2023-24シーズン WEリーグカップ 開幕

VENTUS23-24シーズンが始まりました。柳井里奈 監督を新指揮官に迎え、網走でのキャンプで昨シーズンまでの土台にプラスアルファを積み上げた新生VENTUS。今シーズン最初の公式戦はホーム・NACK5スタジアムでのWEリーグカップ開幕戦でした。

 “開幕ごと”には馴染み深いINAC神戸レオネッサを相手に、VENTUSはラインを引くことなく積極的に攻め上がります。VENTUSのファーストシュートは左サイドに入った新加入の船木里奈 選手でした。遠目からではありましたが、思い切り振り抜いたシュートにスタジアムが沸きます。I神戸も先月のワールドカップを戦った代表組がメンバー外ではありましたが、スペインからの指揮官の元で新たなサッカーに取り組んでいるなか、受け身に回らずにタテへの仕掛け、ロングボール、サイド攻撃とあらゆる手でI神戸ゴールへ迫ります。

待望の先制点はVENTUS13分、右CKの流れから阪口萌乃 選手が戻し、フリーになっていた林みのり 選手が左足でGKの頭上を抜くゴールを決めます。34分には右サイドを上がった杉澤海星 選手のクロスボールに中で井上綾香 選手が合わせて追加点。さらにその3分後、有吉佐織 選手のロングフィードを完璧に足元でコントロールした仲田歩夢 選手が左足で弾丸シュートをゴール左上に突き刺し、前半を3点のリードで折り返します。

修正を施してきたI神戸が状況を立て直し、苦しい時間が続くVENTUS57分に一点を返されますが、ここで大きく崩れることなく踏みとどまったVENTUS守備陣がギリギリの攻防を続けます。柳井監督もフレッシュな選手を投入しつつの展開でしたが、アディショナルタイムに井上選手がとどめのゴールを沈めて、4-1VENTUSが勝利しました。4ゴール奪取も大きな収穫ですが、I神戸のシュートを4本に抑えたプレスも大きな自信となるはずです。

この試合、中盤で存在感を示していたのが、今季I神戸から来た阪口選手です。高いスキルはもとより、攻撃の起点となりました。ここから大いに得点に絡んでくれるであろう期待を持たせてくれる活躍でした。

(古巣ですから)負けたくないって思ってましたし、相手がどう来るのか楽しみでした。後追いにならないように引き過ぎず、ミドルからプレスをかけることが徹底できた」と阪口選手。I神戸の予想外のポジションにも冷静な対応を見せ、アシストもマーク。VENTUSとしてのお披露目となった試合で、古巣に勝利をおさめ、ホッとした表情を見せていました。

あらゆる準備をして臨んだこの一戦、キックオフ直前、柳井監督は「最後のところで身体張ればなんとかなるから! 」と選手の緊張をほぐして送り出しました。4分のアディショナルタイム中には高揚を抑えきれないベンチメンバーに落ち着くようにとゼスチャーする監督も笑顔が溢れていました。勝利の瞬間には力強いガッツポーズを見せた新指揮官。この初戦はチーム全体で掴んだという空気感がスタジアムを満たしていました。

2戦はアウェイ・ちふれASエルフェン埼玉戦。かねてから柳井監督は「カップ戦はメンバーを固めて戦うことはしない」と公言していたとおり、スタメンを乗松瑠華 選手、杉澤選手、阪口選手以外8名を入れ替えました。しかし11分、失点を喫します。VENTUSもゴール前まで迫る場面も作りますが、決めきることが出来ません。反撃したいVENTUSですが、80分にはオウンゴールでビハインドは2点に。苦しい展開を最後まで覆すことが出来ず、悔しい敗戦となりました。

一人でも多くの選手が実践を体感し、明確な課題と向き合うことが選手層を厚くする第一歩。誰に出場のチャンスが巡ってきても“連動”した攻守を出せるように一人ひとりがブラッシュアップしていけば、新しいVENTUSのスタイルが見いだせるはずです。カップ戦はまだまだ始まったばかり。第3節は10日に、前回大会の覇者である日テレ・東京ヴェルディベレーザをNACK5スタジアム大宮に迎えます。誰もが認める強敵ではありますが、ぜひ大きな声援で選手を後押ししてください!

FOLLOW US