あけましておめでとうございます!新年一発目は守備陣の代表として望月ありさ 選手、攻撃陣からは井上綾香 選手、そして切り札として活躍する大島暖菜 選手に書初めをしてもらいました。サッカー的、そして個人的な新年の誓いを立てた3選手。筆をとる際には、しっかりと全体のバランスを見ながら入魂の一筆を生み出してくれました。文字にも個性が出ていますよね?書初めに託された思いも含めてあらためて新年の抱負を聞いてみました!
文・写真=早草 紀子
—まず、書初めに託した思いを聞かせてください。迷いなく望月選手が書き上げたのは「最少失点」でした。
望月 初年度の目標は「フル出場」で、それを達成しました。その中で失点を半分に減らそうと臨んだ次のシーズンも目標を達成することができました。ここまで自分が立てた目標をクリアしてきているので、今年はリーグで一番失点を抑えることによって必然的に上位を目指すことにつながると思うので「最少失点」にしました。
—井上選手はブレずに今シーズン当初から言い続けている「二桁得点」。
井上 今シーズン始めからこれを目標にしてきました。まだゴールはないですけど、一つ取れたら変わるという感覚が自分の中にあるので、早く1点取りたいです!
—大島選手はいろいろ書き直しながら「たくさん試合出場」にたどり着きました。
大島 昨シーズンは、途中交代で出たりしていましたが、それが現状あまり変わってないので、たくさん試合に出場して、チームを勝たせたい!という気持ちを込めました。
—リーグが開幕し、あっという間に前期日程6節が終了しました。柳井里奈監督の下、新たなシーズンの手ごたえは?
望月 模索しながら…という感じですが、今は陣地挽回というのにトライしています。低い位置からのビルドアップでなかなかゴール前までたどり着けないこともあるので、相手を裏返してそこを突く。イノが(笑)。
井上 うまく入ればカウンターを狙える。まだ決めることができていないけど(苦笑)。
大島 自分は流れを変えるっていう役割があるので、守備は…苦手なんですけどそのぶん攻撃のチャンスを増やせるようにしていきたいです。
望月 相手の戦い方によって求められることが違うから、みんなの考えをしっかり合わせていかないと、だよね。サッカーは一人でするモノじゃないから。そこがVENTUSの大きな課題だと思う。
—今シーズン、お互いのプレーをどう見ていますか?
大島 イノさんはちょっとプレーしにくそう…
井上 まあ…それはあるかな。
望月 イノの裏抜けをもっと生かしてあげたいよね。そういうビルドアップを自分もしないといけないなって思う。あと最近は練習でも決めるべきところでしっかり決めてきてるからそれは今シーズン良くなってるよね。
大島 試合ではパサーになってるイメージがあります。
井上 あまりポジションを落とさないようにしないとダメだけど、自分が落ちて触らないと動かないこともあるから。パスの選択をせざるを得ないこともあるけど、そこは船木(里奈)といろいろ話して調整してるところで、改善中!
望月 中盤が低くなっちゃうことが多いけど、タジ(田嶋みのり)とかドリブルでタテに運んだりすると流れが出るよね。
大島 相手のプレスによっては、後ろに吸収されちゃうこともあるから、そうなると前線とは距離があるなって外から見てて感じるときもある。
井上 相手を裏返しつつも、やっぱり(阪口)萌乃さんがいる強みを生かして、中盤経由のパスももっと要求していかないと…
望月 そういうところを試合の中で判断していく“目”が絶対に必要だよ。そこはまだまだ。
井上 モチはそういう「今は蹴るとき」、「今はつなぐ」っていうのを判断できるし、技術があるからボールを前線につけてくれるのはありがたいよ。
望月 今シーズン、自分は最近前からプレスをかけてくる相手との対戦での起用が多いから、そのプレスをはがすことをしていて、その奥のイノのところまで見えない。もうちょっと相手を下げることで、イノにボールをつけられる。そこは反省です…
大島 モチさんはそういう試合の振り返りとかをしっかりやりますよね。あと声!私を含めていいプレーへの声はあっても、「こうしてほしい」という要求の声が少ない中、モチさんは相手の特長を生かした要求に変換しているのがすごい。
望月 若手はもっと声出して(笑)。結局、同じ人の声しか今ないから。
大島 出してるつもりなんですけど、声が小さいんですかね…そこは改善します!
望月 ハルナはもっと要求しても良い位置だからね。足も速いし…
井上 突破できるから。
望月 ちょっと最近、クロスもシュートも視野が狭まっちゃって余裕がなさげだけど(苦笑)。ちょっと顔上げたらもっといろいろ見えるはずだよ。
大島 それは監督にも言われました…(落ち込む)
井上 落ち込むくらい、向き合うっていうのもハルナの年齢なら必要なことだし、良いことだよ。
望月 アリだよ!それにチャンスは作れてるんだから、そこは良いところ。そこまでできてるからこその要求なんだから、自信持っていこう!
—現在5位のVENTUSですが、年明け最初の試合が2位につけている浦和とのさいたまダービー(アウェイ)です。上位に食い込むためにはここを倒さなければなりません。
大島 浦和のイメージは…もう「強い!」。技術面では劣ってるかもしれないけど、切り替えの部分や判断を上回れれば…勝てますよね?
望月 できることを最大限に出せば勝てる!浦和はうまいし、強い相手だけど、前線の守備は狙いどころもあって自分としてはそこを突いていきたい。
井上 柳井監督も言ってたけど、足を振らないとゴールは生まれないから。「今打つの!」ってところからチャンスを生んでいきたい。どんな形でも1点は1点だからどん欲に!
望月 前線にうまくボールを入れながらみんなが前を向いてプレーできるようにしたいよね。
—浦和との勝点差はわずか「3」。一気にここを詰めて良い形でウィンターブレイクに入りましょう!さいたまダービー、ぜひ応援してください。
早草 紀子(はやくさ のりこ)
兵庫県神戸市生まれ。東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりフリーランスとしてサッカー専門誌などへ寄稿する。女子サッカー報道の先駆者であり、2005年から大宮アルディージャのオフィシャルカメラマンを務める。