今野浩喜の「タダのファン目線記」イラストレーター

突撃インタビューシリーズ 今野浩喜 vs イラストレーター

今野さんがタダのファン目線でクラブスタッフに逆取材を敢行! 今回は、ホームゲームでのマッチデープログラムの一コマ漫画や、大宮アルディージャマガジンVAMOSの間違い探しを描いている、イラストレーターのタカハラユウスケさんにご登場いただきました。

 

始まりは2014年

今野「おはようございます。どうも、今野です」

タカハラ「おはようございます。イラストレーターのタカハラです」

今野「よろしくお願いします。えっと、タカハラさんはおいくつですか?」

タカハラ「僕は38歳です」

今野「へ〜、歳下だとは思ったけど……」

タカハラ「今野さんは?」

今野「42歳かな。自分の歳って、パッと出ないことないですか?」 

タカハラ「ありますね。最近はあまり数えてもいないです」

今野「そうなんですよね。何月生まれですか?」

タカハラ「2月です。早生まれです」

今野「ははぁ、早生まれだと年齢の感覚が分からなくなりますよね」

タカハラ「ありますね。『今39歳の歳です』的な説明が必要になる」

今野「分かる! 俺は12月生まれなので今度43歳になるわけですけど、すぐ年をまたぐわけですよ。そうすると44歳の年になるので、ワケ分からなくなる」

タカハラ「確かに」

今野「そもそも大宮アルディージャのファンなんですか?」

タカハラ「今は応援していますけど、きっかけは仕事をするようになってからです。それまではチーム自体と有名選手を知っているくらいで、あまり詳しくありませんでした」

今野「仕事を始めたのは?」

タカハラ「2014年ですかね。家長(昭博)選手が来て、FWにはズラタン選手がいました。あとは菊地(光将)選手とか……中村北斗選手、それでシーズン途中から増田誓志選手が加入したはずです」

今野「あぁ……。増田選手が入ったときはテンション上がりましたよね」

タカハラ「そうですね。一瞬でしたけどね」

今野「はい……。一瞬と言えば、グラウもいましたね(2006シーズン)」

タカハラ「ジュビロにいた選手ですよね」

今野「そうですそうです。じゃ、もともとサッカーをやっていたとか?」

タカハラ「いや、全然やってないです。こういう仕事をしていると経験者だと思われて、フットサルとか呼ばれるんですけど、絶対に行かない。必ず断るようにしています(笑)」

今野「あははは……。もともと運動は?」

タカハラ「やってないですね。帰宅部でした。完全に」

今野「運動と言えば体育くらいですか」

タカハラ「そこを掘り下げると、仕事がなくなりそうですけどね……」

今野「いやいや、そんなことないでしょ(笑)。サッカーを見始めたのは?」

タカハラ「98年のフランス・ワールドカップ予選、ジョホールバルのころですね。その前の“ドーハの悲劇”は、うっすら覚えている程度で」

今野「ドーハは93年だから……」

タカハラ「小学生でした」


俺の方が早い!

今野「最初に好きになったチームとか選手は?」

タカハラ「誰だろう……。やっぱり中田(英寿)選手かな。あとは岡野(雅行)選手とか。それでJリーグを見始めたというより、イングランド代表が好きだったんですよ」

今野「98年頃のイングランドっていうと、ジェラードはまだいないか」

タカハラ「いなくて、ベッカム、スコールズ、キャンベルとか……」

今野「シェリンガム」

タカハラ「そうです。シアラーとシェリンガムの2トップでしたね」

今野「はいはい。ネビル兄弟」

タカハラ「それで、GKがシーマン」

今野「シーマンっていうのは、ずっと大したことなかったですね」

タカハラ「あははは……。確かにシーマンがすごいと思ったことはなかったですね。僕もずっと、どうしてこの選手なのかなと思っていました」

今野「そうですよね。見た目はうまそうなのに。2002年のワールドカップは酷かった」

タカハラ「あの、ロナウジーニョにFKを決められたやつとか」

今野「シーマンのハイライトですね」

タカハラ「あれが一番覚えているというか、あれ以外は思い出せない」

今野「外国人の選手は絶対に耳に届かないだろうと思って、悪口を平気で言えるってところがありますね(笑)」

タカハラ「あははは……。日本人の選手には届く可能性がありますからね」

今野「イングランド代表で、特に好きだったのは?」

タカハラ「ジェラードが好きでした。(2005年に)チャンピオンズリーグで優勝したときのジェラードが本当にすごいと思って……」

今野「ちょっと待っててもらっていいですか(と席を外す)。これ、どうですか。カッコよくないですか(ジェラードのリバプールのユニホームを持って登場)」




タカハラ「しかも、(2004年までつけていた)17番じゃないですか」

今野「そうなんですよ」

タカハラ「いいなぁ、それ。(胸スポンサーが)カールスバーグのころがいいですよね」

今野「ジェラードを好きになったのは俺の方が早いってことでいいですか(笑)」

タカハラ「それを出されたら、認めざるを得ません(笑)」

今野「17番ですからね」

タカハラ「僕がさっき出したエピソードのときは、もう8番でした」

今野「僕ね、海外の選手で最初に好きになったのがジェラードなんですよ」

タカハラ「そうなんですね。僕は、この人(と言いながらDVDを出す)です」



今野
「(ロベルト)バッジョ! 今、どこから出てきました?」

タカハラ「本棚に置いてあるんですよ。高校生くらいのときに買いました」

今野「そういう資料がすぐに出てくる。そこがすごい!」

タカハラ「自分でプレーしていなかったので、専門的なところ、戦術とかに踏み込まないようにしているので。その分、ゴシップとか見た目とか。分かったようなことは言わず、分かりやすいところを取り上げていくようにしているので」

