明治安田生命J2リーグ 第42節
2023.11.12 [SUN] 13:00 NACK

大宮

0 - 2
0 前半 0
0 後半 2

東京V

  • 63' 綱島 悠斗
  • 78' 中原 輝
試合経過
監督コメント
「あと1試合をどう勝つか、最後にホームでどう勝つか、今はそこに特化してやってほしい」と選手には伝えています。21位という成績を受け入れなければいけないですし変わらないですが、最終戦にどう勝つかだけを考えてトレーニングをして臨みたいと思っています。応援してくれている方々に対して申し訳ないという気持ちを、選手も我々スタッフも皆が持っていますし、ホームでしっかり勝って終わりたいです。

昇格を争う東京Vと緊張感のあるゲームがもう1試合できるということは、選手にとってプラスですし、そういった相手に対してホームで戦えるので、そこはプライドを持って、「絶対に負けてはいけない」という話を選手ともしています。選手たちのパフォーマンスに期待していますし、絶対に勝ちたいと強く思っています。

東京Vは守備が堅い印象があります。甲府や清水と同じように戻りが速いですし、戦うという部分でも強いチームだと思います。攻撃は前回対戦したときよりも縦に速く、勝負にこだわってやっているチームだと思いますので、絶対にパワー負けしないように戦えればと思います。ホームで必ず勝ちたいと思います。
選手コメント
清水戦はアウェイまであれだけのファン・サポーターの皆さんが来てくださって、最初から最後まで本当にたくさんのパワーをもらいましたが、その期待や応援に応えられなかったことが申し訳ないですし、僕らは勝たなければいけない状況だったので、あの結果は今の僕たちの実力なのかなと思います。

今週の試合は、アルディージャとして本当に大事な1試合だと思います。最後は勝って終わらなければいけないと思っていますし、この1試合がこの先につながると思うので、最後まで勝つことだけを考えてやりたいです。

東京Vのモチベーションが高いことはもちろんわかっていますが、僕たちもやっぱりホームでは負けるわけにはいかないですし、プロとして最後まで戦うという部分は見せなければいけません。気持ちの部分で絶対に負けないで、自分たちからどんどん行けるように準備したいです。

ファン・サポーターの皆さん、いつも僕たちを後押ししてくださりありがとうございます。最後のホームゲームはしっかり勝ちますので、一緒に戦ってください。よろしくお願いします。
清水戦は個々の能力で負けていたと思いますし、もっとその能力を上げていかなければいけないと感じました。下の基準に合わせるのではなく上の基準に合わせてもっとトレーニングに励んでいたらと、あらためて思ったゲームでした。

前節で21位が確定しましたが、この順位については情けないの一言です。チームワークの部分を大事にしすぎて丸くなりすぎるというか、もっと主張する選手が出てきた方が戦える集団になったのかなと個人的には思っています。「負けても、次、次」となってしまって、それを最後まで引きずってしまいました。強いチームは負けたら次のチャンスはないですし、がむしゃらに頑張るだけではなく、もっと試合に出るための競争が必要だったと感じています。

東京V戦はもちろん勝ちに行きたいですし、観に来てくれるファン・サポーターの方がいる限りは、全力で戦うだけだと思っています。
メンバー

スターティングメンバー

GK 35 南 雄太
DF 3 岡庭 愁人
DF 4 カイケ
DF 43 市原 吏音
DF 22 茂木 力也
MF 32 高柳 郁弥
MF 7 小島 幹敏
72'
MF 11 黒川 淳史
81'
FW 9 中野 誠也
62'
FW 28 富山 貴光
72'
FW 49 大澤 朋也
81'

控えメンバー

GK 40 志村 滉
DF 5 浦上 仁騎
MF 16 石川 俊輝
81'
MF 15 大山 啓輔
72'
MF 39 泉澤 仁
72'
FW 33 室井 彗佑
62'
FW 23 矢島 輝一
81'

