今野浩喜の「タダのファン目線記」 フットサル編①


↑向かって左から椎名コーチ、國領さん、栗原さん、今野さん、白井コーチ

今野さんが“タダのファン目線”でクラブ関係者らに逆取材を敢行するシリーズ企画から一転、今野さんが行きたい場所・やりたいことをただただリポートするという、迷走するコーナーとなった本連載。今回はフットサル体験の前編! 本コーナーにたびたび登場していただいている大宮銀座通り商店街の会長・栗原さんと、FM NACK5「VAMOS! Orange & Navy」パーソナリティーの國領さんとともに、普及部の椎名コーチと白井コーチにフットサルを教えてもらいました。

フットサルの基本ルールを学ぶ

今野「今日はよろしくお願いします」

椎名「普及部の椎名です。ここ、オレンジコートの店長もやらせていただいています」

白井「同じく普及部の白井です」

國領「國領です。よろしくお願いします」

栗原「栗原です」

椎名「まずはフットサルのルールなどから、ご説明します。この紙を見ていただきながら。じゃ、座ってやりますか」

全員「はい」

椎名「フットサルは基本的に体育館、アリーナでやるスポーツです。バスケットボールのコートより大きくて、横20m、縦40mが標準サイズです」

今野「けっこう広いな」

椎名20分間の2ピリオドなので、前後半で40分。ボールが外に出たら時間が止まって、交代は自由。交代ゾーンから出入りする決まりです。独特のルールとなると、4秒ルール、5ファウル、バックパスの禁止などですかね」

全員「ふ~ん」

椎名「バックパスに関しては、ボールをキャッチしたキーパーが味方にパスを出した場合、相手に一度当たらないとキーパーに戻せない。戻すと、触った位置から間接FKです」

今野1回はできるんですか?

椎名「はい。例えば、キックインから一度は戻せる。そこから出たボールに関して、もう一度戻すことはできない。だから、キーパーを使ったボール回しはできません」

今野「一回大会に出させられたことがあって、審判がバックパスうんぬん言ってて、何を言ってるのか分からなかった()

栗原「相手コートからは戻せるんですか?

椎名1回はよくて、2回目はダメです」

今野「そうなんだ!

椎名「昔は相手コートに入ったらキーパーに戻せたんですが、ルールが変わりました」

栗原「そうなんですね」

今野「そのときも、なんか変わったって言われたんですよね……」

全員「あははは……」

椎名「キックインのルールも徐々に変わっていて、よりサッカーに近くなっている印象があります。サッカーとフットサルの一番の違いは、コートが狭くて、相手選手との距離が近いところ。だからトラップする場所がインサイドじゃなく、足の裏をよく使う」

國領「うんうん」

椎名「交代ゾーンがあるので、そこからパッと試合に出て、2分間を全力で走って誰かと交代、みたいな感じです」

栗原1チームは何人なんですか?

椎名「大会によりますが、最大で14人。ベンチに9人までいていい感じです。じゃ、話はこれくらいにして、実際にやってみますか」

全員「お願いします!

 

フットサル特有のプレーを練習

椎名「まずは二人組を作っていただいて、パスからやりましょう。インサイドパスを足の裏を使ってトラップ。つま先をあげて三角形を作ってボールを止める。インサイドで押し出す。ボールに縦回転がかかるように蹴りましょう」

今野「は~い」

椎名「いいですね。國領さん、いま良かったです。栗原さんはボールを止めたあと、少し下がってボールを蹴りにいっている。それだと相手に詰められちゃうので、ボールを前に転がして、一歩前へ出る感じで」

栗原「なるほど。けっこうハードですね。初っ端から飛ばしてる感じがします。普段は子供を抱っこするくらいなので()

椎名「そうです。すばらしい! 右足で蹴りたかったら右斜め前、左足で蹴りたかったら左斜め前にボールを置くと蹴りやすいです」

白井1で止める、2で押す、3で蹴る。123のリズムでやるといいですよ」

今野「こうか。意識しすぎると難しいな」

椎名「でも、みなさん上手です。栗原さん、左足蹴れてますね」

栗原「そうですか?