今野「なるほどね」

タカハラ「だから資料とかを大切にして、知識だけはつけておこうと」

今野「それが正解ですよね。絶対に」

タカハラ「本当に詳しい人には、なかなかついていけないので」

今野「だから、誰にでも分かるようなことを表現するようにしているわけですね」

タカハラ「見た目とか、昔のエピソードとか、選手の人間性が出ているような部分ですね。僕ぐらいの人がサッカーに関して分かったようなことを言うと、間違えちゃうので」

今野「ははぁ」

タカハラ「大宮の選手を描くときも、細かいところには踏み込まないようにしています」


普通を極めたような顔

今野「今のチーム状況に関しては、どう思いますか(笑)」

タカハラ「……(笑)。点が欲しいですね、やっぱり」

今野「そのあたりに触れないで、モノを描けばいいのか」

タカハラ「点がいっぱい入った方が楽しいですけどね」

今野「最初に描いた選手は?」

タカハラ「え〜、ズラタン選手かな?」

今野「大宮に関係なくだと」

タカハラ「あぁ、自分が好きで描いた最初の選手は、(ロベルト)バッジョかな」

今野「それは何で?」

タカハラ「何でしょうね。見た目も好きで、あのポニーテールが。それでいてあんなにカッコいい。見た目に惹かれて描きました。最初は日本人を描くのが難しかったんです。外国人の方が、要素が多いというか」

今野「最初から仕事で?」

タカハラ「いや、趣味です。昔から絵が好きで、いろいろ描いていましたし、似顔絵描きのようなこともしていて」

今野「路上で?」

タカハラ「そうです。そのとき、サンプルとしてサッカー選手とか芸能人の絵を描いて、飾っていました」

今野「絵のタッチは、今と同じ感じですか?」

タカハラ「いや、全然違くて、もうちょっとリアルというか」

今野「似顔絵って、すぐに描けるんですか?」

タカハラ「20分くらいですかね。だから写真を撮らせてもらって、『20分後に帰ってきてください』と。時間に余裕のある人は、その場に居てもらいますけど」

今野「描いてるときは、どういう空気なんですか?」

タカハラ「こんな感じですよ。『いつからやってるんですか?』みたいな」

今野「『描いてるんで、黙ってもらえませんかっ』ってならないですか?」

タカハラ「ならないですね(笑)。それがやりたくて来ているところもあるので」

今野「人と話すのが好きなんですか?」

タカハラ「そう言うとすごく明るいヤツのように聞こえますけど、知らない人と20、30分話すのは好きかもしれないですね」

今野「描いて一番難しかった選手は?」

タカハラ「やっぱり特徴が少ない選手は難しいですね。顔が薄くて、整っている。例えば、若い頃のフェルナンド・トーレスとか」

今野「ほ〜」

タカハラ「つるっとしてて、髭とかもなくて、バランスだけでキレイというか……(笑)」

今野「確かに、普通を極めたような顔ですもんね。どれぐらい時間かかったんですか?」

タカハラ「もう途中で諦めて、名前書いちゃおうって(笑)」

今野「あははは……。モノマネの人が『森進一です』って言うようなもんですね」

タカハラ「そうです(笑)」

今野「俺の顔って、誰が描いても似るんです」

タカハラ「描きやすいかもしれないですね。いいですね、すぐに覚えてもらえるから」

今野「俺の目線から言うとあんまり良くないのは、向こうは覚えているけど、俺は覚えていないパターンがすごく多い」

タカハラ「なるほど。それは難しいですね」

今野「……そろそろお時間ですね」

タカハラ「えっ、こんな話で大丈夫なんですか?」

今野「そういう疑問は、もうずいぶん前に終わりました」

タカハラ「そうなんですね」

今野「俺も、最初のころは同じように思ってましたよ」

タカハラ「これで大丈夫なのかって(笑)」

今野「でも、結構長いこと続いているんで多分、大丈夫だと思うんですよ」

タカハラ「分かりました(笑)」

今野「腑に落ちない感じがあると思いますけど……」

タカハラ「いやいや、僕は全然大丈夫です。楽しかったので」

今野「じゃ、そういうことで。ありがとうございました」

タカハラ「こちらこそ、ありがとうございました(笑)」

インタビュアー:今野浩喜
構成:粕川哲男

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