監督

原崎 政人

スターティングメンバー

GK 1 マテウス
DF 6 宮原 和也
DF 13 林 尚輝
59'
DF 3 谷口 栄斗
DF 16 山越 康平
MF 47 中原 輝
MF 7 森田 晃樹
MF 25 稲見 哲行
MF 26 加藤 蓮
59'
FW 8 齋藤 功佑
79'
FW 39 染野 唯月
90+3'

控えメンバー

GK 21 長沢 祐弥
DF 5 平 智広
59'
DF 24 奈良輪 雄太
79'
MF 4 梶川 諒太
MF 23 綱島 悠斗
59'
FW 27 山田 剛綺
FW 29 河村 慶人
90+3'

監督

城福 浩
試合詳細
13 シュート 11
14 GK 6
5 CK 1
8 直接FK 11
2 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

中村 太

副審

熊谷 幸剛

副審

内山 翔太

第4の審判員

竹田 明弘

入場者数

10,875人

天候

曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

11.7℃/43%

HIGHLIGHT

最終戦を飾れず、失意の1年が終了
前節で清水に敗れたため、今季21位が確定した。明治安田J2第42節、リーグ最終節となる東京V戦の勝敗によって順位が変わることは、ない。今週木曜日には、原崎監督の今季終了後の退任も発表された。つまり来季、大宮の選手たちは新たな監督の、新たな評価基準の下でリスタートを図る。もしかすると、ホームで迎えるこの最終戦の意義を見出すことは、難しいかもしれない。

しかし、選手たちは、「最後くらいは」「こんな状況だからこそ」と口を揃えた。誰もが、プロとしてのプライドや意地を懸けて戦うと語り、気持ちを緩めてなどいなかった。スタジアムに詰めかけたファン・サポーターは1万875人。J1昇格の可能性を残す難敵を相手に、どのような戦いを繰り広げて、明日へと繋がる一歩を踏み出すのか。

「最後にホームで勝つことだけを考えて、これなら勝てるというメンバーを作りたい」と語っていた原崎監督は、清水戦から先発6人を入れ替えてきた。

ゴールマウスに立ったのは44歳の南。今季限りでの現役引退を発表している守護神が、20試合ぶりに先発に名を連ねた。最終ラインは右から岡庭、カイケ、市原、茂木。高柳と小島が中盤の底に入り、右に黒川、左に大澤。前線で富山と中野が2トップを形成した。カイケ、黒川、中野、富山が久々の、大澤は開幕戦以来の先発出場だ。

開始1分、右からのクロスが大宮のゴール前に上がる。相手と交錯した南が一度はボールをこぼしたが、しっかり反応して事なきを得た。チーム全体が高い集中力で試合に入れており、セカンドボールも素早く拾えている。10分過ぎには原崎監督が茂木と、渋谷コーチが大澤とピッチサイドで戦術を確認し、緻密にゲームを進めていく。

大宮がつかんだ最初のチャンスは14分。左サイドに流れたクロスを大澤がキープし、相手をかわしてゴール前へ。ファーサイドに走り込んだ黒川が折り返し、最後は中野が飛び込んだが、ほんの少し合わずフィニッシュはゴールの左へ外れた。

カウンターを受けて与えたセットプレーのピンチを耐え、黒川の縦パスに抜け出た中野がダイレクトで狙い、高柳が果敢にミドルシュートを放ち、富山のポストプレーから中野が右足を振るなど、しばらくは攻守が激しく入れ替わる展開が続く。41分に訪れたヒヤリとする場面でも最終ラインと南の連係が光り、先制点は許さない。ともにゴールを奪えないまま、スコアレスでハーフタイムを迎えた。

サポーターの熱い声援が続く後半、大宮は最初に決定機を掴んだ。高い位置で相手ボールを奪った小島のパスを受けた中野が、素早いターンからフィニッシュ。マテウスに防がれてCKとなったが、そこから再びゴールを脅かす。右サイドを深くえぐった岡庭のクロスに、黒川が頭から飛び込む渾身のダイビングヘッドだったが、ボールはわずかに左へ外れた。

大宮最初の選手交代は62分。中野を下げて室井を投入。だが、その直後にネットを揺らされてしまう。カウンターから左のポケットを森田に取られ、最後は4分前にピッチに立った綱島に押し込まれた。