今野「しんどいですね……。やっぱり、足の皮が薄くなっているんでしょうね。ボールを蹴ると足が痛い」

椎名「いいですね。次は、少し動きを入れてやりましょう。必ずマークがついているので、一度マーカーの見えない位置に動いて、戻って受ける。これをランフェイントと言います。縦に抜け出す動きを入れて、戻ってマーカーの前で受ける。これを1分間やりましょう」

栗原「これは大変だな」

今野「縦に行く振りをして、戻るか」

椎名「今野さん、クルっと回っちゃってますね」

今野「ん? このまま……こうか」

椎名「そうですそうです。全然違います!

今野「頭が追いつかないな()

椎名「この動きをするとフリーでボールを処理できます。はい、OKです。少し体操して、次はトラップと同時にケンケンで後ろに下がって、2回目で前に押し出してパス。後ろにケンケンして押し出すだけで、相手を一人かわせます」

白井「重心を低くしてボールをしっかり押すといいと思います。両膝を軽くして、自分が一番スムーズに動けるように」

今野「こうかな」

椎名「國領さん、トントンタタッ、のリズムがいいかもしれないですね」

栗原「なるほど」

椎名「ゆっくりゆっくり、速く!

國領「左利きですか?

栗原「僕は右利きです」

國領「でも、すごい」

椎名「次は、フットサルでよく使うトーキックをやりましょう。ボールが顔だとすると、おでこの部分をつま先で蹴ってやる。そうするとグラウンダーのボールがいきます。このキックはけっこう使うことが多いです」

栗原「つま先ですか?

椎名「そうです。あっ、(栗原さんのキック)優しいですね」

國領「これをやると親指の爪が……。私の左足は完全にお亡くなりになっています()

栗原「あははは……」

國領「夏、サンダルを履くとばれちゃうから、濃い目のネイルをしてます。フットサルのボールは重いから飛ばないけど、トーキックだと女子でもけっこう飛ぶんですよね」

椎名「女子は特にインステップはサッカーやってた人じゃないとなかなか蹴れないから、歩くのと同じトーキックは最初いいかもしれないです」

今野「あぁ~」

白井「うまくいくと、つま先も全然痛くないと思います」

椎名「トーキックも慣れると、いろいろな種類のボールを蹴れるようになります。じゃ、次はボールをすくい上げる浮き球の練習を。これも意外と使います」

栗原「難しい!

白井「やるときはボールが動いていないとき、すくってやるとやりやすいです」

椎名「おぉ~。今野さんうまいですね」

國領「あははは……ダメだ」

白井「タッチライン際で、相手を外して真横にパスを出すときとかに有効ですね」

今野「なるほど」

栗原「あぁ~、ごめんなさい」

椎名「じゃ、お水を飲みましょうか。基本的なパスはこれぐらいで。次はシュート練習をやってみましょう」

全員「はい」

椎名「フットサルはサッカーと違ってゴールが小さいので、工夫する必要がある。普通に遠目からシュートを打っても、なかなか決まらない。フットサルはオフサイドがないので、ファーポストに強いボールを蹴って、そこに前の選手が詰めるパターンが一つあります。これは戦術の一つというか、一番簡単にゴールの近くから点を決めるパターン。いわゆる『ファー詰め』と呼ばれる形です」

全員「ほほぉ~」

椎名「キックインからチョンと出して、後ろから走ってきた選手がファーポストへ蹴って、そこに選手が詰める。チョンと出してドンと決めるので、『チョンドン』とも言いますね。3人で回りながらやってみましょう」

国領「こうかな」

今野「はい」

椎名「おぉ、完璧完璧! これがファー詰めです」

(キックインした選手が縦に走ってパスを受けてクロスボールを入れる形「=パスパス」、パスした選手の背後を回ってクロスボールを入れる形=「スイッチ」など、右サイドからと左サイドから数パターンのシュート練習を実施)

今野「うわっ!

椎名「いいですよ。ナイス!

國領「あぁ~」

栗原「あれだと強いですか?

椎名「そうですね。走ってくる選手に合わせて、止まりそうなくらいのボールでいいです」

栗原「超初歩的な質問していいですか。フットサルでは、ヘディングはしないんですか?

椎名「やります。えっと、キーパーが投げたボールを頭ですらして入れるとか。あとは、さっきやったようなファーポストへのボールに対して、頭で詰めるとか。でも、ボールがあまりはずまないので、サッカーほどは多くないですね。一通りやったので、最後みんなでゲームをやりましょうか」

全員「はい!


後編へ続く

構成:粕川 哲男

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