明治安田生命J2リーグ 第40節
2023.10.29 [SUN] 14:00 NACK

大宮

0 - 2
0 前半 0
0 後半 2

甲府

  • 74' 鳥海 芳樹
  • 78' 中村 亮太朗
試合経過
監督コメント
藤枝戦は、もちろん2失点していますのでそこは修正しなければいけないですが、相手の狙いを出させなかったですし、我々がやられてはいけないところは抑えることができていました。サイドは取れていたので、あとは中でどう点を取るかというところで、人を代えて枚数を増やしての勝負でした。

甲府は今週もACLを戦っていますが、甲府がどうというよりは、我々が甲府に対して何ができるか、今はそこにフォーカスしていますし、選手もそれを理解してやってくれています。ACLもこれまでの試合ももちろん観て分析しますが、甲府の状況がどうかは関係なく、我々が今の甲府に対して何ができるか、何をしなければいけないかをしっかり整理して、次はホームですし、勢いを持ってやれればと思います。

勝つことで選手たちが自信を持ってプレーできていることが、一番大きいと思います。4連勝したことで、数字で見ても大きいですが、数字よりも「勝てる」「勝ち続ける」ということが彼らにとって非常にパワーになっているのは事実です。ビハインドを負っても逆転するということはこれまではあまりなかったですが、それも含めて、「どういう状況であっても自分たちがやるべきことを最後までやれば逆転できる、勝ち切れる」という自信につながっているのは、間違いないと思います。

この状況になったのは自分たちのせいですが、今シーズンに関しては本当に追い込まれた状況で、追い込まれた精神状態で選手たちはずっとプレーしています。残り3試合になりましたが、この追い込まれた状況の中でもしっかり勝てているということは、1試合1試合、自分たちがやるべきことをしっかりやろうと戦ってくれている結果です。「5つ目を連続でいこう」というよりは、「甲府に対して自分たちがやるべきことをまずしっかり出そう」と選手たちには伝えています。

これまでもずっと大事な試合でしたが、今は次の試合が一番大事だと思っています。勝点差4で相手の結果次第ではありますが、まずは自分たちが勝ち続けなければ何も始まりません。ただ、サッカーはメンタルスポーツなので、数字が近づいていることで選手たちには「絶対にいける」という感覚があると思いますし、そこを自分たちの手で縮めているということが、間違いなく追い風になると思っています。
選手コメント
藤枝戦は先制点を与えてしまい、結果的にも2失点してしまいましたが、チーム全員が誰一人諦めることなく、自分を信じて、仲間を信じて、90分間やり続けられたことで、あのような逆転勝利につながったのかなと思います。0-2になって「早い時間ですぐ取り返さないといけない」という気持ちがありましたが、(中野)誠也くんがいい形で点を取ってくれたので、そこから「行けるぞ」という雰囲気がチーム全体で強まったと思います。

チームの2点目は、自分はクロスからのヘディングは得意としているので、(茂木)力也がいいボールをくれて気持ちで押し込みました。3点目は、もう1点狙えるという気持ちがありましたし、藤枝まで多くのサポーターが来てくれて後ろから大声援を送ってくれたので、サポーターの皆さんと一緒に気持ちを込めて押し込んだゴールでした。本当にホームのような大声援で、ビハインドの状態でも声がどんどん大きくなっていくのをピッチで感じていたので、「逆転しなければいけない」という気持ちがより強まりました。その思いを逆転につなげることができてうれしく思います。

僕らは1試合1試合勝つだけですし、目の前の試合、次の甲府戦で勝点3を取るだけだと思っています。1日1日を大事に、次の試合でも絶対に勝利したいです。

サポーターの皆さんには、いつも変わらぬ声援をいただき本当に感謝しています。次の甲府戦、必ず勝利しますので、NACK5スタジアム大宮でまた皆で喜び合えるように、一緒に戦いましょう。
藤枝戦は苦しいゲームでしたが、現地に駆けつけてくれたサポーターの皆さんも含め、チーム一丸となって勝利をつかみ取れたことが何よりも良かったと思います。サブだったのでハーフタイムに電光掲示板を見て、山口の状況も知っていたので、離されるわけにはいかなかったですし、勝たなければいけないということはわかっていました。0-2だろうがひっくり返すをいう気持ちを持ってピッチに入りました。

