今野浩喜の「タダのファン目線記」 オレアル原カメラマン編

今野さんが「ただのファン目線」で行きたい場所に行ったり、会いたい人に会うコーナーとなった本連載。今回は、長年、テレ玉のクラブ応援番組「オレアル(旧番組名:Ole! アルディージャ)」の撮影を担当しており、71日のFC町田ゼルビア戦で、公式戦現地取材1000試合を達成された、原カメラマンにお話をうかがいました。


はじまりは98年

今野「よろしくお願いします。今野です」

「原です」

今野「原さんは、どんなお仕事をなさってるんですか?

「えっと、テレ玉のアルディージャの応援番組『オレアル』のディレクターというか、カメラマン兼任という形で、番組制作全般をやってます」

今野「そう言えば(番組に行ったとき)いらっしゃいました。どうも、その節は」

「こちらこそ、ありがとうございました」

今野「いつごろからやってるんですか?

「番組としては2000年からです。それまではテレ玉の中にある情報番組のコーナーでアルディージャを扱っていました」

今野「そんな前からですか」

「当時は携わってなかったんですけど、2000年から一つの番組にしましょうってことで立ち上がったタイミングで参加して、今に至るみたいな感じです」

今野「ちなみに何の番組だったんですか? コーナーだったときは」

「今も名前を変えてやってるんですけど、夕方の情報番組で『常盤6丁目情報局』って番組でした。その中の10分くらいのコーナーで、月曜日にやっていました」

今野「へ~」

「実際に番組を独立させるってなったときに、当時のテレ玉の担当者から『やらないか』と言われて始めたのが、スタートでした」

今野「そうなんですね」

「今と比べるとサッカーをやってた人がそんなにいない時代だったので。僕は、たまたま中学生のときにちょっとだけやってて、知らないよりは知ってるやつのほうが……みたいなところで()

今野「そんなにいなかったんですね」

「そうだと思います」



今野
「原さんはテレ玉の方なんですか?

「いや、制作プロダクションの人間です」

今野「レッズの応援番組は違うところがやってるんですか?

(小声で)違うところです」

今野「アハハハ。原さんは、そもそもサッカーは、Jリーグとか見てたんですか?

「見てましたね。93年の開幕当初から。レッズサポではなかったです。読売vs日産を見てた世代なので……」

今野「アルディージャは原さんの中で、どういう存在でした?

「最初はチームの存在すら知らなくて。番組も直接関わるとは思ってませんでしたから、全然わからないチームでした」

今野「それが、チーム立ち上げからですか」

98年の途中に大宮アルディージャに名称が変更されたので、そこからですね」

今野「すごいですね。えっ、何年?

「一番最初が98年の11月だから……」

今野26年目ですか。すごい長くやってるんですね」

「普通のサラリーマンじゃあり得ないですね()

意見の合う二人

今野「原さんって、『オレアル』以外には?

「レギュラーでは、『BACHプラザ』を週に1回スタジオの担当をしています」

今野「えっと、『BACHプラザ』は競輪ですか?

「埼玉県内はボートレース、オートレース、競輪、競馬、地方競馬って全部あるので、 それのレース結果を。あとは記者の方の展望。次の日の予想ですね」

今野「あれ? 今、何を聞こうと思ったんだっけな。『BACHプラザ』に持っていかれた」

「フフフフ」

今野「何かあったんだよな……。ま、いいか。そのうち思い出すか。いや、思い出すとは思えないな。うん、いいか。すみません()。『オレアル』は応援番組じゃないですか。チーム状態が仮に悪いときがあったとして……」

「はい()

今野「あったとしたら、どういうふうな盛り上げ方をするんですか?

「特に今は浜谷(健司)が出てるんで、難しいことを言っても、と。彼に出てもらうきっかけも、とにかく頑張れって気持ちだけは伝えていこうってところで。なので、いまの基本姿勢はそこにあります」

今野「仮にチーム状態が悪いのが長く続いたときは、難しいですね」

「確かに。表現を変えて、いろいろ言っていますけど」

今野「なかなか大変なんだろうな、と思います」

「本当だったら、コロナもだいぶ収まってきたので、浜谷がもっと選手に絡んだりとか、体を張ったことをやっていきたいんですが、そういうものを今のチーム状態の中で見せても。サポーターの方の理解を得られないというか……」

今野「なるほど」

「そういった企画をやってこそ浜谷である意味があるので、なるべく、そういう方向に向かっていきたい気持ちはあるんですけど……」

今野「浜谷くんは、もともとサッカーに興味ないぐらいの状態でしたよね。そのままならバカなふりというか、何も知らない感じで行けたと思うんですが。今さすがにそれは嘘になりますよね」

「本人も、そこは感じていると思います。でも僕、個人的には応援する理由に強さは関係ないと思っているので」

今野「それは、俺も本当にまったくそうだと思っています!