1点を追いかける展開となった原崎監督は、2人を同時交代。小島に代えて泉澤、富山に代えて大山の可能性に懸けた。大山と高柳がダブルボランチを組み、2列目が黒川と泉澤、前線が大澤と室井といった並びでゴールを目指した。

しかし78分、再び失点を喫してしまう。東京Vの最後尾からのパス回しに振られ、左サイドで相手を潰し切れず、中原にドリブルシュートを決められた。大澤と黒川を下げ、矢島と石川を起用して交代枠を使い切ったものの、思うようにゴールに迫れない。東京Vがボールを握る苦しい時間帯が続き、終了間際の泉澤のシュート、攻撃参加した市原のフィニッシュもゴールには届かなかった。

そして、タイムアップ。最後まで1点を奪うことができず、失意のまま今季最終戦が幕を閉じた。

試合後のセレモニーで、佐野社長は「強くて、逞しく、厳しさを持ったチームに生まれ変わること」を誓い、原崎監督は「選手たちのパフォーマンスを引き出すことができなかった」責任の重さを口にした。キャプテンの富山は「どんな形でもいいので、僕たちに力を貸してください」と語り、現役最後の試合を戦った南は「今どん底だと思いますけど、ずっと先の未来で、あの苦しいときがあったから今があるとか、クラブが変われたねと思えるように」と、大宮の変化を期待する言葉を残した。

悔しさと屈辱を心に刻んだ大宮が、今日から新しい歴史を築き始めると信じたい。

(総評:粕川 哲男)

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監督コメント
最後に勝利することができず本当に申し訳ない思いと、悔しい気持ちです。前半は悪くなかったと思いますが、取るべきところで取れず、最後は力負けだったと思います。そこは今シーズンずっと課題としてきたところですが、修正しきれませんでした。

試合後に選手にも話しましたが、最終的にゴールを決める、ゴールを守るという部分は、もちろんチームとしても高めなければいけないですが、個人個人も成長しなければいけないことは間違いありません。その成長がなければこのクラブは強くなりませんし、そういった部分がチームとして、個人として、今シーズンは足りなかったと感じています。

このクラブがもう一度魅力あるクラブになるために、残された選手、スタッフが、もう1回しっかり前を向いて進んでくれることを期待しています。厳しい声もありますが、それでもこのスタジアムに来て一緒に戦ってくれるファン・サポーターの思いをしっかり受け止めて、前に進んで行ってもらいたいです。
選手コメント
守備の強度と右サイドからのクロスに入ることを意識して試合に臨みましたが、自分たちの流れがいいときに1点取れなかったことが、この結果につながったかなと思います。失点してから少し崩れてしまった部分もあって、そこで追加点を許してしまったので、本当に悔しいです。

守備の強度とか球際とかは、自分の中では負けてなかったかなと思いますが、ボールを持ったときのドリブルの質とか、ラストパスの質というところは、まだまだ足りてないのは自分でもわかっているので、これからいかにそこを突き詰められるか、というのが大事かなと思います。

試合前に周りを見渡した時に、本当にたくさんのお客さんが入っていて、この中でサッカーができるのはやっぱり幸せなことだなと思いました。こういう状況でもファン・サポーターの皆さんがたくさんスタジアムに足を運んでくださっているのに、勝利を届けられなかったのは、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

来季に向けては、まずは個のレベルアップが一番大切かなと思います。自分としてもまだ全然足りてないことだらけなので、オフシーズンで少しでも改善して、さらに成長した姿を皆さんに見せられるように頑張っていきたいと思います。
勝てなかったことが本当に残念で、観に来ていただいたファン・サポーターの方に申し訳ない気持ちがありますが、最後にピッチに立たせていただいて、原崎監督やスタッフ陣にもすごく感謝していますし、90分、噛み締めながら戦いました。不甲斐ないシーズンだったので最後にホームで勝てればという思いが強くて、自分の最後の試合に浸る感じではありませんでした。

やり切った感じはすごくありますし、「44歳までプレーした人が何を言っているんだ」という話だと思うので、そこはもう何も残っていないぐらいやることができましたが、今はまだ自分が引退するという実感がないです。

