の秋田戦以来13試合ぶりの“クリーンシートでの勝利”を成し遂げた。3点差をつけての白星は今季初。それまでの7勝はすべて1点差だったことを思うと、今季一番の出来と言ってもいいだろう。
今節も、あのすばらしいパフォーマンスを続けたい。良い流れを切りたくない。
下位から抜け出せていない今季は、何度も中位進出のチャンスを逃がしている。第30節で首位の横浜FCに競り勝ち、今季4度目の降格圏脱出に成功してからも、21位以下との勝点差を思うように広げられていない。第31節で仙台も退け連勝したときは勝点差を「4」としたが、その後は連敗により「1」が続き、現在21位の群馬との勝点差は「2」だ。消化試合数に差があるとはいえ、一つの勝敗で順位が入れ替わる緊迫した展開が続いており、少しも安心できない。
大分は前線のサムエルと2シャドーがボールを収め、両サイドが積極的な攻め上がりを見せ、ペレイラが中心の3バックが3試合連続1-0勝利の堅守を誇る。この相手にホームで結果を残し、今度こそ勢いを加速させたい。
(粕川 哲男)
大宮アルディージャ | 大分トリニータ | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ゴール | アシスト | ゴール | アシスト | ||||
富山 貴光 | 7 | 柴山 昌也 | 7 | 呉屋 大翔 | 7 | 藤本 一輝 | 5 |
河田 篤秀 | 7 | 矢島 慎也 | 4 | 長沢 駿 | 6 | 下田 北斗 | 4 |
矢島 慎也 | 4 | 小島 幹敏 | 3 | サムエル | 5 | 町田 也真人 | 3 |
菊地 俊介 | 4 | 河田 篤秀 | 3 | 中川 寛斗 | 4 | 三竿 雄斗 | 2 |
新里 亮 他3名 | 2 | 茂木 力也 他1名 | 2 | 渡邉 新太 他1名 | 4 | 小林 裕紀 他2名 | 2 |
昨季J1残留争いに敗れ4年ぶりにJ2へとステージを移した今季は、プレシーズンからアクシデント続きだ。昨年天皇杯を決勝まで勝ち上がったことで準備期間が短かった上に、キャンプイン当日未明に大地震に見舞われて予定が狂ったまま、開幕と同時にルヴァンカップを含めた長期連戦がスタート。コロナ禍にも影響されつつ11連戦、9連戦、7連戦と息つく間もなく試合をこなし、負傷者も多発するなかで、今季から指揮を執る下平監督の戦術も思うようには浸透しなかった。
連戦が一息ついたシーズン折り返し近くからようやくチームのベースを整えると、後半戦はここまで7勝6分1敗。勝点を積むペースを上げ、一時はJ3降格圏にまで落としていた順位をJ1参入プレーオフ圏へと浮上させている。
第33節からは3連勝中で、スコアはいずれも1-0だが、攻守両面で練度を高めた手ごたえが感じられる。メンバーを定められずにいた前半戦の逆境が結果的にチームの総合力向上にもつながった。8月には13年ぶりの復帰となった金崎が加入し、勢いを加速させている。
前節から中3日でアウェイ戦に臨む今節、復調しつつある大宮との対峙においてもそれを表現できるか。勝ち切れなかった前回対戦のリベンジを期して、NACK5スタジアム大宮へと乗り込む。
(エル・ゴラッソ大分担当/ひぐらし ひなつ)
2007年に高卒ルーキーとして大分でデビューし、当時のシャムスカ監督に1.5列目で起用され才能を引き出された。その後、国内外のクラブを渡り歩くなかでプレースタイルを変化させ、13年ぶりに戻ってきたときには高い強度を誇るストライカーへと変貌。ボールを収めてゴールへと向かう姿は力強い。磨かれた勝負勘に豊富な経験を上乗せして、詰めの選択を間違えることなくチームを勝利へと導く。
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