自分のゴールシーンは、後ろからいい形でビルドアップしていく中で、小島(幹敏)がいい形で前を向けて背後に抜けて、ちょっとショートしましたが相手の裏をうまく突けたのかなと思います。走り出していたので迷いはなかったですし、あそこは自分の持ち味でやらなければいけないところなので、うまく良さが出せたと思います。

残り試合、全部勝つということはもちろんですが、次の試合がまずは大事です。次の甲府戦に向けて、チームとしていい準備をして、まずは5連勝できるようにやっていきたいです。

サポーターの皆さんの応援、声援が、本当に自分たちの力になっています。まだまだ苦しい状況には変わりませんが、ともに戦ってください。僕ら自身も、最後の笛が鳴るまで戦います。
メンバー

スターティングメンバー

GK 40 志村 滉
DF 3 岡庭 愁人
DF 5 浦上 仁騎
DF 43 市原 吏音
DF 25 袴田 裕太郎
DF 22 茂木 力也
74'
MF 32 高柳 郁弥
MF 16 石川 俊輝
59'
MF 7 小島 幹敏
86'
MF 33 室井 彗佑
59'
FW 19 アンジェロッティ
59'

控えメンバー

GK 1 笠原 昂史
DF 4 カイケ
86'
MF 8 栗本 広輝
MF 11 黒川 淳史
74'
MF 39 泉澤 仁
59'
FW 9 中野 誠也
59'
FW 28 富山 貴光
59'

監督

原崎 政人

スターティングメンバー

GK 21 渋谷 飛翔
DF 2 松田 陸
61'
DF 5 蓮川 壮大
DF 13 三浦 颯太
DF 49 井上 詩音
MF 10 長谷川 元希
86'
MF 24 松本 凪生
MF 71 中村 亮太朗
FW 9 三平 和司
65'
FW 19 宮崎 純真
61'
FW 30 クリスティアーノ
65'

控えメンバー

GK 31 マイケル ウッド
DF 40 エドゥアルド マンシャ
86'
DF 23 関口 正大
61'
MF 16 林田 滉也
MF 18 鳥海 芳樹
65'
FW 15 飯島 陸
61'
FW 99 ピーター ウタカ
65'

監督

篠田 善之
試合詳細
10 シュート 8
4 GK 14
9 CK 7
7 直接FK 13
1 間接FK 0
0 PK 0
試合データ

主審

松本 大

副審

阿部 将茂

副審

竹長 泰彦

第4の審判員

俵 元希

入場者数

11,827人

天候

曇時々晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

22.1℃/31%

HIGHLIGHT

5分間の2失点で連勝が止まる
緊張のせいか、外がまだ暗いうちに目が覚め、落ち着かない朝を過ごした。いつもより1時間以上早く家を出て、すっかり雨の上がったスタジアムに着くと、決戦の地はすでに燃えていた。12時過ぎ、チームバスの到着に合わせ、選手たちを鼓舞する熱い声援がファン・サポーターから投げかけられる。

明治安田J2第40節。甲府を迎えた今節も、絶対に負けられない大一番だ。

原崎監督は、4試合連続で同じ11人を先発で送り出した。GKは志村。4バックは岡庭、浦上、市原、袴田。中盤は高柳、石川、小島、茂木。前線ではアンジェロッティと室井が2トップを形成した。

試合の行方を左右する大事な立ち上がり、大宮はいきなりピンチに見舞われた。中盤でボールを失い、スルーパスを受けたクリスティアーノに右足を振られてしまう。強烈な一撃は志村を越えてクロスバーを直撃。先制は許さなかったものの、一瞬の隙が命取りになることを改めて痛感したシーンだった。

徐々にボールを回せるようになった10分過ぎには、連続でチャンスが訪れた。右サイドからの岡庭のクロスのこぼれ球を繋いで、小島がボックス内に縦パスを入れる。これを胸で受けた室井が反転して左足シュートを放ったが、相手のブロックにあい先制点には至らなかった。

その後も大宮の時間帯が続く。20分過ぎには、またしても立て続けに決定機を掴んだ。岡庭がサイドを変える大きなクロスをゴール前へ送ると、茂木がヘディングシュート。GKが弾いたところに高柳が走り込んでフィニッシュしたが、枠を捉えることはできなかった。

直後には茂木のクロスに袴田と室井が詰めてCKを獲得。さらに、そのCKを高柳が中央へ入れると、袴田が頭で捉える。このシュートも枠を外れたが、度重なるビッグチャンスに期待が高まり、ゴール裏のサポートはますます熱を帯びた。