前半は、相手もいろいろなプレッシャーがあった中で硬いなと感じていましたし、いい形からチャンスも作れていたと思いますが、点が取れなかったこと。今シーズンはずっとそうですが、自分たちがいい流れで点が取れなくて後半にやられるというパターンが結局最後まで修正できませんでした。そこは残念ですが、それでも皆がすごくファイトしてくれたと思いますし、後半は東京Vの勝たなければいけない執念に圧倒されてしまい、結果に関してはすごく残念です。

今日はセットした中で崩される場面は少なかったのですが、中盤で奪われてショートカウンターという形が多くて、それが何度か続くと1失点目のような形になってしまうのかなと思います。2失点目に関しては、あれをGKが取れないとチームの流れを変えられないですし、あれができないから引退なんだなと今日は自分ですごく思いました。昔だったら取れていたかなと試合中に思いましたが、それが今の自分の実力だと思います。あれを止めてあげられるGKがチームを救えるGKだと思いますし、チームを勝たせることができるGKだと思います。

セレモニーの中でも言いましたが、自分だけではここまで来ることはできなかったですし、本当にいろいろな人に支えてもらいました。ケガしたときもトレーナーやドクターが付き添ってくれて、一年現役を伸ばせたのは本当にそのおかげだと思っています。

プロデビューの試合も、プロとして最後の試合も相手がヴェルディでしたが、ヴェルディは自分が小学生、中学生のときにいたクラブで、選手の間は所属することはなかったですが、やっぱり自分の基礎を作ってもらったのはヴェルディですし、僕がプロに入ったころのヴェルディはスター集団で、デビュー戦を少し思い出しました。当時首位のヴェルディに勝って、26年経って最後の試合がまたヴェルディというのはすごく目に見えない縁を感じますし、最後にふさわしい相手でよかったなと思います。

今シーズンだけでなく、ここ数年はずっと同じような状態が続いていましたし、そういった中で修正できずに浮上することなくこのような結果になってしまいました。そこに関しては自分も2年前に来て、なんとかチームを変えたいと思ってやってきましたが、なかなかそれができず、すごく責任を感じています。柏でも降格したことがありますが、やっぱり大事なのはクラブが本当に一つになることで、うまくいかないときだからこそ、僕は常々言うのですが、サポーターと現場とフロント、この3つの車輪がうまく噛み合わないと絶対にチームは強くならないし、いいクラブにはなっていかないと思います。それがうまくいっているときはすごくパワーが出るし、アルディージャに関して言えばそう言うものが何か欠けているなと、この2年半で感じました。だからこそ、これをいいきっかけにして浮上して行ってもらいたいと思いますし、それができるポテンシャルが間違いなくあるクラブだと思うので、自分がどう言う立場で今後アルディージャにかかわるかわかりませんが、そういう日が早く来ることを切に願っています。
前半からピンチもありましたけど、その中でチャンスも多くあったので、そこで1個仕留められていたらまた全然違った結果になったかなと思います。自分自身も得点に絡めそうな場面もありましたが、やはり自分たちの後半の甘さが出たなと思います。

高さで負けていなかった部分など個人的にはある程度の手応えがあったところもありましたが、クロスの入り方がうまい選手相手の対応の仕方などはもっと突き詰めていかなきゃなと思いました。ファウルにならないようなボールの奪い方なども、もっと経験を積んでやっていくしかないかなと思います。相手が駆け引きがうまくて、最初は少し手こずりましたが、途中から慣れや予測で対応できるようになったところはよかったかなと思います。

シーズンを通して自分はまだまだ未熟だなと感じました。もっともっと練習して、強くなっていかなきゃなと思います。対人の強さや、リーダーシップ、ビルドアップのキックなど、すべてのレベルがまだまだJ1や海外レベルではないので、もっとレベルアップしていかなきゃいけないと思います。来年はパリ五輪も待ってるので、しっかりそこに自分も組み込めるように頑張っていきたいと思います。
フォトギャラリー

(写真:早草紀子)

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