今野さんが“タダのファン目線”でクラブ関係者らに逆取材を敢行するシリーズ企画から一転、今野さんが行きたい場所・やりたいことをただただリポートするという、迷走するコーナーとなった本連載。本日、今野さんが訪れたのは、さいたま市大和田町に構える欧風カレー専門店『gii』。前回、大宮公園サッカー場施設長・大友さんと盛り上がったあのカレー屋さんで、店長の戸井田さんにおいしさの秘密をうかがいました。
まずはいつものカレーを堪能
今野「ひさしぶりだなぁ。来るのは1年以上ぶりじゃないかな」
戸井田「いっらしゃいませ」
今野「今日はよろしくお願いします。まずは、注文させてもらいましょうか」
戸井田「わかりました」
今野「俺は野菜カレーの辛口、ご飯少なめでお願いします」
店員さん「失礼します。付け合わせのジャガバターになります」
編集者「ここでは、いろいろな種類のカレーを食べたことがあるんですか?」
今野「いつも野菜カレーですね。だから、本当のお薦めはよくわかってません(笑)」
編集者「(メニューを見て)野菜カレーは、見た目がすごく綺麗ですね」
今野「あっ……今日のこと忘れて、昨日の夜カレー食べちゃった」
編集者「でも、カレーは連日でも苦にならないですよね」
今野「そうですね。カレーって、ずっといける。2週間くらい、毎日カレーを食べてみたことがありました」
編集者「へ~。ちなみに昨日のカレーはどんな?」
今野「レトルトカレーです。先月お話を聞かせてくれた大友さん、今日は都合悪かったんですか。なんとか呼び出せないですかね」
編集者「近くに住んでるって言ってましたね(笑)」
(しばらくして料理が登場)
今野「じゃ、いただきます。テレビと違ってなんのプレッシャーもないですね(笑)」
編集者「ゆっくり食べてください」
今野「テレビの食レポは難しいですからね。何か言わなきゃいけない」
編集者「どうですか、いつもの味ですか?」
今野「美味しい!」
(付け合わせのらっきょうをたくさん盛る今野さん)
編集者「らっきょう好きなんですか?」
今野「異常に食べますね(笑)」
(全員、何も話さず黙々と食べ続ける……)
編集者「今野さんは、どうやってこのお店を知ったんですか?」
今野「高速の岩槻インターがありますよね。で、ここの大きな看板をよく見てたんです。最初、読み方がよくわからなくて『911?』って」
編集者「確かに(笑)」
今野「それで気にはなっていて、友だちの大学生が薦めてくれたのが最初です」
(全員、完食!)
全員「ご馳走さまでした。いやぁ、美味しかったですね~。ふ~」
編集者「お腹いっぱいになると、休憩したくなりますね」
今野「ここから仕事が始まるとは……」
編集者「思いたくない(笑)」
今野「まだ文字数足りないですか?」
編集者「はい(笑)、全然。ほとんど食べてるだけですから」
最初のジャガイモどうするのが正解?
今野「じゃ、お話を聞かせてもらいましょうか」
戸井田「わかりました」
今野「ごちそうさまでした。眠くなりますね……どうも今野です。よろしくお願いします」
戸井田「お願いします」
今野「いやぁ、本当に美味しいですね」
戸井田「ありがとうございます!」
今野「最初に出るジャガイモは、どう食べるのが正解ですか?」
戸井田「ジャガイモだけ食べてくださってもいいですし、切っておいて、カレーに混ぜて食べていただいても問題ありません」
今野「なるほど」
戸井田「そこはお客さんの自由で、こういうふうに食べろっていうのは、ありません」
今野「どっちも考えられるよな、と思ってたんで。それは、いい情報でした」
戸井田「ありがとうございます(笑)」
意識しないでほしい……
今野「私が何回か来てるのって、わかります?」
戸井田「いや、気づかなかったです。すみません」
今野「いやいや。もちろん、気づかれないようにしてるんで」
戸井田「でも、あの車(今野さんの愛車・ジムニー)は見たことがあります」
今野「えっーー!?」
戸井田「今日いらっしゃったとき、あっ、あの車だって」
今野「そうですか。なので今後もお世話になると思うんですけど、そういうとき、お互い気まずくならないですか?」
戸井田「いや(笑)、大丈夫ですよ全然」
今野「そういう懸念があるんですよね……」
戸井田「そうですか。まったく問題ないと思いますけどね」
今野「どういう感じになりますか?」
戸井田「いや、普通にお客さんとして」
今野「しらっとしてもらえます?」
戸井田「はい(笑)。他のお客さんの手前、ちやほやするわけには……」
今野「(笑)。もちろん、ちやほやしてほしいわけじゃなくて」
戸井田「さりげなく、笑顔でニヤッて感じですかね」
今野「いいですね。これまで有名人の方はいらっしゃいました?」
戸井田「おそらく、アルディージャの選手の方は来ていただいていると思います。ただ、私あまりサッカー詳しくないので……。アルバイトの子たちは気づいているようです」