30分以降も大宮は最終ラインで落ち着いてパスを回し、サイドを変え、勇気のある縦パスを打ち込む。甲府の逆襲にも対応。とりわけ18歳の市原は、縦パスに抜け出た宮崎に背後から追いつき、切り返しを読み切ってボールを奪い取るなど、貫禄さえ感じさせる完璧なディフェンスを見せた。

クリスティアーノに許した2度目の決定機を志村がファインセーブで防ぐと、前半終了間際には岡庭のクロスを茂木が頭でゴール前へ折り返す。そこへ室井と袴田が詰める同じパターンでゴールに迫ったが、GKのキャッチングの前にスコアは動かなかった。

完全な大宮ペースで迎えた後半、ゴールが欲しい一方、集中を欠かせない開始早々にピンチが訪れた。クリスティアーノのCKを井上がヘディング。枠を捉えたシュートが大宮のゴールを脅かしたが、これは袴田が身を挺して弾き出した。その直後にもCKのこぼれ球を繋がれ、三平にヘディングシュートを許す。志村が正面でキャッチして事なきを得たが、我慢の時間帯が続く。

後半の立ち上がりを耐えた大宮は59分、原崎監督が早めに動いた。室井、アンジェロッティ、石川を下げて、中野、富山、泉澤を投入。3枚同時替えで1点を奪いに行った。しかし、ネットを揺らしたのは甲府だった。70分の飯島のシュートは志村が防いだが、4分後にセカンドボールを拾われて、ピーター・ウタカのクロスを鳥海に流し込まれた。さらに3分後、今度は三浦の折り返しを中村に叩き込まれた。

試合時間は、残り10分と少し。なんとしてもゴールが欲しい大宮は茂木に代わった黒川が中盤を駆け回り、小島に代わったカイケを前線に残しパワープレーを仕掛けたが、ゴールに届かない。岡庭の絶妙なクロスを中野が頭で狙うシーンもあったが、得点を奪えないまま時間が過ぎる。アディショナルタイムは5分の表示。選手たちは、鳴り止まないファン・サポーターの声援を背に最後までゴールを目指したが、甲府の守備は堅く、1点を返すことができないままタイムアップの笛を聞いた。

痛恨の敗戦となった試合後、それでもゴール裏からは選手たちを後押しする大宮コールが沸き上がった。ピッチを一周する間には「まだ終わってない」「次だよ次!」との声が飛んだ。ミックスゾーンに現れた選手たちも、「今日勝てればよかったですけど、終わったことは変えられない。残り2試合。勝てば必ず残留できると信じて戦います」(茂木)、「誰も諦めていません。今日も1万人以上のファン・サポーターの皆さんが最高の雰囲気を作ってくれました。皆さんのためにも、可能性がある限り戦い続けて、奇跡を起こしたい」(富山)と、力強い言葉で前を向いた。

残り2試合。勝つしか生き残れない崖っぷちの戦いの先に、奇跡が待っていると信じて、見守りたい。

(総評:粕川 哲男)

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監督コメント
ホームに帰って来ての試合で、本当にたくさんのファン・サポーターの方が来てくださって、勝点3を届けたいと選手たちとも話をしていたのですが、一番良くない結果になってしまい非常に悔しいです。

内容に関しても、大きく言えば我々が点を取れなかった、向こうはしっかりとチャンスを決めて来た、その差がこのスコアにつながったと考えています。

今日は0-0の状態で3枚同時に交代しましたが、どうしても先に点を取りたかったのと、FWのところが前半よりパワーダウンしてしまった、サイドでもう少し起点を作りたかった、スコアを動かしたかったというところから判断しました。

2失点に関しては自分たちのミスです。横パスのところでフリーの状態からミスが起こって、2点目に関してもフリーでボールを運んでいるところから失っての失点で、前回甲府と対戦したときと同じようにまた自滅する形でしたし、スキを与えてしまうというのはまだ足りないということだと思います。もう少しボールに寄せることであったり、クロスの守備についても自分たちの中での規則があったのですがそれも守れていなくて、そこは足りなかったと感じています。

選手たちにも話しましたが、可能性がゼロになるまで我々自身が諦めることはないですし、ずっと他力ですがより勝たなければいけない、負けたら終わりなので、勝つことだけを考えてしっかりやりたいです。
選手コメント
僕自身も前半にチャンスがありましたし、ゴールを決め切らなければいけないシーンもあったので、そういうところが勝負を分けたかなと思います。ファーに結構クロスを上げてくれていて、そこからゴールを取れるようなチャンスもありましたし、直接合わせられなくてももっといい形で攻撃をしなければいけないシーンもありました。サイドチェンジもみんなしてくれてたので、もっと良い形で中にクロスを上げたかったなと思います。決め切れなくて相手に点を取られるとこういう試合になってしまうので、自分たちから難しい試合にしてしまったと思います。

