今野浩喜の「タダのファン目線記」 スタジアム観戦編

今野さんが“タダのファン目線”でクラブ関係者に逆取材を敢行するシリーズ企画から一転、今野さんが行きたい場所・やりたいことをただただリポートするという、迷走するコーナーとなった本連載。本日、今野さんが訪れたのはNACK5スタジアム大宮で行われた第11節・清水エスパルス戦。ホームゲーム生観戦の感想を聞きました。


マイ自転車で登場

――NACK5スタジアム大宮に来るのは、いつ以来ですか?
「この取材で、(大宮公園サッカー場の施設長)大友さんに話を聞いたとき以来ですね。試合観戦となると、思い出せないくらい久しぶりです」

――ここまで自転車で来られたそうですね。
「はい。そんなにいい自転車じゃなくて、折り畳み自転車のなかでは、割といいやつです。ギアがついているので」

――どれくらいかかりました?
「これ(スマホのアプリ)だと、13.5km55分ですね。途中、自転車の鍵を忘れたことに気づいて戻ったりしたので」

――今野さんは、確か都内までも自転車で移動したりしているんですよね。
「いや、1回だけですよ。それも大宮アルディージャの仕事で」

――佐藤満春さんと浜谷健司さんの『行け! ゼルビアアルディージャ』の収録ですね。
「そうですそうです。渋谷まで行きました。あのときは26kmくらいあったのかな。たしか、3時間くらいかかりましたよ。途中で動けなくなって、だいぶ休んだので。だから、まだ楽でした、今日は」

――ここまで道は平らだったんですか?
「そうですね。坂道は、あんまりなかったですね。お尻は痛くなりましたけど。それより最後、ここ(アウェイ側2階スタンド席最上部)まで登ってくる階段がキツかった」

――確かに(笑)。
「これがヘルメットです。コンパクトになって、リュックにしまえるんです。ヘルメット着用が努力義務になりましたけど、みんなどうしてるんだろう?」

好きな選手は?

――それにしても今日のオレンジダービー。たくさんお客さんが入りましたね。
「いやぁ、ホント。スタジアム全体がオレンジですね。あとは、今週末から寒くなるって聞いたのに、天気もいい。日差しが、かなりきつい」

――撮影途中からいきなり黒くなるのは、まずいですよね。日焼け止めは万全ですか?
「いや、何もしてないです。日焼けは、だいたいメイクで何とかなるもんですけど、いまやってるのはメイクをほぼしないような役なので、困りましたね」

――先ほどスタジアム周りを歩いて売店などを覗きましたが、感想は?
「食事を買う列に、あれだけ人が並んでいるのは初めて知りました。ただ、みんなどこで食べているのか。立見席では食べられないだろうし、自分の席で食べている人を何人かは見ましたが、あの行列に比例しない。それがホント分からない。あの行列の人たちはどこに行ったのか……」

――対戦相手の清水エスパルスはメンバーが豪華ですね。
J2に日本代表のキーパーがいるんですから。それも元代表とかじゃなく、ついこの前のワールドカップに出ていた権田選手っていうのが、すごい。乾選手もいるし」

(そうこうしているうちにキックオフ。1点をリードされて前半終了)

――現在の大宮で好きな選手、見るのを楽しみにしている選手は?
「やっぱり、柴山選手とか小島選手とか、毎回楽しみですよ。分かりやすいので。ただ、清水は助っ人選手の力がすごいですね。一番前にいるスキンヘッドの選手は誰ですか?」

――チアゴ・サンタナ選手。昨季のJ1リーグ得点王ですね。
「えっ、得点王と日本代表GKがいるんですか。二人とも、よくチームに残りましたね」 

――大宮の歴代外国籍選手では誰が好きでしたか?
「う~ん……デニス・マルケスとか。ああいうタイプが好きなんですよね。あとは、磐田とかで活躍していた、あの~、えっと……」

――グラウですか?
「そう! 大宮で活躍した印象はあまりないですけど、好きな選手でした」

(試合終了)

――久しぶりにスタジアムで試合を見て、いかがでしたか?
「やっぱり、見やすいなと思いました。もちろんデメリットもありますけど、それはどこの席も一緒なので」

――メインスタンドで観ることが多いですか?
「そうですね。あそこは観やすいです。けど首が痛くなる。みんな前かがみになるから。メインスタンドから見ると横の奥行きがつかめないですけど、ゴール裏はゴール裏で縦の感覚がつかめない。反対側のゴール前になると、小さすぎてどれだけチャンスなのか、どれだけピンチなのかイマイチ分からないので、自分たち側に点を決めてもらうのが一番いいですね」