今野「そういうときも話すわけではない?」
戸井田「そうですね。遠目から『あっ、そうなんだ』って」
今野「ふ~ん、なるほど。芸能人では誰が好きですか?」
戸井田「う~ん……。仕事漬けって感じで、あまりテレビを見ないので」
おいしさの理由に迫る
今野「ずっとカレー作ってるんですか?」
戸井田「いや、カレーは事務所のほうで、オーナーが5日間かけて作っています」
今野「えーーー!!!!?」
戸井田「ここは店を閉めちゃうので、作れないんですよ」
今野「事務所って?」
戸井田「事務所に厨房もあるので。そちらでオーナーが」
今野「オーナーさんがひとりで?」
戸井田「そうですね。オーナーはお店には出てないですけど、365日動いている感じです」
今野「これだけ人気のお店ですから、相当な量を作るわけですよね?」
戸井田「追いかけて作っていかないと、次の工程を次から次へとって感じでしょうね」
今野「う~ん……どうするんだ? 4日目のやつといまのやつを同時に進行するのか?」
戸井田「いや、寝かせる時間がありますから」
今野「そっかそっか」
戸井田「たまねぎを、ゆっくり弱火で焦げないように。大量のたまねぎが小さくなるまで」
今野「ははぁ。カレーはたまねぎ次第みたいなところがありますからね」
戸井田「そうですね。だから、ご家庭で作るときも、たまねぎをバターでゆっくり炒めてもらって、それを混ぜるだけでもかなり変わると思います」
今野「好きな食べ物は、やっぱりカレーですか?」
戸井田「そうですね。あとはラーメンも好きです」
今野「カレーで言うと、ここ以外に美味しいところはありますか?」
戸井田「やっぱり、『ボンディ』さんが美味しいですね」
今野「どこのお店でしたっけ?」
戸井田「神保町のお店ですね」
今野「あぁ……食べに行ったりするんですか?」
戸井田「行ったことは何度かあります」
今野「でも、ここは相当美味しいですよね」
戸井田「あっ、ありがとうございます(ニヤリ)」
カレー屋のほかラーメン屋も経営
今野「えへへへ……。あの、悪口と取られたらあれなんですけど、美味しいものがあれば立地はどうでもいいよねっていうのがありますよね」
戸井田「あぁ」
今野「ここ立地は(笑)……決して(笑)」
戸井田「そうですね」
今野「そんなにお客さんが来るような場所じゃないじゃないですか。でも、美味しければ、お客さんは来るよねっていうお店の、代表格じゃないですか」
戸井田「向かいの中華そば『蛍』も、うちのオーナーがやっています」
今野「そうらしいですね」
戸井田「向こうが先で、後からこっちを建てたので、最初はうまくいくのかなって」
今野「そうだったんですね」
戸井田「こんな近くに店舗があったら潰し合っちゃうと思ったんです、でも、そんなのは関係ありませんでした。やっぱり、やってみないとわからないですね」
今野「結局、同じ人が両方のお店に行ってるんでしょうね」
戸井田「そうかもしれません」
今野「これ以上、お店は作らないんですか?」
戸井田「う~ん……まぁ……」
今野「作りそうですね(笑)」
戸井田「うちのオーナーは、やりたい気持ちがあるみたいです」
今野「次はなんですか?」
戸井田「カレーの二店舗目はないと思うので……。ラーメン屋ですかね」
今野「ふ~ん。駐車場があるっていうのもいい」
戸井田「そうですね」
今野「いくら美味しい店でも、コインパーキングに停めるのはちょっと嫌ですよね?」
戸井田「そうですね。私も抵抗があります」
今野「抵抗ありますね(笑)」
戸井田「すごく高いカレーになっちゃいますからね」
今野「探すのも億劫ですしね」
戸井田「はい」
今野「ここの駐車場は、かなり大きいですからね。もともと土地を持ってたんですか?」
戸井田「いや、違いますね」
今野「それはすごい!」
趣味から始まったカレー作り
今野「最初、美味しいカレーが出来たから、お店を作ったんですか?」
戸井田「そもそも、オーナーはラーメン屋さんを何店舗か経営していて、趣味でカレーを研究して作り上げたんです。いろいろ食べに行って」
今野「それでできたので、お店をやろうかって順序ですか」
戸井田「はい」
今野「アグレッシブですね、オーナーさんは。おいくつですか?」
戸井田「60歳……くらいですかね」
今野「ほう」
戸井田「いや、60いってないかな。怒られちゃうな(笑)」
今野「まだまだいけそうですね」
戸井田「そうですね」
今野「大宮アルディージャのことを知ってますか?」
戸井田「いや、自分はサッカーが……。でも、名前はいつも聞いています」
構成:粕川 哲男
協力:欧風カレーgii
〒337-0053 埼玉県さいたま市見沼区大和田町1-1527
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