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誰もが、苦しいシーズンを過ごしてきた。
プロ10年目の32歳。水戸ホーリーホックでJ2残留、ヴァンフォーレ甲府とジュビロ磐田でJ2降格、喜びから悔しさまで多くの経験を積み重ねてきた新里亮もまた、移籍1年目の大宮アルディージャで壁に当たり、悩み、考え、試行錯誤しながら必死に戦ってきた。
「なかなかうまくいかないなか、クラブが監督交代という決断をして、それでも結果を出せなかった。僕自身すごく責任を感じていましたし、腹をくくって、覚悟を決めて戦おうと気持ちを整理するのが難しかった。何を信じればいいのか、どうやって前を向けばいいのか。そういう部分が、すごく難しいシーズンでした」
それでも闘志が薄れることはなかった。どんなときもチームの勝利を最優先に体を張り、仲間たちに声をかけ、試合に勝つための準備に全力を注いできた。
「何年何カ月在籍できるか分からない、100%の忠誠心を持っていても残れるとは限らない。そういう現実のなか、全選手がこのチームのため、このクラブのためすべてを捧げるのは難しいかもしれません。ただ僕個人としては、チームから気持ちが離れるような振る舞いをすることは、人としてのプライドとか、生き方のポリシーに反するな、という思いがあるので」
若い選手たちは、そんな背番号17に引っ張られてきた。最終ラインの中央で不動の地位を築き、15試合連続フル出場を記録。キャリアハイとなる3得点も光る。しかし、本人の理想と現実は大きくかけ離れている。
「もっとできるというか、やってきたというか、だから手応えはまったく……ですね。シーズン途中までは自分のパフォーマンスが酷すぎて、チームに関して言及する資格がない、説得力がないと思ってましたから。点数をつけるとしたら、たぶん50点以下じゃないですか」
だからこそ、古巣が相手となるV・ファーレン長崎との最終戦に懸ける思いは強い。苦しかったシーズンの最後、求められるのは勝利だけ、という覚悟で戦いに挑む。
「勝点は42試合全部一緒で、どの試合も1試合の重みは変わらないと思ってやっているので、いつもと変わらず勝つために準備します。特別な感情というか、ほとんど知ってる選手なのでシンプルに負けたくないんですよね。もちろん、観に来てくれるのは苦しかった今シーズンに僕たちを支えてくれた人だと思うので、そういう方々が笑顔で終われるよう、来シーズンに期待を持てるよう、勝って終わりたいです」
(粕川 哲男)
第40節・山口戦の勝利により今季20位以上を確定させた大宮は、来季、6年連続でJ2リーグを戦うことが決まっている。「残留達成」というフレーズをJ2で使うことになるとは……との思いはあるものの、長かったJ1時代に染みついた感覚は、もう捨てるべきなのかもしれない。3年連続でプレーオフ出場圏から遠く離れ、過去最低順位も更新というのが、厳しいけれども現実なのだ。
長崎との最終節を前に選手たちに話を聞くと、決まって「今季の経験を来季へ生かしたい」との言葉が聞かれた。大宮の明日を思うのは、プロとしては当然の姿勢だと思う。その一方で、自身の契約、監督の去就、チームメートの顔ぶれも分からない状況で、そう言うしかない苦しさも感じた。振り返れば、昨季も、一昨季も同じだった。
J1昇格を口にできなくなった悔しさ、目標をJ2残留に修正する屈辱、満足いくパフォーマンスを発揮できない自分への苛立ち……。そのような複雑な思いを抱えながらも、いざピッチに立った選手たちにできることは、全力でプレーすることだけである。
選手たちは、ふがいないシーズンの最後をホームで戦えるありがたさを感じている。自分たちの聖地で、一緒に戦ってきてくれたファン・サポーターの前で意地を見せる。それが来季につながると信じている。
(粕川 哲男)
大宮アルディージャ | V・ファーレン長崎 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ゴール | アシスト | ゴール | アシスト | ||||
富山 貴光 | 8 | 柴山 昌也 | 8 | エジガル ジュニオ | 11 | クリスティアーノ | 5 |
河田 篤秀 | 7 | 小島 幹敏 | 5 | クリスティアーノ | 6 | 澤田 崇 | 4 |
中野 誠也 | 6 | 矢島 慎也 | 4 | 米田 隼也 | 4 | 都倉 賢 | 4 |
矢島 慎也 | 4 | 富山 貴光 | 3 | 山崎 亮平 | 4 | 加藤 聖 | 3 |
菊地 俊介 | 4 | 河田 篤秀 | 3 | 植中 朝日 | 4 | 加藤 大 | 3 |
昨季は4位に終わり、目標としていた昇格にわずかに届かず。その悔しさを晴らすために臨んだ今季だったが、前半戦終了時点で5位ながら自動昇格圏との差が9という状況も踏まえて、監督交代を決断。ブラジルの名門コリンチャンスでブラジル制覇も経験したカリーレ監督が就任した。監督交代に伴い、それまでの堅守速攻型からポゼッションスタイルへとチームは大きな舵を切った。しかし、シーズン途中での変更は産みの苦しみをもたらし、安定した戦いぶりを思うように発揮できなくなってしまう。昇格圏内との勝点差を縮めることができずに新型コロナウイルス陽性者が多発した8月以降は、2試合の試合延期とそれによる過密日程の影響もあり、成績も急降下。前節、山口に敗れて昇格プレーオフ圏内となる6位以内の可能性も消滅し、4連敗中と厳しい状況だ。
昇格という目標は絶たれたが、選手たちの気持ちは切れていない。「ずっと負けているし、最後は勝って終わりたい」(江川)。苦しい時期を過ごしているからこそ、勝利への希求はいつも以上に高まっている。NACK5スタジアム大宮では昨季、0-4という大敗を喫した苦い記憶もある。昨季の借りを返すために。そして、今季を笑顔で終えるために。カリーレ監督の下でトライしてきた攻撃的スタイルを結実させ、勝利をつかみ取る。
(エル・ゴラッソ長崎担当/杉山 文宣)
昨季まで所属した古巣との試合を前に高揚感を抑えきれないのが櫛引だ。「めちゃくちゃ好きなクラブだし、仲の良い選手も多い」と話す。加入1年目の今季は序盤こそ出場機会を得られなかったが、監督交代後は定位置を確保。持ち前の明るいキャラクターで最終ラインを引っ張っている。「お互いに昇格を争うような良い状態で戦いたかった」と悔しさも見せたが、かつての庭で変わらぬ全力プレーを見せる。
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