FW19 イバ【マンスリープレーヤーインタビュー】

“チーム一丸”の必要性

期待は大きい。だからこそ、イバは責任を感じている。

加入3試合目で移籍後初ゴールを決めた。ペナルティエリア外正面でパスを受け、鋭いターンからゴール右隅へ蹴り込んだ。2017年のJ2得点王であり、J2通算79発の実力が、アルディージャでも存分に発揮されるだろうとの期待は膨らんだ。

チームの、ファン・サポーターの期待だけでなく、イバ自身も新天地に懸ける思いは強い。8月26日に横浜FCから完全移籍した際には、「チームの勝利のために、少しでも多くの得点で貢献できるように頑張ります」と語っていた。

それだけに、第29節終了時点の13試合出場1ゴールという成績は、驚きをもたらすものだと言っていい。4シーズン半を過ごした横浜FCでは、2試合に1点のペースで得点を決めてきたのだから。

「これだけ長くリーグ戦で得点を決めていないのは、日本に来てからだけでなくキャリアを通しても初めてのことです。大宮のために自分が得点を決められていないことも、チームとしても得点が少ないことも、とても悲しく残念なことです。けれど、メンタリティーは強く持っています。ピッチ上で自分に何ができるのかは把握しているし、点を決められることも分かっています。自分自身を信じて前向きな気持ちで、練習に取り組むように努めています」

チーム戦術への戸惑いはない。

「チームがどのようなプレーをするのかは、攻撃についても守備についても、100パーセントとは言えないまでもほぼ理解しています。その中での自分の役割も理解しています。このチームにはいい選手がそろっているし、若くていい選手もたくさんいる。フォーメーションもいいと思う。それなのになぜ、皆さんが望むような結果を得ることができていないのか……。正直なところ、私にもはっきりと分からないところがあります」

ケガ人の続出に苦しんでいるのは事実だ。第27節のファジアーノ岡山戦から第29節のV・ファーレン長崎戦までは、3試合連続でベンチ入りメンバーを5人しかそろえられなかった。本来と違うポジションで選手を起用するといった応急処置も絶えない。

「今シーズンは連戦が続いていて、そこではすごく難しい試合があり、ポジティブな印象を残した試合もあります。私はJ2というリーグを理解しているつもりで、ここで勝つためには何をしなければいけないかも理解しているつもりです。サッカーはチームでハードワークすること、チーム一丸となって戦うことが大事です。チャンピオンになりたいのであれば、その気持ちを全員が持っていなければなりません。横浜FCでプレーしていた当時、大宮との対戦は恐れを抱かせるものでした。とてもタフでいいチームだと思っていましたが、今は何かが違うと感じます。率直な思いを明かせば、まるでスモールクラブのようで、対戦相手は我々を恐れていないと感じるのです。それはとても不思議で、なぜそうなってしまったのかは分かりません。いい選手がそろっているし、本当にいいチームなのに」


私たちは一つの家族

イバ自身は「メンタリティーの重要性」を説く。「J2は選手のクオリティーよりもメンタリティー、戦争に行くような気持ちのチームが勝つ」というのが彼の持論だ。

「100パーセントそうだと思います。本当に100パーセント、そうだと思いますよ。私たちのチームにはクオリティーのある選手がそろっているのだから、戦争に行って勝つんだというぐらいの気持ちで臨んでいけば、必ず結果は変わってくるはずだと思います。ここからは本当にメンタルの戦いになってくると思いますし、私たちは一つのチーム、一つの家族として強い気持ち、強い姿勢でいなければいけない。味方選手がパスミスをしても、チャンスでシュートを外しても、物事をポジティブにとらえていく。戦術的にうまくいかない試合でも、戦争に勝つんだという気持ちで臨んでいくべきだと思うのです」

互角の勝負を左右する運やツキにも、今―ズンは恵まれていない。イバも「確かに、今のところは運もないですね」とうなずくが、「だからといって、やることは変わりませんよ」と続ける。

「今まで以上にハードワークをして、前の試合より多くのチャンスを作れるようにして、チャンスで決められるようにしていくことに尽きるでしょう。そのためにも、相手を上回る情熱を試合に注いでいく」

実に8試合が組まれている11月は、そのうち4試合がNACK5スタジアム大宮でのホームゲームだ。1戦必勝で順位を上げていくためにも、イバはファン・サポーターとの共闘を誓う。

「アルディージャのファン・サポーターの皆さん、いつも応援をしてくれてありがとうございます。今の私はハートから血が出るぐらいに苦しい状況ですが、チームが勝つために努力をしていきます。ファン・サポーターの皆さんが私たちの勝つ姿を見て、いつも笑顔でいられるように、私は点を決めていきたいと思います。これからもどうぞサポートをしてください。私の心はいつも、皆さんのそばにあります」

期待は大きい。だからこそ、イバは自らを奮い立たせる。

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