――この席は気持ちがいいですね。景色も綺麗だし。
「風が抜けるから、すごく気持ちいい。あの照明が、大宮の『O型』なんでしたっけ」

――大友さんが、そう言ってましたね。
「確かに、野球場の照明とは、だいぶ形が違いますね」

 

ハイライトは大宮オレンジ

――ところで、試合結果のほうは……。
「なんか根性論とか言うような時代じゃないですけど、今日の失点の仕方は……」

――清水の選手たちの抜け目なさも、すごかった。
「あれだけたっぷり時間を取ってセンタリングしたら、それは合うよなって。笠原さんが前半からすごく頑張っていたのに、可哀想でした」 

――そうですね。
「本当に何本も止めてました。でも、はじいた後を詰められるっていう。あとは、むりやり思い出せば、泉澤選手とか柴山選手あたりがチャンスになりかけたシーンはありました。でも結局、一人で何とかしなきゃいけない場面が多かったのかな」 

――これで3連敗ですか。
「そうかぁ。去年を見てるから、まだ勝ててるから大丈夫だろうと思っちゃいますけどね。それにしても、静岡から来てアウェイで勝つっていうのは、うれしいでしょうね」 

――みんな喜んでいます。
「今日の試合でよかったところと言えば、ハーフタイムに飲んだオレンジジュースがものすごく美味しかったこと、ですかね。下に甘いシロップが入っていて、見た目も綺麗」

――大宮駅周辺のお店でも飲めるみたいですね。
「あれはよかった。『大宮オレンジ』でしたっけ。天気とあいまって最高でした」

――勝敗を度外視すれば、気持ちのいい観戦でした。
「この席は、やっぱりいいと思いました。オフサイドだけ分かりづらいけど、昔流行った『フォーメーションサッカー』に近い感覚で楽しかったです」

――今シーズン、タイミングが合えばまた観戦に来たいですか?
「そうですね。ナイターがいいですね。ところで、こんな感じで記事になります?」

――本当なら試合の感想をいろいろ聞こうと思ったんですが……。
「今後のこととかしゃべりますか?」

――はい。このコーナーどうしていきましょうか?
「そう言えば、ここに来る途中で『OMIYA KADOMACHI(大宮門街)』の前を通りましたけど、あそこに行ってみてもいいですよね」

――昨年の春にオープンしたみたいです。今度の5月3日から5日にかけては『おおみや盆栽春まつり』が開催されるんだとか。
「あっ、家の盆栽、ちゃんと咲きましたよ」

――盆栽美術館に行ったときに買ったやつですね。何を買ったんでしたっけ?
「桃? いや、違うな。梅だ。ちゃんと咲きましたよ。門街には劇場もあるんだ。へ~。いろんなお店もあるから、新しい名所なのかな」

――あと、このあたりの名所と言えば、大宮公園ですかね。
「そうですね。動物園があって、ハイエナがいるんですよ」

――そうなんですか、知らなかった。あっ、相馬監督だ。会見に行くのかな?
「ホントだ。あそこの角、ぎゅっと集まっている人たちはなんなんだろう。階段を下りて、ピッチ内に入ってる。あっ、あの大きなフラッグを片付けてるんだ。あれだけ大きいと、畳むのも大変そうだな」

――誰かが家に持って帰るんですかね?
「そうですね。あとは富士見市に新しいキャンプ場が出来たんですよ。びん沼自然公園のキャンプ場。そこに行ってみるとか。それか、一度行った指扇のキャンプ場で、ちゃんと12日してみる」

――いつもどおり答えが出ないので、宿題ってことで。
「思いつくまま、いろいろ言いましたけどね。帰りますか。あっ、クッションの忘れ物がある。届けてあげよう」

――敗戦後、ここから自転車で帰るのは、なかなか疲労感が強いですね。
「まぁまぁ()。ゆっくり帰りますよ。来るときは開始時間が決まってるから、自分のペースってものがなくなるけど、帰りはその必要がないですから」

――気をつけて帰ってください。
「はい。お疲れさまでした」


構成:粕川 哲男

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