「思いますか。良かった! もちろん、強いから応援したいって人もいるかもしれないですけど、そこじゃないというか……。僕たちは取材で選手と触れ合うことが多いので、人間的なところが見えて、そういうところから応援したい気持ちが湧いてくるのかなってところがあります」

今野「本当にそう思っています。強い、弱い、勝った、負けたに一喜一憂するんだったら、そもそもレアル・マドリーとかパリ・サンジェルマンとか応援したらいいじゃんっていう。哀しい話ですけど、大宮にそれを求めてどうするんだっていうね」

(苦笑)

今野「頑張っているのは選手、チームですからね」

「それは思います。埼玉にはレッズもあって、向こうの応援番組もあるので、そことの差別化というところは考えていて。向こうは硬派なイメージがあったので、こっちはよりソフトな部分を知ってもらえたらとは思っています」

今野「そうですよね。雰囲気がいいから応援に行きたいっていう人が多かったはずです。だんだん殺伐としてきてますけど」

「そうですね()

守り勝つサッカーが好み

今野「原さんは、どういうサッカーが好みとかありますか?

「スコアで言うと、僕は1-0こそサッカーの魅力だと」

今野「なんか、すごく合うかもしれない」

「そうですか()90分走り合って、1点取るか取らないかこそサッカーだと思います」

今野「いや、本当にそう思います。結果、めっちゃ点が入ってもいいと思うんですけど、俺も守り勝つようなサッカーがすごい好きなんです」

「僕も失点はしたくない。それこそ昔の大宮は1点取って守り切るみたいなサッカーが多かったので、そこで染みついちゃったのかもしれないですけど」

今野「アハハハ。本当にそうなんですよ。守りに守って前の外国籍選手二人で勝負する、みたいなサッカーが好きなんです。面白いサッカーって何なのか。俺は、選手がやってて面白いサッカーだと思います」

「なるほど」

今野「勝つサッカーこそ面白いサッカーじゃなきゃいけないと思うんですけど」

「深い!

今野「パス回すのも面白いとは思いますけど、最終的に勝たないと」

「そうですね」

今野「こんなにアルディージャの話をしたのは、初めてじゃないかな」

「そうなんですか()

原さんが選ぶベストイレブン

今野「それじゃ最後、原さんが選ぶベストイレブンを聞いておきますか」

「はい。これまでのページを一通り読み返して、一応メモってきました」

今野「システムは、もちろん[4-4-2]ですよね?

「はい。それで考えました」

今野「それ以外はないですよね」

「キーパーは川島永嗣。アルディージャでスタートしたことを知ってもらいたい」

今野「あぁぁ~、なるほど」

「最終ラインは安藤正裕、菊地光将、片岡洋介、和田拓也にしました」

今野「は~。和田選手は、挙げる人多いですよね」

「中盤はイ・チョンス、金澤慎、小林慶行、藤本主税」

今野「イ・チョンスですか」

「スーパースターが来たな感があったじゃないですか。ワールドカップを見てたので」

今野「ありましたね。あのイ・チョンスか、と思いましたね()

「そうなんですよ。2トップはデリー・バルデスと家長昭博にしたいです」

今野「やっぱね、意見が合う方だと思いました。みなさん意外と家長を入れないんですよ。何を強がってるのか()

「そこは絶対かなと思って。サイドハーフかフォワードかは悩みましたけど」

今野「監督は?

「番組を始めたときが三浦さんだったんで、三浦俊也で」

今野「サブも……」

「考えてきました。キーパーは、賑やかにできるので加藤順大で」

今野「えっ!? 全ポジションですか?

「ベンチ入りなんで、7人を」

今野「それはすごい」

「あとは、木谷公亮、渡部大輔、斉藤雅人、渡邉大剛、マテウス、森田浩史ですね」

今野「ははぁ。マテウスがサブですか」

「贅沢に()

今野「いやぁ、いい話を聞けました。どうもありがとうございました」

「ありがとうございました!


構成:粕川 哲男

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