失点する前とかも流れが良くなくて、奪ったボールをすぐ取り返されたりとか、そういう時間帯は必ずあるとは思うので、そういうときにゲームを切るとか、ゲームの流れをもう少し読むようなプレーを誰かがしないといけないと思いますし、僕自身も相手陣内で起点になったりすることはその時間帯でできていなかったので、流れが悪いときにもっとどういうプレーをするかっていう判断をしないといけないと思います。そういった部分は個人のところになってくると思うので、個人個人がもっと判断してやらなければいけないところだと思います。

今日勝てていればというのはありますけど、終わってしまったことは変えられないので、次の試合に向けて、しっかり自分自身ももっと走れるようにコンディションを上げて、局面局面で全部勝てるように球際のところとか走るとか僕ができることを徹底して、2つ勝てば必ず残れると信じています。信じることが一番大事だと思うので、他力だからといって相手のことばかり気にするのではなくて、目の前の2つを勝って、最後どうなるかを考えるだけかなと思います。
前半はほぼパーフェクトな試合ができたと思いますが、その中でスコアを動かすことができませんでした。相手はしっかりゼロで抑えて後半に臨めた形になって、精神的な部分で自分たちに焦りがあったわけではないですが、どこかでやり切れないところはあったのかなと思います。

ハーフタイムにチーム内で「こういうときこそ、もう一度しっかり入ろう」と話をしていたのですが、後半は自分たちが思うようにボールを動かせず失点してしまったことで、焦りやイージーミスが出て、もったいないゲームになってしまいました。失点してもピッチ内では「落ちついてやろう」と話をしていましたが、どこかで焦りが出てしまったかなというのは自分の中ではあります。

相手には強力な外国籍選手もいましたが、自分の中では成長させてもらえる場なので、しっかり自分のすべてを出そうと思っていました。前半は特に相手FWに気持ちよくプレーさせなかったと思いますし、自分自身も予測や球際でも強く行けていたので自信を持って後半には臨めたのですが、予測できないプレーや普通の人とは違うプレーもあって逆にやりにくかったです。結果的に失点してしまったのでDFとしてそこは反省点ですし、残り2試合は失点したら負けてしまうぐらいの覚悟でプレーしたいです。

次に対戦する清水は今節熊本に負けていますし、そういう意味でもぬかりなくしっかり準備をしてくると思うので、自分たちはそれ以上に良い準備をしなければいけないですし、チャレンジャー精神で前半から点を取りに行くことを全員で意識して、必ず勝って帰って来たいです。
勝てる内容の試合だったので、悔しさは大きいですが、そんなに甘くないなというのもこの試合で感じたので、今までが上手くいきすぎていたというところも踏まえて、本当に切り替えないとなという気持ちが強いです。

前半は勢いを持ったゲーム展開というのはできていましたし、常に自分たちが主導権を持ちながらゲームを進められてたというのは原崎監督になってから求められていることで、それはできていました。ただ、やっぱりあの状況で点を決められないと、少ない本数でも相手にチャンスが回ってくるので、そこの勝負強さとか最後のところで負けたかなと思います。

後半もそんなに変わらなかったかなとは思いますが、相手の交代を含めて前線3枚でウチの3バック相手に固めてきたところでなかなかボランチを捕まえられずに、サイドから進入できることはあっても前半みたいな真ん中でのコンビネーションで相手を押し下げるというのがだんだん少なくなっていって、相手にとっては奪いどころがはっきりしてしまって、そこだけではないですが、いいスイッチになってしまったのかなと思います。

次に向けてやることは変わらないですし、今日みたいなゲームを進められれば勝機はあると思います。ただ、残り2試合の相手は個が強いですしスピードも速いので、そこに対する準備はしていかなければいけないですし、相手も絶対に攻めに来る順位なので戦いやすさというのはあるのかなと思うので、いろいろなものをポジティブにとらえて、あと2試合勝てば何か起きると思います。内容も大事ですけど、結果を出せるように、チームのマインドも含めてうまく自分が進めていきたいです。
フォトギャラリー

(写真:高須力)

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